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何もかも捏造です。誤字脱字、カップリング要素ほぼ無し、ライバーの死の描写。晒し行為はお控えください。
何でも許せる方向けです。
2000年代 冬、地球は隕石によって破壊されてしまうらしい。
「聞きましたか?あと十二時間程で隕石が衝突するらしいですよ。」
黒く淀めく風で藤色の髪が揺れる。満天の星空が光る中、男は沈んだ瞳で目の前の蛸を見た。
「小柳くんは、世界が終わる時何をしていたいですか?」
細く鋭い目を向ける。相変わらず風が前髪を揺らし、視界を遮っている。世界が終わると告げられたのは、今朝の事。あまりにも唐突で、百年生きた己でさえあんまりだと思う。まだ生きていたい、理不尽に死ぬ未来に怒りを通り越しもう何も考えれなかった。
「……分からない。どれか一つでもやろうとすれば、他にやりたい事が沢山出てきて到底十二時間じゃ足りないな。」
星空を見上げた。隕石はまだ見えない。いや、あの人一倍光っているアイツが隕石か、憎たらしいほど光って誰にも止めることの出来ない速度で奴は走る。
それは、宇宙と同化しているらしい蛸でさえも同じ事だろう。
「そうですか…なら小柳くんが今一番したいのは、逃げる事ではないですか?」
「逃げる…?」
「ええ、隕石によって死んでしまう未来から逃げたいでしょう?」
男は藤色の髪をなびかせながら、目の前に立ち星空を背にして両手を広げた。そして蔓延の笑みで続ける。
「一緒に逃げませんか?このまま死を待つのではなく、何処か遠い遠い宇宙へ俺と行きませんか?」
そう言って、男は手を差し出す。男の言う事はにわかには信じ難く、狂人の戯言だと流されるようなものだ。けれど、長年共にいて、彼の事を知っている者ならその支離滅裂な文言も、何処か信憑性を感じ取ってしまう。彼とならまだ、生きていられるとそう思うのだ。
「宇宙の先はまた新しい世界があります。きっと、あの隕石なんて始めから存在しない世界だってありますよ。」
指を差した先には光を増した一番星。徐々に迫るその姿に急かされ、焦る思考と彼の今までの摩訶不思議な生態が、提案に乗ってしまう程の信頼を与えた。
「…一人じゃ寂しいんだろ。」
「……あはっ、バレました?」
「こんなに仲のいい人が出来たの、生まれて初めてなんです。そんな人が居なくなるのは悲しいなって思っただけです。」
「……ありがとう。お前と知り合いで良かった。」
そう言うと、男が今一度差し出した手を強く掴んだ。
空間に裂け目が生じる、その先には宇宙が広がっていた。男は片足をその裂け目へと起き握った手を引く、恐る恐るその割れ目へ入った。
その瞬間浮遊感に襲われる。彼の手を強く掴んで逸れないように…ああでも、それよりもずっと頭痛がする。耳鳴りが酷い、雑音がずっと鳴り響いて耳を塞いでも治らなかった。ぶつんっと音が鳴った、その音を最後に音を拾えなくなった。頭痛がする。息が苦しい、酸素が途絶えたんだ。当たり前の事だ、ここは宇宙だから、彼についていくなんて己には出来ない事だったんだ。何故気付かなかった、何故お前は気付かない、こんなにも俺は苦しんでいるのに、何故振り向いてくれないんだ。苦しい、何も見えない、何も聞こえない、痛い、イタい、イタイ、結局俺は……
一人旅は寂しい物だよ。それは過去の俺が一番知っている。今の俺には分からないけど。だけど、想像は出来る。つまらない物だろうね。だから、誰かと一緒が良かったんだ、ついてきて欲しかった。一緒にいても苦しくない、むしろ楽しい人とこれから旅が出来るなんて、嬉しくて振り向くのも忘れちゃった。
「ここのホールを抜けたら、別の世界線があるはずです。世界線が違うので最初にいた世界から少し変わったような感じなんです。全くの異世界って訳じゃないんですよ。」
後ろからの返事はない。彼はあまり無視をしないタイプのはずだが、慣れない世界移動で参ってるのかも知れない。ただの説明は聞き流すだけなのだろう。
「どんな世界が良いですかね。穏やかな物が良いですよね。ね、小柳くん。」
返事は聞こえない。質問に答えないなんて、どれだけ疲れてるんだろう。休憩したほうがいいのだろうか、しかし宇宙空間の長居はあまりしない方がいいんじゃ…だって、空気がないんだから……
「小柳くん…?」
忘れていた振り返りをする。何でもっと早くしなかったんだろう。この光景を見るのに覚悟が必要だったからだろうか。
あまりにも細くなった身体、白く硬く、もう誰か分からず、着ていた服だけが白骨化した彼を彼だと教えていた。
骨だ、彼が骨になった。どうりで何も喋らない訳だ。ああ、そうか彼は………
それを受け入れるのは俺には酷く難しい。
「…………………小柳くん、痩せました?」
星星が煌めく、姿が変わっても貴方は貴方だ。
鳥がさえずり朝を告げる。重たい体を起こして下の階へ向かうと、つい最近居座り始めた人物が悠々と朝食を焼いていた。
「あ、おはようございます。」
「…おはよ。」
お互い席に着くと、目の前にはきみが照っている目玉焼きが皿に乗せられ運ばれてきた。目の前の男は目を閉じ、手を合わせた後、箸で目玉焼きの目玉をさいた。
「どうしました?小柳くん。元気無さそうですね。」
「別に、まだ眠いだけ。」
「そうですか。夜更かししませんでしたか?」
「………。」
「したんですね。」
男は、はぁとため息をはき呆れつつもその顔は笑みを浮かべていた。まるで、言う事を聞かない子供に手を焼いているような顔だ、俺は子供と言える年ではないのに。たまにする親ヅラが結構怒りのツボにハマったりする。
「そう言えば、知っていますか?今日流星群が見えるって。」
「……何処で?」
「すぐ近くの丘の上です。見に行きませんか?」
「いいけど…夜の話だろ。今日はやらなきゃいけないこと沢山あんだ。しっかりしろよ。」
「任せてください、掃除は得意ですよ。」
メモはここで終わってるんですが、話が難解で自分でも収集つけれないなと思い書くのをやめました。でも結構雰囲気気に入ってるので見せれたらな〜と。
補足を入れると隕石が降って全滅エンドを避けるため、世界線を行き来きできる星導さんが、友達の小柳さんをつれてヒーローをしている世界線から、別の隕石の振らない世界線に行くという話です。最後朝食をとっているのは隕石が振らなかった世界線の小柳さんという事になります。裏設定として、星導さんの持つトランクケースに1番目の小柳さんの骨が入っていると想定しています。
宇宙服無しで宇宙に行った場合どうなるのか調べずに書いたので、見当違いな事書いてるかも知れないです。温かい目で見てくださってありがとうございます。