甲斐田受.

甲斐田受.

がっっっちで本人様に関係ありません。

あえて「///」は付けてません

tyhr.

「ねー、もちさーん…！！」

「もうなんですか？」

僕はこんなたんたんとした日常がずーっと続くと思っていた。でも、そんな生活はすぐに壊れてしまった。…というより、もうすでに壊れてしまっていたのかもしれない。

「ねぇ、僕がさ…もちさんのこと好きっつったら」

「…どー思う？」

「…え？」

「そ、それって…どっ、どーゆー…ｯ…」

僕はすぐに察した。悟ってしまった。甲斐田くんが、僕のことを”恋愛的”に好きなことを。でも、僕は即答できなかった。好きだけど、好きじゃない。僕はいつもナルシスト、みたいな感じに思っている人も多いと思う。だけど、僕は、そんなに自信満々な人間ではない。僕には魅力などない。なのに、そんな僕を好きになる訳がわからない。いじめに遭っている訳でもないし、否定される人生も過ごしていない。でも…でも…！自分の良さに、自分の好きに、気付けなくて…

「もち…さん？」

「あ、あぁ…」

「ねぇ甲斐田くん」

「は、はい」

「僕がさ、何言っても…」

「許してくれる？」

「ｯ、え…？」

「もｯ、もちさんが言うなら」

「全部全部信じます。」

「だって、大好きだから…！」

もう宗教じゃん。まぁ教祖だけど。…ぁ〜あ、僕、甲斐田くんのこと、おかしくさせちゃったのかな。…でも甲斐田くんが僕のことをこんなに大切に思ってくれてる…？じゃあ…断る理由なんてないよな。

「…いいよ」

「ｯ、え？」

甲斐田くんは一瞬で顔が、真っ赤に染まって、下向いて「ありがと」とかゆるゆるの滑舌で止まりながら言ってくれた。今までにない嬉しさが胸を飛び跳ねた。

「大好きだよ、晴。」

「あ、あぃ、が…と…」

「僕も…だ、大好きです…」

「おやすみ」

「あ、おやすみ…なさい」

side:🌞

思ってたよりあっさりだったな…。なんかちょっと寂しい。いや…別にさみしくなんて…ない…よね。好きな人と付き合えただけで嬉しくて寂しさなんて忘れられるよね。

「ｯ、うわぁっ、！？」

「うるさい」

「はっ、はぇぇ…」

不意にバックハグされて、みるみる顔が真っ赤に染まることぐらい、もう察した。さっきまでの寂しさがなくなって、嬉しさに満ち溢れている。嬉しい。今生きてるどんな人より幸せ者だろう。それぐらい嬉しい。誰にも伝わらなくてもいい。というか逆に伝わってほしくない。僕だけのもちさんでもちさんだけの僕。ずっと大好き。

「…嫌…でしたか？」

「ｯ、！？いや、全然…」

「てっ、ていうか！ずっと」

「は、離さないでほしいぐらい…嬉しい」

「ふっ、笑」

「離す訳がないじゃないですか。」

「それじゃ、おやすみ」

「うっ、うん…」

「寂しいんですか？こんなに近距離なのに」

「恥ずかしいだけですぅ！」

「なんも言わないでください…！！」

「ふふん…笑」

「ふｯ…笑、か〜わい…」

あの女性向けASMRにあるような囁きボイスで言われたら誰でも恥ずかしくなるに決まってる…。まぁ、僕だけだけどね！そして、ちょっと笑いながら言う悪魔のような声、顔。全部全部愛おしくて。

「〜ｯｯ！？」

「はっ、はぁ、！？」

「うるさい！！」

「えぇ…？」

「なんも言わないでってばぁ！！」

「早く寝てください！」

「はいはい…笑」

呆れた声色で返事する君がとても愛おしい。こんな日常が続くといいなぁ。ずっと大好き。

「おやすみ」

「おやすみなさい…」