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- ̗̀⚠︎ ̖́-
kyng × inm
友情出演hbc
エセ関西弁注意
体調不良、微虐待表現注意
若干病み要素あります
既に付き合ってます
inm視点
数日前からずっと本部から1人では処理しきれないような量の仕事を渡されている。
それでも出来ないです。なんて言いたくなくて頑張っていたら渡される量が増えた。
任務でも、書類仕事でも最近は嫌がらせが多くなってきていて困っている。
1人でギリギリ対応できるけど軽い怪我を負うぐらいの任務を多く渡されるようになった。
書類の束が出来るぐらいの書類仕事を渡さららようになった。
でも、俺はヒーローだから。
ヒーローだから、大丈夫。
大丈夫…。
きっと大丈夫。
そう言えば今日は書類を提出しに本部に行かなきゃいけないので着替えて荷物を持ち本部に向かう。
いつもは嫌そうな顔をされたり陰口を言われたりするのに今日はニヤニヤして誰も何も言わない。
気味が悪いので書類だけ提出して帰ろうと思い書類を渡したあと後ろを向いて扉に歩き出すと呼び止められた。
『おい、話があるからここに残れ。』
「…はい、?申し訳ないんですがこの後予定がございまして何かございましたらDyticaの方に連絡を……」
とまで言いかけて嫌そうな顔をされる。
『お前の予定など知ったことでは無い。
なんでもいいから残れ。
それ以外の奴らは帰って良い。』
なんて言われて他の本部役員はクスクスと笑いながら部屋から出ていく。
『さて、お前はDytica所属だったよな?』
「…そうですけど、それがどうかしましたか?」
『Dyticaにお前は不要なのでは?』
「……何が言いたいのでしょうか。」
『古風で伝統を大事にするアイツらと伝統を無視して忌まわしき東の技術を西で使っているもの。
どちらが要らないか。お前もわかるだろう?』
『だから、Dyticaから抜けてくれ。』
「お聞きしてもよろしいでしょうか?」
『……なんだ。』
「それは、それはDyticaのヒーロー達にも聞いた結果の決定ですか?」
『当たり前だろう。
アイツらは力が強いから本部に異論を唱えられて何かされたらたまったものではない』
なんてため息をついている。
「……そうですか、ではDyticaを抜けたら俺はどの支部に飛ばされますか?」
『当たり前に東だろう。』
「分かりました。」
『Dyticaの拠点から出ていく準備をしておくんだな。』
なんてニヤニヤ言われて。
何時もならみんながそんな事言わないのも、当たり前に聞いてないのもわかるはずなのにこの時は仕事のせいでろくに寝ていなかった為そんなこと頭にも浮かばなかった。
皆の同意……。
やっぱり俺は落ちこぼれ?要らない子?
みんなに捨てられたなら俺、東に行っても必要とされなくない?
元からヒーローなんて向いてなかったんじゃないか?
そこまで思ってしまった。
思ってしまった言葉が過去に言われた言葉だったのが良くなかったみたいでトラウマが蘇ってくる。
産まなきゃ良かったも言われこともあったなと思い出して、確かにそうかも。なんて本当に産まれてこなければ良かったのかも。
それならこんな気持ちになることもなかったのに。なんて思ってしまった。
というかそもそも飛ばされることは確定だったみたいで、今日中に寮に行くように。
なんて手紙が届いている。
早くここを出ていかなきゃ。
それしか頭に無かったから、今日はみんな任務も仕事もなくて拠点に居る事を忘れてた。
ただいまも言わずに急いで自室に行って急いで荷物を詰める。
家具は置いてあるらしい。
pcは無いらしいし工具も無いらしいので2つともどうやって持っていこうかと考えていると自室の扉が開いた音がする。
「…ライ。」
そこに立っていたのは俺の恋人で。
「……ろぅ、どうしたの。」
少し声が震えてしまったのにはどうか気づかないで。
なんて思っているとロウが近寄ってくる。
俺が座っている床の目の前にロウも座ってから俺の顔に手を伸ばしてきた。
一瞬何をするのだろうかと思っていたけど目元の、ちょうど隈がある所を親指の腹で撫でられた。
「ライ、ちゃんと寝てんの。」
今1番聞かれたくない質問。
寝てないわけじゃない。
眠りが浅くて、少しの音ですぐ起きてしまうだけ。
「……寝てる、ょ。」
「そんな濃い隈あんのにまともに寝れてるわけないだろ。
それと、そのスーツケースはなに?」
俺の目の前にあるスーツケースを指さして言ってきた。
このスーツケースは誤魔化しようがない。
だって明らかに2日分では無い量の服や日用品などが入っていた。
「あ、ぇっと…。
本部、本部の人から……。」
「本部の人から?何。
また何かされたん?そいつ誰。」
「ぁう、……。
本部の、人から…東に、行けって言われた、から。」
「は?何それ。
俺何も聞いてないんだけど。」
「っえ、?」
「……本部の奴、なんて言ってた」
「Dytica抜けてくれって…言われて。
みん…なも、同意してるって、言われた……だけ。」
「だけじゃないだろ。
それ、アイツらにも聞いたか?」
「聞いてない、けど……。」
「まぁ、どうせアイツらも聞いてないだろうから明日一緒に聞きに行くか」
何故か、先程からずっと片手でスマホを触っている。
カメラとかじゃなさそうだしボイスレコーダーとかでもなさそう。
考えてもきっと分からないのでそのままにしておく。
「それと、本部のやつの名前は?
覚えてるか?」
「上層部だったこと、しか……
でもたぶん、最近入った人だったと思う。
あと、もぅ……でてかなきゃ、だから。
はやく、おわらせなきゃ…いけなくて。」
「それ、行かなくていいぞ。」
「え、」
「マナに本部の人から誰が異動してくるとか聞いたか?って聞いてみたら今のところ誰かが異動してくるとか聞いてへんから多分だぁれも異動してこうへんって言ってたし。
多分ライの異動の話も嘘だろ。
だから、安心して寝とけ。」
「今はあんま、一人で寝たくない……。」
「一緒に寝てやるから、」
なんて言ってずっとスーツケースの前で座ってた俺をロウと向き合うように抱っこしてくれた。
「俺、マットレスとか固さ変わると寝れんから寝るなら俺の部屋行こう。」
なんて言いながら優しく背中を叩いてくれてる。
「…うん。」
そんなロウの優しさが嬉しくて恥ずかしくて、ロウに顔が見えないようにロウの肩に顔を埋めて手に少し力を入れる。
「ほら、着いたぞ。
ベッド下ろすからな。」
なんて言いながら少し不器用な手つきで優しくベッドの上に下ろしてくれる。
ロウのベッド、初めて見た。
なんて思ってたらロウは既に布団に入っていて。
慌てて入ろうとしたら布団を広げて入りやすくしてくれた。
「ほら。」
いつもより優しい声色の声。
この優しい慈愛に満ちた顔も、声も俺だけがって知っててこれからも、今までもずっと俺だけのもの。
今だけは俺だけのロウで、ヒーローで居て。
コメント
2件
最高すぎます😭 Lyreさんの小説で、推しカプが見れてすごく嬉しいです✨