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尊いです……😭✨️ 最近❄ちゃんの誕生日が近づいてることに気づいて、いなくなってからもう1年立つのかぁー……ってがち泣きしてました(笑) ❄ちゃんにまた会いたすぎます…😭 のななさんの作品ほんとに見ててほっこりするので大好きです!
今回もとてもてぇてぇです!続き楽しみにしてます!
気がついたら一ヶ月たってました😨すみません🙇♀️ もうじき❄️ちゃんのお誕生日ですね♡今年もまだまた❄️ちゃん推しです🫶バレンタインもお誕生日も書きたいものがたくさんある…!
「えぇーん、なんでこんな時に限って…」
ズキズキ痛む頭を抑え、やっと起き上がりスマホを覗く。
今日はシヴァさんのお誕生日、そして二人で迎える初めてのクリスマス。
朝からお誕生日ケーキを仕込むために早起きする予定だったんだけど…
「頭痛い」
前からたまーに痛くなっていたけど、今日は痛さが半端ない。
一刻も早く薬飲まなきゃ立てやしない。ベッドの上を這いつくばって頭痛薬に手を伸ばす。
二錠口に放り込んでペットボトルで流し込んだ。
「きょ、きょおは、ぐあいわるくなってる場合じゃないの」
あと少ししたら落ち着いてくるかな。
ううん、落ち着かなきゃ困るの。
さっきよりかは幾分マシになったと自分に思い込ませて、頑張ってベッドから降りた。
「今日はダメダメな日かも…昨日の方が上手にできたよ」
リビングに広がる甘い香り。
なんとか焼き上がったスポンジは昨日より少し茶色な気がする。塗ってしまえばわからないよと言われたらそれまでだけど…。
生クリームを泡立てるハンドミキサーさえも重く感じた。
昨日までスムーズにできていた工程が、何倍も時間がかかっているみたい。昨日のほうが上手くできたかもしれない。
「るなさーん、どう?」
「のあさーん、ええーん」
落ち込む手前でのあさんが様子を見にきてくれた。その姿をみて安心してしまって、うるっと涙腺が緩んでしまった。
泣きついてコトノイキサツを話す。なんか上手く焼けてないかも、生クリームも、パサっとしちゃったかも。昨日のが上手だったよね、etc…
ぐすぐすしていたら、大丈夫だよ、心配ないよって励ましてくれた。
「大丈夫綺麗にできてるよ」
「本当に?」
「本当。そうだ、ちょっと早いかなって思ったけどいいよね」
かさかさ、とのあさんの後ろから音がする。
それなあに、と言おうとしたら私の胸にギュッと押しつけられた。
ピンクの包み紙、かわいい水色のリボンが結ばれてる。
「ちょおっとフライングだけど私からクリスマスプレゼント」
「わっ嬉しい!…あけてもいい?」
「いーよー」
のあさんからクリスマスプレゼント貰っちゃった!!さっきの凹んでた気持ちが飛んじゃうくらい嬉しいっ。
女の子のプレゼント交換は、実は恒例行事でるなも用意してるんだけど、今渡した方がいいかなぁ。
「本当は夜に女子組でプレゼント交換しよって思ってたの」
「じゃあ、のあさんへは夜でもいいですか?」
「いいよ、ね、あけてみて!私が今渡した理由がわかるから♡」
今渡した理由?なんだろな。
綺麗に結ばれたリボンをゆっくりほどいていく。
ピンクの包み紙をあけたら肌触りのいい生地。
「えっ、わ…エプロン!?かわいー!!」
肩のところがふりふりしてて、お腹の辺りでリボンが結べるようになってる。
ちょっと長いからワンピースみたい。
そして何より色がピンクで嬉しかった。
「私とるなさん、好きな色が自担カラーと反対だもんね」
「そうなんだよね」
「だから私も買っちゃった♡」
「みずいろ!おそろだー!」
じゃあん、って戸棚から出してつけて見せてくれた。のあさんは落ち着いた水色で同じデザインのものだった。
「ほんとーは、虎に餌やるみたいでやなんだけど…」
「とら?」
「うーん、カエルのがあってるかな…」
「かえる??」
うーん、なんてほおに手を当ててのあさんが唸る。なんのことだろう、シェアハウスってとらでも飼い始めたの?もしかして
カエルもいるのかな??
ぼんやり考えていると、がちゃん、ばたんとお扉が開く大きな音。
低めな声の話し声、がふたつ。
「じゃぱぱさん帰ってきたのかな?」
「じゃぱぱさんお出かけしてたんですか?」
「カニしゃぶで使うネギなくてお使い頼んだの」
じゃぱぱさんお誕生日なのに、のあさん容赦ないや。確か毎年主役ふたりに大変だからってケーキ取りに行かせたり手伝わせてたっけ。
のあさん強いな、なんてよく思ってた。
「ただいまぁ〜のあさんねぎ〜」
「ありがとう〜」
リビングに入ってきたじゃぱぱさんが、スーパーつかれたぁ、なんてネギ以外にも色々入った袋をテーブルの上に置いた。
「最初はネギだけってきいたのにぃ」
「ごめんね。後から色々思い出して」
LINEで色々追加されたらしく、じゃぱぱさんはぶーたれていた。
「なになに、ふたりともかわいーね。自担カラー交換こしたの?」
「私からクリスマスプレゼントなの。好きなカラーがお互い反対だからね」
「よく似合ってるよ、なんか双子みたい。かわいいな」
目が癒されるわ、なんてじゃぱぱさんが微笑んだ。じゃぱぱさんってこう、ナチュラルに褒めるのすごく上手。
他のみんなもそうだけど、わー似合うーとかすごく自然に口にしてくれる。
大学行くようになって思ったけど、からぴちの男子メンバーって本当素直で優しいんだなって身に染みた。
シヴァさんだったら、なんて言ってくれるかな。
あ!!さっきじゃぱぱさんとお話しして入ってきた声は、もしかして!!
「じゃぱぱさん!今誰かと喋ってましたよね!?もしかしてシヴァさんですか!?」
「あ。バレたかー黙ってたのに」
あちゃーなんて右耳の後ろを掻いてる。
もう、なんで言ってくれないの?むっと無意識にほおが膨れた。
「なんでですかっ早く言ってください!」
「シヴァさんにるなのその姿見たの、俺が一番だからって伝えて」
「そんな幼稚な嫉妬しないの」
のあさんに怒られたじゃぱぱさんは、だって、と口を尖らせてる。
早く会いたい、リビングに真っ直ぐ来ないと言うことはきっとお部屋にいるのだろう。
急いで向かうと、エプロンの膝の部分がばたついた。
「大丈夫かなぁ、のあさんなんで今エプロン贈るんだよ〜シヴァさんよろこんじゃうじゃん」
「色々あったの。るなさんが元気になるために仕方なくだよ」
「カエルに餌やらなくてもいいじゃぁん」
「まったくもーいい加減諦めて」
ぐすぐすと泣きつくじゃぱぱさんに、のあさんがうちのメンバーすぐ泣くんだからと肩をすくめていた。
どこかなーどこかなー…
シヴァさん自分の用事が済んだら、きっとたっつんさんのお部屋に遊びに行ってしまう。
二人でドラクエしたり、時々もふくんも入ってお笑いの動画みたりしてるから。
その前になんとかして会いたかった。
(あ、ここかな)
一つの空いてる部屋の前で足を止めた。
ドアの隙間からこっそり覗くと、見慣れた大きな背中を発見。
なんて声をかけようかな。
(わ!っていったらびっくりしちゃうよね?声出したら気づいちゃうし。)
だーれだ、って目を隠してみたい気もするけど。うーん、シヴァさん立ってて届かない。
ならば、さらりと扉をすり抜けて大きな背中に近づいた。そのままぴた、とくっつく。
「!?うぉ!?」
びっくりしちゃったかな。
びっくりしちゃいましたよね。
でも声を出したらバレちゃうし、どうしようかなぁなんて思っていたら直ぐに
「るなさん!?なんでここにいるの!?」
「えっるなってわかりました!?」
「気配と匂いでわかった」
シヴァさんはこっちに振り返らず、私の手を握るとくるんと向きを変えた。気配と匂いでわかっちゃうの??
るなさん、と言いかけてそのまま上から下まで視線が動いている。
「シヴァさんお久しぶりです」
「どしたのそのカッコ」
「エプロン?」
「うん」
間が空いてから
「かわいい」
「えっ」
真っ直ぐに見据えられ、はっきり”かわいい”と言われてしまった。
な、なんかなんか…嬉しい以上にドキッとしてしまった。
だってシヴァさんって今までは恥ずかしそうにボソって言う感じだったし
なかなか言ってくれなくて、私からかわいいですかー?なんて聞く準備すらしてたのに。
「なんだ、照れてんの?」
「だって、そんなストレートに褒めてくれると思わなくてですね」
「かわいい以外の言葉が浮かんでこないくらい、かわいすぎるんだよ」
「う、うそっ」
「嘘じゃないほんと。強いて言えば二人きりの時に見たかったな」
二人きりの時だったら、どうなってたのかなぁ。シェアハウスにいたことを一瞬悔いた。
「まさか先に来てるとは」
「あ、そうなんです。シヴァさんへのサプライズ第一弾」
「いつから?」
「昨日の夜から」
そうだ、午後からるながここに来るって話していたから。でもシヴァさんびっくりよりもほっとしてるみたい。
「驚かないの?」
「いや、謎が全て解けたって感じ安心した。なるほど、そっか」
ううーん、なんで手を当てて考え込むシヴァさんを覗き込む。目が合うとニッと子供っぽく笑った。
う、その笑い方るな好きです。
きゅーって心臓が掴まれるみたい。優しく笑うのも好きだけど、ニヤって笑うのも、けっこう好き。
ちょっとだけ、ならいいかなぁ。
シヴァさんの胸にぴたりとおでこをくっつける。
手を回したいとこだけどそこまでは恥ずかしくてできなくて、ただただぴたっとくっついた。
「るなさん」
私の背中に腕が回る気配がした、けれどその腕は回されることなく頭上へとのぼっていってしまう。
ぽん、と後頭部に手が置かれてより深く私は顔を埋めた。
もどかしいな。二人でいると甘い空気にのまれちゃう。
でもここはシェアハウスだもんね。
名残惜しく顔を離してぱっと笑顔を作って見せた。
「今日のパーティー、るなたくさん頑張りますからみててくださいねっ」
「ほどほどにね」
「あとね、じゃぱぱさんから伝言が」
「あ?なんて?」
じゃぱぱさんの名前を出すと、シヴァさんは荒い口ぶりになった。嫌な予感がしたのかな?ふふふ、おもしろい。
「”るなのエプロン姿見たのは俺が一番だから”だそうです」
「…くそぅ」
マウントとってきやがって…とかなんとかぶつぶつ。
悔しそうにしてるシヴァさんに肩を揺らして笑ったら、意外と大事な問題なんだよって教えてくれた。
「じゃ、るなキッチンにいますので」
「わかった、怪我しないでね」
「しませーん」
「ほんとかぁ?」
「ふふふ」
まだまだやること山積みだ。これからお鍋の仕込みに麻婆豆腐も作らなきゃ。のあさんのところへ帰るべくぱたぱたと走り出した。
「…」
一人残されたシヴァさんが右手をじっと見つめて
「熱かったな…」
そう、つぶやいてるとも知らずに。