僕の名前は時透無一郎。
僕は今すごく悩んでいる。
何故ならば、今日学校から帰ってきてから
恋人である僕の兄さんの様子が
なんだがおかしいからだ。
いつもピリピリしてるけど、 今日は特別
ピリピリしている。
僕、なんかしたっけ?
「ちょっと兄さん、なんでそんなに
怒ってるの?」
「……お前、ほんとに分かんないのか」
「……そう言われても、ほんとに
分からないしなぁ」
「……っじゃあこれは何なんだよ!!!」
兄さんは怒鳴りながら僕にスマホを
見せつけてきた。
スマホの画面には写真が写っており、
その写真は僕と、同クラ女子が
抱き着いている写真だった。
……やばい。完全に浮気だと 思われてる。まぁ無理もないけど…。
というかこれ、誰が一体どこで
こんなの盗み撮りしたんだ???
言っておくが、これは浮気では無い。
なんで抱きついていているのかと言うと、
同クラの女子に悩み事を聞いて欲しいと
頼まれ、仕方なく 聞いていたのだが、
その次の日に、
「 無一郎くんのおかげで解決した。
ありがとう」
と言いながらいきなり抱きつかれたのだ。
僕は抵抗したけど。
「違うよ…!兄さん誤解だよ!
同クラの女子に悩み事を聞いた次の日、
解決したって感謝されていきなり
抱きつかれたんだよ」
「嘘つけ、見苦しい言い訳は辞めろよ! 」
「嘘じゃない!!!」
「………お前は浮気しないって信用してた
のに。やっぱり女が好きなのかよ」
「……だからっ!!違うって!!」
「……んなわけあるかよ!!
どう考えたって浮気だ。ずっと俺を
嘲笑って来たんだろ。」
「ほんとにちがうって」
「……もういい。素直に謝れば
チャンスをあげようとしたんだが…。
どこまでも逃げ続けるつもりなら
別れよう。」
「えっ、待って待って、お願いそれは嫌、
ごめんなさい兄さん、でも僕ほんとに
してない…!!」
兄さんはそう言って子供部屋に戻ってしまった。
それきり、僕は兄さんに無視され
続けている。
話しかけも話しかけても僕はただの
空気らしい。
1週間めげずに話しかけてみたが、
兄さんは僕に心を開いてくれるのは
無かった。
ここまで兄さんが怒るのは初めてで、
僕もどうしたらいいのか分からない。
誤解だと話しても無駄だし、 どうしようと
考えた所、僕はいいことを 思いついた。
話してダメなら体を使うのだ。
僕は兄さんにぎゅっと抱きついてみた。
「兄さんっ」
「……ッ、??!!やめろ!!!!
気持ち悪い!!!!!!!」
兄さんはびくんっと大きく反応し、
久しぶりに話してくれたかと思えば
兄さんにお腹を思いっきり殴られた。
「い”っ……!!?やだ、痛い!!!
やめて!!!」
僕は2回ほどお腹を殴られ、 首を絞められた。
「………お”ぇっ…も、やだぁっ…!!
はなし、て…!!!!」
「……っ、 俺はどれだけ お前の事が
好きだったか 分からないだろ!!!
信用してたのに、信用してたのに…!!!
最愛の人に裏切られた気持ちなんて、
お前には分からないだろ!!!!」
「にい、さ、…………ぁ、」
もうダメだと思った。違うと拒否しても
きっと言い訳だと言って話を
聞いてくれない。
兄さんもいつの間にか涙目になっていた。
「……今後一切俺に関わるな。 お前とは
ただの他人だ。」
兄さんは僕を睨みつけて部屋に戻って
行った。
身体中が痛い。苦しい。
身体の首とお腹が痣だらけになっている。
なんでかなぁ、僕、何も悪いこと
してないのに。 僕があの女の子の悩みを
聞いていなければきっとこんなことには
ならなかった。
その日から、兄さんは無視するどころか、
兄さんと家や学校ですれ違う度、
舌打ちをされるようになった。
僕は流石にやばいと思い、、
炭治郎に 相談することにした。
「……てことがあってさぁ、どうしたらいいと思う?」
「なっ…、それは災難だね…。
というか、殴られたって…!大丈夫か!?」
「……あー、うん。首とかお腹とか
殴られたけど、痣だけで済んでるし」
「痣だけって…!それ、大丈夫じゃ
ないだろう。」
「……でも、僕は体の痛みより
兄さんに勘違いされて嫌われた方が
よっぽど苦しいんだ。」
「……、有一郎くんも、きっと苦しいはず。
だって、浮気だと思ったら 誰だって
悲しいし。でも…いくらなんでも
やりすぎだとは思う。」
「でも、それくらい僕のことを好きだった
って事なんでしょ? 」
「……まぁ、そうだけど、」
「ねぇ、どうしたら仲直り出来ると思う?」
「えっ、あー、そうだなぁ、、死ぬほど
謝ったり…とかか?」
「やったけどフル無視だった。」
「…ごめん、俺も分からない。 でも、…
有一郎くんを刺激 しない方が
いいと 思うんだ。ほら、 よく言うだろ?
“押してダメなら引いてみろ” って。
だから、逆に何もしないのが
1番の解決策だと思うんだ。
そのうちきっと、状況が良くなるはず
だよ」
「何もしない……、うん、そうだね。
たしかに良いかも。炭治郎ありがとう。」
「いやっ、俺の方こそこんな事しか
出来なくてごめんな。早く仲直り
できるといいね!!」
「うん…!!本当にありがとう。」
次の日から僕は炭治郎の言われた通り、
押してダメなら引いてみる事にした。
でもそれだけじゃ物足りないので、
僕は学校でもなるべく人と関わらないように
気をつけた。特に女子。
話しかけられたらできるだけ冷たい
態度をとるようにしてる。
お陰で僕の評判が下がったけど
兄さん以外興味が無いので僕は
みんなに冷たい態度をとった。
……兄さんはそれでも心を開いてくれることは なかった。
もう諦めた方がいいのかもしれない。
元々、こんな勘違いされる行動を
とった僕が悪いんだ。
廊下を歩きながらそう考えていたら、
突然誰かに話しかけられた。
「お前が時透無一郎?」
「……そうだけど。何?邪魔なんだけど」
「おー、冷たっ」
「……はぁ。用があるならさっさと
話してくれない?僕、君と話してる暇なんて
ないんだよね。」
「まぁまぁそんなこと言わずに。
俺、お前と少し話したいことがあるから
体育館の倉庫に来て欲しい」
「…………、告白だったらノーだけど」
「そんなつまらねぇことはしないって。
着いてこい」
……なんなんだこの男。というか、
こいつ、確か同じクラスだった気がする。
僕は男に言われた通り体育館倉庫に
着いて言った。
すると男はドアを閉めて、僕と
向かいあわせで話をかけてきた。
「…有一郎の件についてだ。」
「……!?なんでそんな事…」
「あの写真、俺が撮ったんだよ」
思考が止まった。どういうこと?
写真って??あの??
「……は?」
「いやだから写真撮ったの俺なんだって。
ほら、お前と女子が抱きついてる写真」
「……なんで撮ったの? 有り得ない
んだけど。君のせいで 兄さんとの関係
最悪なんだよね。 どうしてくれるの?」
「……計画通りなんだよ。俺はわざと
この写真をお前の兄ちゃんに送ったんだ。」
「……何が言いたい訳?」
「俺はお前が好きなんだ。初めて同じ
クラスになった時から一目惚れした。
それで、話しかける勇気は俺には
無かったから、ずっとお前を 陰から
追い続けてきたんだ。そしたら
わかった事があったんだ。
お前、兄ちゃんと付き合ってるらしいな。
それを知った瞬間俺は深く嫉妬した。
俺はお前のことが好きなのに、お前は
いつもいつも兄さん兄さんって……。
そんな時、お前と同クラの女子が
2人だけで話してるの見かけて
盗み聞きしてたんだよ。
そしたら偶然2人が 抱きつきあってるのを
見たんだ。
その瞬間、俺は咄嗟にカメラを向けた。
もちろん、浮気では無いことも俺は
知ってる。いきなり抱きつかれたんだろ?
内容聞いてたからな。
この写真をじっと見つめてたら、
いいこと思いついたんだよ。
この写真をお前の兄ちゃんに見せれば、
きっと浮気って勘違いして別れてくれる
だろうって。そしたら見事に計画通り
だったって訳だ。」
「………お前……!!!
そんな奴とは到底付き合えないね。
それに、さっき告白しないって…!!」
「OKをもらいたいわけじゃねぇよ。
俺の本題はな。今からお前を無理やり犯す」
「なっ……!!言ってること
めちゃくちゃだぞ!!!ふざけるな!!
僕は兄さん以外とはやらない!!!」
「そんなこと言われても無駄だ。
それに今日は体育がない。 何が言いたいか
分かるな? 誰も助けが来ないんだよ。
だから 大声を出しても無駄だ。
諦めて俺と ヤれ」
「……っ、…!!? 」
その瞬間、僕はこの男に無理やりズボンと
パンツを脱がされた。
「やめっ…!!!離せ!!!いやだっ、」
「暴れるなっ!!!!大人しくしろ!!」
男はそう言うと僕のモノを掴み
上下に動かしてきた。
「んあぁっ、…あぅっ…やぁっ、…」
「兄さんが1番って言ってたくせに
勃ってるじゃねぇかよ。そんなに
キモチイイのか??」
「よくな…ぁっ、!!」
嫌だ、やだ、助けて、兄さん、気持ち悪い、
犯される。いやだ、にいさん
「無一郎!!!!!!!!!」
ドアがばんっとひらいた。
ぱっと顔を上げドアを見ると……。
兄さんが立っていた。
「なっ……!!!有一郎!!!!!
なんでいるんだ……!!!」
「にいさ……っ、助けてぇ……!!」
「……お前、うちの可愛い弟に何してんだよ」
「はっ、教育だよ教育!!!
こいつはなぁ!浮気したんだぜ!?
悪い子だろぉ?心の優しい俺が
教育してやってんだよ!!」
「教育……?そんなの教育って言わないし、
お前の声ダダ漏れだったから会話は
全部聞いた。無一郎は浮気なんかしてない。
そうなんだろ?無一郎」
「……うんっ、……にいさん、!」
「……だとよ。これ以上いじめるなら
PTAにも相談するが…。どうするつもりだ」
「ちくしょう!!!!……死ね!!!」
男はそう言うとすごく焦りながら
逃げていった。
「……無一郎、大丈夫か、!?」
「……にいさ、、、、!」
僕は兄さんに抱きついた。
何ヶ月ぶりだろう。兄さんに触れたのは。
話すことも久しぶりだ。
「……ごめん、無一郎、俺、ずっと
無一郎に辛い想いさせてた。
ほんとに浮気してなかったんだな、…
俺が信じないせいで…。それに俺、
お前酷いこと沢山してしまった。
暴力振ったし、無視したし…。
本当にごめん。ごめんな。」
「……にいさんのばか。僕がほんとに
すると思ってたの…?」
「……何も考えられなくなっちゃった
んだよ。そんな事しないって心の奥では
わかってた。わかってたのに…
怖かったんだ。それでももしお前が
浮気して たらって、…そう考えると、
体が言う気聞かなかったんだ。」
「……もう僕をひとりにしないでね。
今日の夜、僕をたーーっぷり幸せに
してくれるなら許してあげる」
「……お前が死にそうなぐらいしてやるよ」
「……へへ、だいすき兄さん」
「……俺も」
その日の夜、僕たちはこれでもかと言う
ぐらい愛し合った。
その翌日僕たちはPTAにあの男の事を
ちくり、あの男は退学処分になった。
当然のことだろう。
「ねえ兄さん」
「ん?なんだ」
「もし逆に兄さんが浮気したら
兄さんみたいに嫌うんじゃなくて
監禁するからね。 外に出られなくして、
僕のことだけ 考えるようにさせるから。」
「お前っ、…怖いこと言うなよ」
「僕本気だから」
「……俺がすると思うか?」
「しない」
「だろ?だから安心しろ。俺はお前の隣に
ずっといるから」
「……その言葉忘れないでね」
「お前もな」
END