第十六話
注意書きは第一話をご覧下さい。
水side
土曜日
奏音「ほとけちゃーん!茉実ちゃんを迎えに行くわよ〜!」
水「今行きます…!」
今日は妹が家に来る日。
妹が来たあとは、役所に行って住所を変更したりといろいろな手続きがあるけど、それで親と離れられるのなら大変だと思わない。
この家に来てから、辛いという感情も消えつつあり、楽しい、ただそれだけの感情が僕の中にある。
水「準備できました」
奏音「よし、じゃあ行きましょ♪」
奏音「お父さん、留守番お願いね♪」
和慎「はーい!」
奏音「さっ、行きましょ♪」
水「はいっ、!」
駅にて
奏音「もう少ししたら、改札口から出てくると思うわ。それまで待ってましょ」
水「はい」
奏音「……あ、そういえば…急なんだけど、明日から泊まりで孫が来ることになったのよ」
水「あ、そうなんですか」
奏音「ほとけちゃんと同い年だから仲良く出来ると思うけど……もし何かあったら遠慮なく言ってね?」
水「大丈夫です、ありがとうございます」
どんな人だろう…でも、奏音さん達のお孫さんなら、きっといい人だよね
水「…あの、奏音さんのお孫さんって…どんな人ですか…?」
奏音「とてもいい子よ♪勉強が得意なんだけど、ちょっと抜けてるところもあって、自慢の孫なの♪」
水「そうなんですね」
水「……ちなみに、お名前は…?」
奏音「えぇっとね…i」
茉実「あっ、姉ちゃん!奏音さん!」
奏音「あら茉実ちゃん!いらっしゃい!」
水「ぁ、久しぶり」
妹「久しぶり姉ちゃん!はい、これ姉ちゃんの荷物!♪」
水「わっ、ありがとう」
タイミング悪く、妹が来てしまい、名前を聞き出すことが出来なかった。
水(…まぁ、明日までのお楽しみでってことだよね)
奏音「それじゃあ、一旦荷物を置いてから役所に行きましょうか♪」
茉実「はーい!♪」
水「…ねぇ、茉実」
茉実「ん?どうしたの?」
水「…その…ありがとう、僕を助けてくれて」
茉実「!」
茉実「んーん!どうってことないよ!」
茉実「前も言ったと思うけど、これは私なりの償いだから!♪」
茉実「アイツのことなんて忘れて、一緒に人生やり直そうよ!」
水「!」
水「…うんっ、だね」
茉実「奏音さーん、和慎さんは家にいるんですか?」
奏音「そうよ、家で待ってるわ」
茉実「そうなんですね♪」
水「…♪」
夕方
茉実「はーっ、!今日はいろいろ疲れたな〜」
水「なにかと手続き多かったね」
茉実「ねー、でもこれで完全に逃げれたから!」
茉実「これからは安心していいからね!」
水「…うん」
水「…茉実は悲しくないの…?その、仲の良かった子とかと別れちゃうわけだし…」
茉実「まあ悲しいけど、スマホでやり取りできるし♪」
茉実「いつでも会うことはできるから大丈夫♪」
茉実「姉ちゃんこそいいの?その、いふさんとかさ」
水「…いいの、きっと今会ったら」
水「……別れたくなくなっちゃうから…//」
茉実「…」
茉実「やっぱ、好きなんじゃん。いふさんのこと」
水「…うん、気づいたんだ」
水「僕が…いふくんのこと好きなの…//」
水「だからいいの。この気持ちは心の奥にしまっておくから」
茉実「…」
茉実(姉ちゃん、知らないのかな)
茉実「…そういえば、明日奏音さん達のお孫さんが来るんだよね?」
水「うん、奏音さんが言ってた」
水「僕と同い年らしいよ。男の子だって」
茉実「やっぱり、名前聞いてないの?」
水「え、うん、聞こうと思ったけど…別に明日会うし、本人から聞こかなって」
水「茉実は知ってるの?」
茉実「うん、前聞いたよ」
水「へぇ〜……どんな人なんだろうね」
茉実「…そうだね」
茉実(…まあ、いっか。きっとびっくりするだろうけど)
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