コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ずっと歩いた先に遊園地が見えてきた。
遊園地なんて子供の頃も行ったことがない。
親はずっと家にいなかった。
何をしてたの?なんて聞ける環境でもなかった。
気づけば自分も同じ道を辿っていて家に帰るのも深夜帯になっていた。
その時、あなたが現れて私に夢を見せてくれた。
そんなあなたと行く 未知の場所。
キラキラした門を潜り人混みの中に入る。
ア「なんか懐かしいな〜」
日「ここが遊園地ですか…」
ア「初めてか?」
日「はい。」
ア「家庭環境やばいんだっけ」
日「虐待とかは無かったんですけど、帰ってくるのが深夜で寂しかった覚えはあります。」
ア「じゃあその分俺に甘えてよ?」
日「//////」
ア「ああああ!」
日「な、なんですか急に!」
ア「綿あめ!!!」
あなたが指さした先には色とりどりの雲が並んでいた。
日「なんですか…あれ…可愛いですが毒々しいですね…」
ア「2つで〜」
私が目を離した隙にあなたはその雲を売っている人に話しかけていた。
ア「買ってきたぞー!」
ア「口開けて」
日「??あー」
あなたは笑顔で私の口にその雲を突っ込んだ。
日「!?…甘いです!」
ア「www当たり前だろ?綿あめなんだから。」
どうやらこの雲は「わたあめ」というそうです。
日「食材だったんですね〜おいしいです^^」
ア「あ、なくなった…」
日「えっ早すぎません?」
あなたは私の「わたあめ」をじっと見つめてきた。
日「な、なんですか…」
ア「なんでも?」
あなたは「わたあめ」から目を離そうとしない。
日「あげませんからね!」
ア「けち」
私は「わたあめ」を食べきった。
ア「あぁ…」
日「なくなった…」
2人でうる目になった。
その後も観覧車、ジェットコースター、他の美味しいものも色々食べた。
そしてもう夕方。
閉園時間だ。
ア「…」
日「…」
あっという間過ぎる。
まだ、遊びたかったのに。
閉園時間の音楽が切なくて余計寂しくなる。
ア「楽しかったな!」
あなたにとっては子供の頃何度も訪れてこの寂しさには慣れているのかもしれない。
でも私はこれが初めてであんなに楽しかったのになんでこんなに寂しいのか意味がわからない。
親がいなくて寂しいとか構ってもらえなくて寂しいとか褒めてもらえなくて寂しいとかそんなのだったら私は何回も経験してる。
でも楽しかったから寂しいなんて経験したことがない。
それにその方が何倍も寂しい。
出来ることなら朝に戻ってもう1回この一日を過ごしたい。
帰る足を止めたい。
帰りたくない。
まだ遊びたい。
日「…」
ア「楽しく…なかったのか?」
日「帰りたくないです」
帰る足を止めて突っ立った。
ア「…え?」
日「まだ遊びます…っ」
ア「そんな子供みたいな笑帰ろう。ほら」
日「嫌です…!」
ア「ほら〜おいで〜帰るぞ〜」
日「まだ遊びます゛!泣」
ア「あ…割と本気な感じ…?」
日「まだ乗ってないのあります!まだ食べてないのあります!」
ア「…ま、まぁ…?」
私はその場に座り込んだ。
意地でも帰りたくなかった。
ア「え、えぇ…」
日「帰゛りたくなあい!」
顔をうずめて泣きじゃくった。
日「ぅああ゛あぁあ」
子供の頃でもこんなことしたこと無かったのに。
あなたは動揺しながら私と目線を合わせた。
ア「寂しいけど、また来れるから。ね? 」
日「…ぅ…っっ来れなかったら…」
ア「絶対来れるよ。」
薄々気がついた。
私は遊園地でもっと遊びたくて泣いてるんじゃない。
こんなにも優しくしてくれるあなたともっと一緒に居たくて泣いてる。
ア「次来たら、乗れなかったとことか乗ろう?」
ア「それでいい?」
日「ぅ…ん」
ア「寂しかったんだね。ほら、一緒に帰ろ!」
あなたの手を掴み立ち上がった。
ア「大人になっても寂しいものは寂しいもんな」
日「はぃ…っ」
私はあなたの前では泣いてばかり。