テラーノベル
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水たまりを避けながら少し歩けば今にも倒壊しそうな木造二階建てのアパートが見えた。そこが我が家だ。所々散らかっているがそこまで汚くは無い。家に帰るなり大家さんがノックもせず扉をこじ開けた。
「お母さんに言っておいてよ。家賃今週中に出さないと強制退去だって。この間も言ったんだけどね。」
それだけ言い残し帰っていった。
「嫌なら言えばいいのに。」
なんだ。全部わかってたんだ。ストーカーでもしてたのかってくらいなんでもお見通しだった。
夜はお母さんがいきなり男の人を連れてくる時があるので二人でベランダで寝た。毎日来るのが怖かった夜も今日は安心して迎えられた。
「明日出かけようか」
君は私の頭を撫でながら言った。
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