テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
この世には『第二の性』というものがある。
α、β、Ωに分類されており、それぞれ社会的地位が違う。
αは地位が高く、社会でも優位な存在。最初からなんでも与えられているような人。
βはいわゆる普通。頑張れば頑張った分だけ報われる。
そして、Ωは社会的地位が最も低く、何をしても報われない存在。
大抵の人はβだ。
αは男の人に多く、Ωは女の人が多い。
最近は女のαという存在が認められてきたものの、男のΩという存在はごく稀なもので、認められることはこれからもないだろう。
こう話せば何となく察するのではないだろうか。
そう、僕は男のΩだ。
Ωが嫌いなαもΩが嫌いなβというのはこの世には多く存在する。
Ωの出すフェロモンが気持ち悪いやら、ヒートという1ヶ月に一度の頻度で定期的に起こる現象がめんどくさいやら、
そんなαとβはΩが他のバースを誘惑していると勘違いしている人が多いのだとか、
フェロモンをわざと出していると考える人が多いのが原因らしい。
でも、そんなことはなくフェロモンは自動的に出てしまう。僕だって出せないなら出せない方がありがたいと思うが、そうはいかないようだ。
それでも、身体目的で近付く人もいる。
Ωは男女関係なく子宮がある。Ωは元々生殖をするためだけの生き物だった。
だから、他のバースよりも簡単に身籠ることが出来る。
僕も何度も身近で見てきた。知らないαに襲われ、身体に新しい命が宿ってしまったところを、
それを知ってもαは何も協力しないし、簡単に見捨てる。
Ωは出産してもこれからの人生の足枷になり、子供を見捨てる人も少なくはない。
αはΩとなれる番という関係を狙って近付くものも多くいる。番はαがヒート中のΩのうなじを噛むことで成立する。
番になればαは番ったΩのフェロモンしか香らなくなるらしい。
それを珍しがって無理に番おうとする人もいる。
だから、僕たちΩは襲われないように静かに生きることだけで必死だ。
それでも、一度は襲われてしまうだろう。
僕だって例外ではない。
幸い身籠ることはなかったものの、あの瞬間が頭に張り付き、人と喋れず一年が過ぎたことがある。
そして、僕はαとβに伝えたいことがある。
Ωもαとβのことが嫌いだと、
特にαのことが嫌いな人なんて少ないはずがない。
もちろん僕も嫌いだ。いや、大嫌いだ。
でも、αとβを好むΩもいるのは知っている。
好むといっても一般的な好むとは違う。
生きていくためにΩという地位を活かして、お金を稼ぐために利用しているだけだ。
そんなこの世でも恋愛をすることは可能だ。
でも、僕は恋愛なんて死んでもしたくない。
いくらお金があっても、顔が良くても、絶対に愛なんてないんだから。
だから、僕は一生独りでいると決めている。
それでも、実は誰かに支えられたくて、欲を言うならヒートの時に助けて欲しい。
そんな僕はある日あの場所その考えが変わる。
助けて欲しいという思いは現実に変わる。
このお話はそんなα嫌いの僕のお話だ。