──────いえもん視点──────
気まずい空気が流れる。
いや、まあ、さっきよりのピリついた空気よりもましだが…どことなく空気が冷たく感じる。
ガンマスさんがため息をつき、話し始める。
「とりあえず人間が嫌な理由を説明するのはどうですか?めめさん達も納得するかもしれませんよ?」
意外にも気まずい空気を破ったのはガンマスさんだった。鼓膜以外にも破れるんだ…なんて救世主に失礼なことを思う。ルカさんはしばらく黙ったあと、ひなさんを見る。ひなさんは観念したような諦めたようなゼスチャーを取ってから話し始める。
「…ほんとに話さないとダメ?」
…えぇ?
俺の正直な感想だった。明らかに話し始める展開だったのにそれを聞くのか…なんて思ってしまう。余程話したくないのだろう。それとも俺(人間)がいるからだろうか?そしたらめめさんも…となってしまう。
「…しょうがないですねぇ!!私が!!めめさんとレイラーさんだけにお話してあげましょう!!!」
れいまりさんを一回手を叩き注目を集める。
──────完全に俺が嫌われているんだろうな。
明らかに避けられている気がする。少し悲しいというか、今までの人外達がおかしかっただけで、これが正常なのかもしれない。なんて自分で自分を慰める。心にトゲが刺さったかのように痛い。苦しいなんて被害者ぶる。
ルカさんとひなさんはそれなら…という表情を浮かべ、無言でこくりと頷く。
れいまりさんはそれを見るや否や、めめさんとレイラーさんを連れ、城の奥へと向かっていく。
その間、取り残されたメンバーの間では重苦しい空気が流れる。ルカひなからは冷たい視線を受け、それを遮るようにみぞれさんがたっていて、俺と少し談笑してくれる。その近くではうぱらてが喧嘩をしていて、空気が若干和んでいる。ガンマスさんと茶子さん、菓子さんはルカさんとひなさんと話している。…分かれてしまった。
メテヲさんは1人で城内をふらついている。目を光らせ、少し壁を削ったりする姿はとても輝いているように見える。
この時間は時間にして数分のことだろうが、体感では数十分にも数時間にも感じられた。
──────ギィィィィィィ
ドアの開く音が聞こえ、そこからめめさんとレイラーさん、そしてれいまりさんが出てくる。めめさんさ決意を、レイラーさんは哀れみを灯した目だった。
めめさんの瞳は深海のようで奥が見えない。光が行き届いていない。そんな感覚におちいる。
クトゥルフならばSANチェック不可避だろう。
「──────そちらの事情は把握しました。」
めめさんから第一声が発せられる。その瞬間からその場に漂う空気が緊張を含む。
俺の胸はドクンドクンと音がなり、スピードが増す。何故かは分からないが、腕の感覚が急速に失っていく。
なぜそうなってしまうのか、それは無意識に把握する。──────めめ村脱退
そんな言葉が脳内にくぎる。俺の居場所。唯一の居場所。大事な場所。命をかけて守らなければならない場所。恩返しするための場所。暖かく迎えてくれているみんな。
そんな場所を失ってしまう恐怖がそこまで届きかけているのだ。俺の心が蝕まれていく。恐怖によって。
「しかし、いえもんさんはあなたが知っている人間とは異なります。」
──────意外な言葉だった。俺の視界に光が灯りだす。もしかしたら…なんて希望が見え始める。しかし、ひなさんは何トーンか落として喋り出す。瞳は濁り切っており、暗く、光がともらない。絶望が映し出されているような、そんな感じがした。
「…そんなことないでしょ…そんなことないでしょッッ!?!?その言葉に何回騙されてると思ってんだよッッ!?」
最初の小さな声から一気に叫ぶようなヒステリックな声が場内にひびきわたる。その声で空気は震え、手は痺れたかのように動かなくなる。ひなさんは俺を震える手でさしながら、狂気的な笑みを怒りで濁したかのような表情をうかべる。目にはうっすらと涙を浮かべ、その涙がライトによって光る。
「ひな落ち着け…大丈夫…落ち着け…」
ルカさんはひなさんの手を握りこみ、優しい表情をうかべる。親のような慈愛に満ちた瞳、握った手は小刻みに震え、それでも離すまいと力強く、しかし決して傷つけないように優しく、握り込む。そんないつも通り…なのかは分からないが、兄に安心したのか、さっきまでの叫びはやめ、独り言のようにつぶやく。
「…また…ま………やってゆ───せる……よ」
あまり聞こえなかったが、ひなさんは膝から崩れ落ちる。すべてを知るれいまりさんにはこれはどのように映ったのだろうか俺には想像もつかなかい。わかることはそう、2人には人間に対してトラウマがあることだろう。
ここで切ります!皆さんお久しぶりです!仲春ですよ〜!!記念すべき60話目です!長いですね…なんか100話超えそうな勢い…100話になったら1人だけすべての情報開示しましょう。それと、この物語書き終わったらなんですけど、個別の物語とか作ったら見る人とかいますかね?
れいまりさんはリクエストがあったので書くのですが…ちなみに具体的に書く内容を説明するならば
過去→本編(何を思っていたか等)→???(お好みの)
って感じになると思います!それと60話ぴったりなのでイラストを載せておきますね〜うちの子のメテヲさんです!
加工で色だいぶ変わっちゃいましたけど…可愛らしい雰囲気になったので個人的に満足です!隈をつけようと思ってたんですがやめておきます…(上手くいかなかった。)
それでは!おつはる!
コメント
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久しぶりね〜! すごい哀れに思えてきた…
待ってたよ~!!!!仲春の物語やっぱ最高だわ・・・