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【今、電車乗った。結構混んでる。そっちは大丈夫?】
千秋は早速LINを美奈子に送る。
【こっちも少し混んでる。今夜は千秋君に再会できて本当に良かった。嬉しかった】
美奈子はドキドキしながら返信する。
【千秋君って呼ばれてびっくりしただろ!俺、もうガキじゃないんですけど】
千秋は顔がニヤけないように、手で顔を押さえて、踏ん張りながらLINを送る。
【ごめん、ごめん。つい懐かしくて、昔に戻っちゃった】
既読が直ぐに付くので、美奈子は千秋もLINのページを開きっぱなしだと分かった。
【じゃあ、俺も美奈子って呼ぼうかな!あ、俺はずっと川瀬って呼んでたな】
千秋の返事に笑ってしまいそうになり、美奈子も口を手で押さえた。
【じゃあ、大人になったから美奈子って呼び捨てを許そう】
【なんで上から?はいはい。美奈子って呼ばせてもらいます】
千秋の返事を読んで、美奈子は千秋の顔がまた見たくなってしまった。
こんな風に楽しいやり取りも久しぶりだと思った。
千秋も美奈子との会話が楽しくてやめられない。
駅に着かなければと思ってしまう。
【残念だけど、駅に着いちゃった】
先に駅に着いたのは美奈子だった。
【うん。じゃあ、今夜はこれで。本当に辛い時はいつでも連絡して来いよ!あ、暇な時でも良いけど。直ぐに返事返せない時もあるけど、バンバン入れてくれて良いからな!】
千秋のLINを読んで美奈子は嬉しくてほっこりする。
誰かとこんなに会話を楽しんだのは久しぶりだと思った。
【ありがとう。じゃあ、千秋君もいつでも連絡してきてね。私でよければなんでも話聞くから】
美奈子からの返事をじっと見つめる千秋。
美奈子と繋がって嬉しかったが、楽しかった分、美紅への罪悪感も芽生えた。
美紅以外の女性との会話が楽しいかったことに、胸がときめいた事に、後ろめたさを感じた。