私はまだシュンくんとは結婚してなかったから、一応、片親ということにはなってた。だから叔母さんが、
「児童扶養手当を申請したらいいよ」
って教えてくれて、役所に連れて行ってくれた。片親世帯への支援だそうだ。もちろん収入とかの条件はあるけど、私はまだこの時、仕事できてなかったし、
「仕事するったってバイトでしょ? 所得制限に引っかかってくるようなレベルじゃないし、もらえるもんはもらっときなさい」
だって。
「額は最大でも一ヶ月四万円ちょっとくらいだけど、収入によっちゃそれも減額されていくけど、麗のミルク代とかオムツ代とかとしちゃ上等でしょ。制度をちゃんと利用すれば今の日本で餓死まではしない。『知らない』ことが望と麗を殺すんだよ。ちゃんと知らなきゃ」