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同性愛者の話。
いつかの夏の日。私はまだ無邪気な子供であった。自分のことを話せば当たり前のように受け入れてもらえると信じ込み、その思考を押し付けている。
「私、女の子が好きなんだ。」
5秒間の沈黙の後、そっと放たれた。
「気持ち悪い」
その声が私の耳を衝いた。声は頭の中で反響し、酷く脳みそが記憶する。
しばらくの静寂のあと、私は笑みを浮かべそっと言う。
「そうだね」
会話は途切れる。視界は色を失い、私は感情を失う。笑えない。どうにも笑えない。
このままじゃ壊れる。ダメだ。視界が溶けていく。気温と湿度で私の脳は壊れてしまったのか、気持ち悪いの一言で壊れてしまったのか。どちらにせよ壊れてしまってることに代わりはないのだ。
「もう僕に話しかけないでくれるかな?」
「…え?わ、わかったよ」
壊れきった友情。絶縁宣言。残ったものは言葉の余韻と頬伝う涙だけだった。