コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
視界がぐるぐると回って眩暈がする
本能で咄嗟に何かにつかまろうと手を伸ばすが、指先は虚しく空を切る。床が砕け、叫ぶ間もなく身体が沈んでいった。
重力に引きずられ、視界が闇に飲まれていく。空気が急に冷たくなり、耳元で風が唸る。落下する感覚だけが全身を支配して、上下の感覚さえ失われていく。
やがて、衝撃。
背中から地面に叩きつけられた瞬間、肺の空気が一気に押し出された。息ができない。痛みが遅れて全身を這いまわる。
暗闇の中、土と鉄錆の混じった匂いが鼻を突いた。ここはどこだ――地上とはまったく異なる、閉ざされた世界の底だった。
眠い
こんなふうに直ぐに散れたなら良かったのに。