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kyng『』
hsrb「」
_________
嗚呼頭が痛い
ここ数日ずっとだ
枕に痛覚をうつしたいなんて考えながらベッドでうずくまる
さっきから枕元でスマホの通知がきているが体を動かせない
ヒーロー活動をし過ぎたのだろうか
、、そりゃそうだろ
俺のこと忘れられてるんだから
あの日の衝撃が頭の隅にずっと居座っている
卒業してから音信不通になったと思ったら
同期 顔合わせのときに名簿にいたから
安堵したのに
いざ会ってみたら彼奴のはずなのに彼奴じゃなかった
しかも初めましてなんて言われる始末
彼奴と星導は違うんだから違うものとして接しようと思った
でもどうしても彼奴がチラついてしまう
いつの日からか星導を避け始め、彼奴を忘れるために任務を沢山詰めるようになった
悔しさや悲しさ怒りが込み上げてきて感情がぐちゃぐちゃになる
動かなかったはずの身体が少し動いて手がスマホにあたる
体のどこかからブチっと音がなったと同時に意識が遠のいていった
____hsrb____
スマホが鳴る音が耳に入る
discordの通話呼び出し音だ
こんな時間に誰だ??
疑問を抱きながら発信元を見る
小柳ロウ
挨拶以来あまり話していない同期
俺が話しかけたとき酷く顔を歪ませていた
昔知り合いだったのだろうか
記憶喪失のためよく分からない
そんな彼は最近忙しそうだ
彼が意図的にしているのか知らないが任務の時間や休暇が全く合わない
お話してくれる気にでもなったのかな、なんて考えながら通話ボタンを押す
「もしもし??」
何も音が続かない
設定がおかしいのだろうか
確認しようとしたときカサカサと何かが擦れる様な音と言葉にならない呻き声が聞こえる
緊急事態か?
「大丈夫ですか?」
返事がない
微かに息を吸う音が聞こえる
呼吸が荒い
呼びかけようとしたとき電話越しにチャイムがなる
遠くからお届けものでーすと元気な声が聞こえてくる
即座にファイルを開いて小柳くんの家の住所を確認して家を飛び出る
通話は繋いだまま彼の呼吸を聞きながら問いかける
____kyng____
顔に冷たいものがあたる
なんだこれ、、
目をあけると彼奴がいる
『、、なんで』
掠れた声を聞いてバッと長い髪を揺らして振り返る
ばたばたと足音が近ずいてくる
「起きたんですね大丈夫ですか?」
心配そうな顔で俺を覗き込こむ
嗚呼また重なる
走馬灯のようにあの頃の記憶が頭の中に流れる
収まりつつあった頭痛が再度激しくなる
此奴がいたら駄目だ
さっきよりは酷くない
自分で ある 程度のことはできるだろう
『大丈夫助かったもう帰っていい』
「いや帰りませんけど」
『、、は?』
いやいやいや帰れよ
「そんな痛そうな顔してるのに帰る訳ないでしょう」
「それとも俺のことが嫌いだからですか?」
自分でも目が見開いているのが分かる
違うそれは違う
否定したいのに声がでない
ぐるぐると感情が渦巻く
喉の奥からかひゅっと音がして息ができなくなる
違う俺が悪いんだ俺がずっと引きずってるから
俺が俺が俺が俺が
、、くん
、やなぎくん
「小柳くん!」
いつの間にか星導の腕の中
ゆっくり呼吸を合わせてくれる
しばらくすると呼吸は落ち着いてきたが
身体に力が入らず星導に身体を預ける
頭がぼーっとしてきて目が閉じてゆく
薄れゆく意識の中、星導に
「俺のこと嫌いですか?」と再度問われる
『嫌いじゃない』
とても小さな声だったけどはっきりとそう小柳くんは答えた
今度なんで避けてたかも聞かないと
笑みを浮かべて眠る彼を見つめる