テラーノベル
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第1話 ー二 人 の 出 逢 い ー
暗い夜の渚に立つ俺と貴方。
波の音が静まると同時に貴方は此方を向いた。
消えそうな笑顔を浮かべ、歩み寄る貴方をただ見詰めることしか出来なかった。
「君も、此処に一人で来たの?」
貴方は優しく問いかけた。弱い声で。
「はい。一人です」
貴方は「そっか、」と呟き、空を見る。
俺も同様に空を見詰めた。
「俺、あの星みたいになりたかったんだよね」
「星…、」
「皆を輝かせられるような人に。」
「俺も太陽みたいに明るい笑顔で皆と話したかったんです」
「俺たち似てるじゃん、」
「…ですね」
貴方は、ふふ。と笑いながら波の音に耳を澄ませていた。
「そういえば、お名前聞いてなかったです。」
「俺は四賽ないこ(しさい ないこ)。君は?」
「俺は…一埜りうら(いちの りうら)です。」
「りうらくんか、良い名前」
「ないこさんも。」
貴方はこの波音と共に消えていきそうな声で
「そうかな、」なんて言って笑っている。
どこか悲しそうにしながら。
二人で夜の海と空を眺めて二時間くらいが経った頃、貴方は
海の奥、水平線を眺めて涙を流していた。
「どうしたんですか、?」
「なにもないよ、」
なにもないわけがない。だってこんなにも綺麗な涙を流しているのだから。
「もうないこさんは独りじゃないですから俺にもお話聞かせてください」
微笑みながら話しかける俺を涙で潤んでいる瞳で見詰める貴方は、どこか愛おしかった。
第2話 ー 二 人 の 未 来 ー
コメント
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う お ‐ .ᐟ 儚 い ね ぇ .. ち ゅ き で す 🥹 💞