テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
〜*Hina*〜
85
#ご本人様には関係ありません
〜*Hina*〜
386
〜*Hina*〜
586
「なつ、今日のランチの予約取ったよ。……あと、午後の会議の資料、俺が全部直しといたから。なつは座ってコーヒー飲んでて?」「……いるま、お前仕事しろよ。自分の分は自分でやるって」
部長室からは、相変わらずの甘い会話が漏れてくる。
その前で、手に持った決裁書類を震わせながら立ち尽くす男が一人。同期の佐藤だ。
「……ダメだ。入室する隙がない。部長のバリア(なつへの愛)が強すぎて、仕事の話を持ち込める雰囲気じゃない……」
ついに耐えかねた佐藤は、休憩に出てきたなつを給湯室に連れ込んだ。
「暇! お願いだ、なんとかしてくれ!」
「うわっ、びっくりした……。なんだよ佐藤、急に」
「部長だよ! あの人、お前がタメ口で『これやっといて』って言った瞬間から、IQが3くらいになってるだろ! 俺が『部長、ハンコください』って言っても、『今なつの資料見てるから後で』って…! 仕事にならないんだよ!」
佐藤はなつの肩を掴んで、半ベソで訴える。
「お前が『いるま部長、仕事してください』ってガツンと言ってくれ! お前の言葉しか、今のあの人には届かないんだ!」
「……っ、……わかったよ。俺のせいなのは認めるから、そんなに揺らすな……」
なつは覚悟を決めて、部長室のドアを力一杯開けた。
そこには、なつのデスクを磨き上げている(!)いるま部長の姿。
「……いるま! 掃除してないで、佐藤の書類に早くハンコ押せ!」
「……! なつ、今『命令』してくれたね? 厳しい顔も素敵だ……。すぐやる、すぐやるよ!」
いるまは光の速さでデスクに戻り、佐藤の書類を爆速でチェックし始めた。
「佐藤! 遅いぞ、もっと早く持ってこい! ……なつ、これでいい? 褒めてくれる?」
「……あー、……よくやった、いるま。……よしよし」
なつが諦めて、いるまの頭をポンポンと叩くと、いるまは「……生きててよかった……」と言わんばかりの至福の表情を浮かべた。
それを見た佐藤は、深くため息をつきながら親指を立てた。
「…暇。お前、もう実質この会社の『裏ボス』だよ。これからも部長のコントロール、よろしくな……」
「……絶対、変な噂流すなよ、佐藤……!!」
結局、なつくんの「アメとムチ」がないと会社が回らないという、とんでもない状況になってしまったのでした。
コメント
1件
うわっ、このオフィスラブコメ、めっちゃツボったわ(笑) いるま部長のなつへのバリア強すぎて、佐藤の書類が通らないの、あるあるすぎるw 「裏ボス」呼ばわりされてるなつが半ギレで部長をコントロールする図が最高すぎる。 こんな会社、実際あったら楽しそうだけど絶対めんどくさいな…続き気になる!