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「で?ベノム、私に何をして欲しいって?」
「呼び捨てやめて、ベノムさんにして」
随分と偉そうに言うな。下手に出てるからって言い気になってんの?
「何言ってんの、あなた、年下でしょ?」
「今、アンタの命握ってるの僕なんだけど、反論は?」
「…ないです。」
何も言い返せなかった。我ながら情けないな、と思って顔を下に向けていると、前方から大きなため息が聞こえてくる。先に口を動かしたのはわたしだった。
「戦うか戦わないかを決めるのはわたし自身だよ。」
「ふーん。興味ないなら良いけど、アンタにとっても良い話だと思うな」
「と言うと?」
「親切に教える義務はないね〜」
舌を出して返されてしまった。私は提案を断ったんだし、当たり前か。ここは一旦提案を飲んでおこうかな、危なくなったら逃げれば良いし。
「待ちなさい、提案を飲むわ。ただしメリットはしっかり提示しなさいよね。」
「わかってんじゃん!」
彼女は嬉々として部屋中を駆け回る。…動作がうるさい。
「まず、メリット!ずばり、”格上と戦えること“です!」
「何それ、私に死ねって言ってるの?」
「ち〜が〜う〜よ〜。格上との戦闘経験って純粋に身になるよって話!」
「…」
なるほどね。確かに一理あるけど、そこまで急ぐことじゃないんじゃないか?とも思う。わたしが不思議そうにしているとベノムさんが言った。
「はっきり言って今のヴァンパイアちゃんって弱いよ?早く強くなるに越したことないと思う!」
なるほどな、確かに未熟な状態でここまで情報が割れてるのはよくない。
わたしは提案に乗ることにした。
「そう来なくっちゃ!」