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#四季凪アキラ
坂口灰
167
「‥‥‥‥なぁ、聞いた話と違うんだが?」
「‥‥‥‥これは俺も聞いてなかった」
「俺帰る」
「どうやって帰るんだよ。車は?」
「‥‥‥‥ウゼェ」
目の前にはおどろおどろしい建物
そして辺りは真っ暗な闇
俺達は今、友人達と一緒に肝試しに来ていた
それはそうなんだけど‥‥
最初の話と違う
初めはテーマパークの中のお化け屋敷と言う話だった
それが今では本物の廃墟の前にいる
友人がお化け屋敷に行く話を知り合いに話すと、不動産の知り合いに面白い物件の鍵を借りれると言う事で、急遽この建物に変更したらしい
通りで何処に行くのか教えてくれなかった訳だ
俺は友人の車の後に着いてここまで来た
ロウは道中眠くなった様で、ここに変更になったのは到着してから聞かされたもんだから激おこだ
俺だって怖いのは苦手だけど、今は初めての廃墟探索に少しだけ心が踊ってる
しかも1人で入る訳じゃないんだからそんなに怖くはないだろう
「ここ‥‥何?」
「ただの家みたいだけど‥‥雰囲気はだいぶあるな」
「‥‥怖すぎる」
「手、握ろうか?」
俺が茶化してそう言うと、ロウは廃屋を見上げながら大人しく俺の手を取った
まさかそんなに素直に手を繋いで来るとは思わずに、俺はドキッとしてしまう
「俺‥‥限界になったらここ出るからな」
「その時は俺も一緒に戻るよ」
玄関の鍵が開けられ、軋む音が暗闇に響く
ギギッ‥ギ‥‥‥‥キィィ‥‥
「音がヤバい‥‥」
「‥‥‥‥うわ‥‥埃臭いな」
各々が手にしたスマホで辺りを照らしながら廊下を進む
床も脆くなっているのか、所々軋んだ音をあげている
「結構広いな」
「なぁ‥‥後ろ誰も居ない?」
「居ないよ?」
俺が振り向いて確認すると、ロウが繋いでいる手側に体をくっ付けて体を小さくして俺にひっ付いていた
なんだか俺だけ肝試しじゃなくて、ロウの可愛さを堪能しに来ている気分だ
それに俺より怖がりがいる事によって、自分の恐怖レベルがいつもより落ち着いているみたいだし
「見てロウ‥‥仏間だ」
「‥‥‥‥なんでこんなに荷物残ってんだよ」
「確かに‥‥仏壇まであるし」
そんな話をしていると、友人の1人が閉じられていた仏壇の扉に手をかける
「うわっ‥‥ヤバ‥‥中身そのまま‥‥」
「おい、開けて大丈夫なんか?」
そのやりとりを後ろで見ていた俺たちも少しだけ顔を出して覗き込む
「‥‥本当だ。位牌も写真も残ってる」
「気持ち悪っ‥‥‥‥ん?」
ロウの顔が更に曇る
「ここって住まなくなってから結構経ってるよな」
「そうじゃない?20年とかそれ以上か」
「でもさ‥‥匂わない?」
「え‥‥?何が」
友人達と顔を見合わせる
みんな首を傾げていた
「えっ⁈匂ってない⁈嘘‥‥」
「なんの匂い?」
「線香」
「え‥‥?」
そんな匂いしていない
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コメント
1件
第2話読みました〜!🚪👻 肝試しが廃墟になっちゃう展開、急展開すぎてドキドキした😳 ロウくんが素直に手繋いできたシーン、めちゃくちゃキュンときた💕怖がりなのに「限界になったら出る」って宣言するところも可愛いし、逆に俺の方がロウくんを堪能しに来てる説、完全に同意です笑 最後の線香の匂い…他の誰も気づかないのにロウくんだけ感じるの、不穏すぎて鳥肌立った🥶続きが気になりすぎます!