コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
_______私は、気づくのが遅かった。
わたし、白石杏は神山高校2年生。今日は神山高校の始業式。2年生になったので後輩ができるかも!?とワクワクしながら、通学路を歩く。 仲の良い子達と同じクラスになれるかな、と心を躍らせながら学校に向っている最中、突然声がした。
「おーーっはよ〜!杏!」
そういいながら。誰かが後ろから抱きついてきた。
「え!?瑞希ってば、後ろにいたの?気づかなかった。」
「さっきからずっといたよ〜!行く途中に杏のこと見かけて、こっそりついてきちゃった。」
「ボクってば、忍者の才能あるかも〜」と、後ろから声が聞こえた。声の主は、去年同じクラスだった暁山瑞希だった。
「瑞希ったらもー!びっくりさせないでよー!」
普段よほどのことがない限り学校に来ない瑞希も、流石に新学年だからか久々に登校していた。本人曰く、「この目でクラス発表を見るドキドキがたまらないんだよ〜!」とかなり興奮している様子だった。
「えっへへー!ごめんごめん笑笑てか、杏とクラス離れるのやだな〜」
「わたしも嫌だよ〜。でもクラス替えしたいな。だって、いい人が見つかる〜とかありそうじゃん!」
恥ずかしくて上辺ではそんなことをほざいているが、本当は違う。
「確かに!ボクも趣味合う人増やしたいしさ。」
そういうと、瑞希は私の方を見てこう言った。
「そんなこと言って〜杏は好きな人と同じクラスになることに命かけてるでしょ?笑笑」
瑞希がそう言ってこちら側に笑いかける。 まるで悪戯好きな悪魔みたいに。
「ストーップ!!それ以上は外で言っちゃ駄目!本人に好きだってバレちゃうかも知れないでしょ!あと恥ずかしい」
「あっはは〜。別に好きバレしてもさー、意識してもらえるんじゃないの?好きバレしまくる精神でいかなきゃ損だよ?」
…確かに、瑞希の言う通りだ。好きバレしていく精神でいかなければ誰かに取られてしまうかもしれない。
それでも。
「好きバレして今の関係が崩れるほうがやだ」
わたしはこの気持ちのほうが強かった。
「あ、ヤバ!時間間に合わなそう…!」
瑞希が急に焦りだした。時間的にはまだまだ余裕なはずだ。
「どうしたの?」と私が聞くと、「いっつもサボってるから手伝いさせられることになっちゃって〜!ごめん、先に行ってくる!」 そういって、瑞希は去っていった。
あーもう、瑞希はいつもこうだ。わたしはこうして彼女のペースに巻き込まれていく。
(学校。楽しみだな。)
これから大波乱が巻き起こるともしらずに、わたしは学校へ向かうのだった。