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昨日タイタニック読んで号泣しました(余談
嘘でしょあれ30年前なの!!!??
ウィンスレット強い!可愛い!かっこいい!演技すごい!惚れる(?)!!
ディカプリオ顔がいい!!(?)インカメでイケメンなの本当スゲェ
あとジェームズ・キャメロンは強い女が好きなんだね。私も(?)
タイタニック・アバター・ターミネーター・エイリアン見てください!!勇敢な女戦士がいっぱいだぜ
ん”んっ、失礼
それでは今回は風邪を引いた太宰の話です。
三十九度超えると人間って知能下がるらしいです。やったね。
リクエストありがとん
本当は絵に描いたような値の張るワインが欲しかった。中也が応募していた懸賞は、そういう景品だったはずだ。なのに届いた箱を開けてみれば、中身はぎっしり詰まった蟹缶の山だった。数にすればゆうに二十缶はある。一人暮らしの部屋に積み上げられた蟹缶を前に、中也はしばらく途方に暮れていた。
自分で食べきれる量じゃない。かといって捨てるのも勿体ない。誰かに押し付けてやろうと考えを巡らせて、真っ先に浮かんだ顔が太宰治だった。あいつなら文句を言いながらも喜んで受け取るだろうし、なにより、ここのところ忙しいとかで顔を見ていなかった。ちょうどいい口実だ。
とりあえずLINEで今夜行くと一方的に予定を入れて、返事も待たずに家を出た。太宰の住むアパートに着いて、インターホンを押す前に、なんとなくスマホを確認する。既読はついていなかった。まあ、平日の夜なんだから寝るには早いし、大方だらだら寝転がってスマホを放置しているだけだろう。そう決めつけて、中也は迷わずインターホンを押した。
反応があったのは、数十秒も経ってからだった。
「はぁい」
いつもの軽薄な調子とは違う、ひどく間の抜けた、力の抜けきった声が返ってくる。用件を話しても、太宰の反応はどこか要領を得ない。「うん」とも「そう」ともつかない曖昧な相槌ばかりが返ってきて、中也の胸の奥に嫌な予感が芽生えた。
「おい、聞いてるか」
呼びかけても、今度は返事すらなかった。さすがにおかしいと察して、玄関のドアノブに手をかける。鍵は開けっぱなしだった。用心のかけらもない、その太宰らしくない不用心さが、逆に事態の深刻さを物語っていた。
ドアを開けた先、玄関の壁にもたれかかるようにして、太宰が座り込んでいた。長い黒髪が乱れて頬に張り付き、いつもの砂色の外套はその場に脱ぎ捨てられ、ループタイと黒いベストとベルトまでもが無造作に放り出されている。靴も片方がひっくり返ったままだった。まるで、玄関にたどり着くのがやっとで、そこから先へは進む力も残っていなかったとでも言うように。
「大丈夫か!」
慌てて抱き上げると、腕の中の身体は驚くほど熱かった。薄い肩も、細い腰も、火照ってしっとりと汗ばんでいる。ちゃぶ台の上に転がっていた体温計を拾って熱を測れば、表示された数字は三十九度を軽く超えていた。
すぐに部屋の隅に敷いてあった布団を広げて、太宰を横たえる。シャツのボタンをいくつか外して、少しでも楽になるようにしてやった。目の焦点は合っていないし、口からこぼれるのは意味を成さない呟きばかり。話しかけても、いつものように舌先三寸で誤魔化すことすらできないらしく、ふにゃふにゃと頼りない言葉が返ってくるだけだった。
可愛い。
思わずそう思ってしまって、中也は内心で自分に呆れる。人が高熱を出して倒れているというのに、なにを暢気なことを考えているんだと。けれど、あの減らず口の太宰が、ここまで無防備に、嘘のつけない生の言葉しかこぼせなくなっている姿は、庇護欲だけでは片付けられないほど中也の胸をざわつかせた。
とりあえず何か消化にいいものでも作ってやろうと台所に立ち、冷蔵庫を開けて絶句する。中はほとんど空っぽだった。自分の部屋の冷蔵庫なら、作りすぎたカレーだの、賞味期限の怪しい常備菜だのがぎゅうぎゅうに詰まっているというのに、太宰の冷蔵庫にあるのは、得体の知れない薬らしき小瓶と、何かの植物を育てているらしい鉢植えじみたものだけだ。奥のほうにようやくまともそうな食材を見つけたと思えば、それもすでに傷んでいた。
生き残っているものだけを選り分け、他は容赦なく処分する。ついでにゴミ箱を覗いてみれば、インスタント食品の空き容器が山のように詰め込まれていた。それも全部まとめて袋に放り込む。こんな生活をしていたら熱も出るはずだと、中也は説教の一つでもしてやりたい気分になった。
ゴミの整理をしているうちに、布団のほうから小さな声が聞こえてきた。振り返ると、太宰が目を覚ましたらしく、言葉にならない喃語のようなものをぽやぽやとこぼしている。赤子と大差ない有様に、中也は苦笑しながら近づいて、乱れた前髪をかき分けるように頭を撫でてやった。
すると太宰は、布団の中から必死に手を伸ばし始めた。その先にあるのは、部屋の隅に転がっていた犬のぬいぐるみだ。黒い帽子を被ったオレンジ色のそれに向かって、指先だけを一生懸命に伸ばしている。立ち上がって取りに行けばいいだけの距離なのに、今の太宰にはその判断すらできないらしかった。
拾い上げて手渡してやると、太宰はそれをぎゅっと抱きしめて、へにゃりと表情を緩めた。心底安心したような、幸せそうな顔だった。
その帽子と色合いに、中也の脳裏を一瞬よぎるものがあった。もしかして、これは自分のことを模して選んだのではないか、と。けれどすぐに、それはさすがに自意識過剰が過ぎるかと思い直し、口には出さないでおいた。訊いたところで、今の太宰からまともな答えが返ってくるとも思えない。
それから中也は、溜まっていた洗濯物を洗濯機に放り込み、まとめたゴミ袋を外に運び出し、戻ってきてから濡らしたタオルで太宰の額や首筋の汗を丁寧に拭ってやった。熱で上気した頬と、ぬいぐるみを抱えたまま安心しきって力の抜けた身体を見ていると、いつもの小賢しく人をからかってばかりの治とはまるで別人のようで、中也の中で嗜虐心と庇護欲が絶えずせめぎ合う。
数週間前、この部屋で初めて二人で過ごした夜のことが、ふと頭をかすめた。あの夜の太宰は、余裕ぶった態度の裏で驚くほど繊細に震えていて、今こうして幼子のように弱り切っている姿とはまるで違う。それでも、そのどちらもが愛おしくてたまらないのだから、自分もつくづく重症だと中也は思う。
一通りの片付けを終えて、隣に座り込む。汗を拭われたばかりの太宰は、うっすらと目を開けて、こちらを見上げていた。
「ちゅうや……」
か細い声で名前を呼ばれて、中也は思わず目を細めた。
「なんだよ。もう少し寝てろ」
そう言って、また優しく頭を撫でてやる。ぬいぐるみを抱えたまま、太宰はこくんと素直に頷いて、また瞼を閉じた。今夜はこのまま、この弱り切った治のそばについていてやろうと、中也は静かに決めた。
おまけ(というには多すぎる)
熱にうかされたまま眠っていた太宰が、次に目を覚ましたのは夜半を過ぎた頃だった。中也は布団の脇にあぐらをかいて座り、スマホをいじりながら看病を続けていたが、ふと視線を感じて顔を上げると、うっすらと開いた太宰の瞳とかち合った。
「ん、起きたか」
声をかけると、太宰はまだ焦点の定まらない目でこちらを見つめたまま、こくりと頷いた。頬はまだ赤く、額には汗の玉が浮いている。冷えピタは知らないうちにずれてしまっていて、中也はそれを直してやりながら、水を飲むかと訊ねた。太宰は緩慢な動作で首を横に振る。
「じゃあ何が欲しいんだよ」
普段の太宰なら、こういう時こそ意地悪くはぐらかしたり、思わせぶりなことを言って中也をからかったりするはずだった。けれど今の太宰にそんな器用な芸当ができるはずもなく、ただ布団の中から白い手を伸ばして、中也の袖をきゅっと摘まんだ。
「ちゅうや……」
「なんだよ」
「ちかく、きて」
言われるがまま身を屈めると、間近に迫った太宰の顔は、熱のせいでとろりと蕩けたようになっていて、いつも通りの人を食ったような笑みはどこにもない。ただひたすらに、甘えたそうな目でこちらを見上げている。中也はその表情に、また心臓を鷲掴みにされたような気分になった。この女は自覚がないからこそ質が悪い。
「……なんだよ、言いたいことがあるならさっさと言え」
ぶっきらぼうに促すと、太宰はしばらく口をもごもごと動かしたあと、消え入りそうな声でつぶやいた。
「ちゅっ……して」
「は?」
聞き返すと、太宰は熱でぼんやりした顔のまま、それでも一生懸命に言葉を続けた。
「ちゅうやが、きすして」
あまりに直球な要求に、中也は一瞬言葉を失った。素面の太宰なら絶対に口にしない、あまりにも素直すぎる願い事だ。熱で理性のたがが外れているのは分かっていても、面と向かってそんなことをねだられれば、動揺せずにはいられない。
けれど、口づけを――しかも唇に、というのは、さすがに理性が押しとどめた。風邪をひいているのは明らかで、熱もまだ下がっていない。うつしてもらっては困る。中也はごく普通の判断力を総動員して、代わりに身を屈め、太宰の額にそっと唇を落とした。
「ほら、これで我慢しとけ」
しかし太宰は、それだけでは満足しなかったらしい。眉根をきゅっと寄せて、不満そうにこちらを見上げてくる。
「ちがう……くち……」
「くちは駄目だ。風邪うつるだろうが」
きっぱりと言い切ると、太宰はしばらく黙り込んで、じっと中也の顔を見つめていた。何を考えているのか読めないその沈黙に、中也が少し身構えたその瞬間、太宰の頬がぷくりと膨れた。
「ばかぁ」
拗ねたような、それでいてどこか幼い響きの声で、そう言い放たれる。普段の口の減らない太宰が使うような台詞ではなく、まるで駄々をこねる子供そのものの言い方だった。
中也はしばらく呆気に取られて、それからこらえきれずに笑い出してしまった。
「なんでそこで馬鹿呼ばわりされなきゃならねえんだよ」
「だって……ちゅうやが、いじわるだから」
「風邪うつされたくねえだけだろうが。」
そう言い返しても、太宰の頬はまだ膨らんだままだった。子供っぽく拗ねる仕草も、いつもの余裕たっぷりな態度とはまるで正反対で、そのギャップに中也の胸の奥がきゅうっと締め付けられる。やはりまた庇護欲だけでは説明のつかない、もっとよこしまな気持ちが、腹の底で疼くのを感じた。こんな時にまで欲を出す自分は、我ながらどうかしていると思う。
「治」
名前を呼んで、また前髪をかき上げてやる。太宰は不満そうな顔のまま、それでも中也の手のひらに擦り寄るようにして目を閉じた。単純な生き物だ、と思う。あれだけ拗ねていたくせに、頭を撫でられるとあっさり機嫌が直ってしまうらしい。
「治りたければちゃんと寝ろ。治ったらいくらでもキスしてやるから」
半分は本気の交換条件のつもりで言うと、太宰は薄目を開けてこちらを見た。
「ほんとに?」
「ああ、約束する」
「じゃあ、はやくなおる」
存外素直な返事に、中也は苦笑した。数週間前、初めて肌を重ねたあの夜、太宰はもっと余裕ぶった態度で、それでいて指先が震えるほど緊張していたのを思い出す。あの時のことを思えば、キスひとつをねだって拗ねる今の姿は、あまりに子供っぽくて可愛らしくて、比べること自体が馬鹿らしくなるくらいだった。
けれどどちらの太宰も、間違いなく自分の恋人なのだ。そう思うと、中也はどうしようもなく満たされた気持ちになる。
「ほら、もう喋ってねえで寝ろ。看病してやるのは今夜だけだからな」
わざと素っ気なく言ってやると、太宰はふにゃりと笑って、また犬のぬいぐるみを抱き寄せた。
「ちゅうや、すき」
不意打ちのその一言に、中也はぐっと言葉に詰まる。いつもならもっと勿体つけて、思わせぶりに言うくせに、熱に浮かされた今はこんなにもまっすぐに気持ちをぶつけてくる。ずるいと思った。素面の時にもっとこういう素直さを見せてくれたら、こっちの調子が狂うことも減るだろうにと考えて、いや、それはそれで敵わないなと思い直す。
「……俺もだよ」
コメント
5件
リクエスト叶えてくれてありがとうございます!! 太宰さん♀が弱りきったことで、普段の可愛さに幼さが加わって、癒される姿が見れました!! 付き合ってるから、当然かもですがサラッと看病する中也の姿がスパダリすぎました。 自分に似たぬいぐるみを見た時に、「自意識過剰」と反応してる姿を見て“そんなことない!!”って伝えてあげたいくらいでした。 そして、中也に似たぬいぐるみを持ってる太宰さん♀尊すぎる
寺島あおいです🤍風邪ひき太宰、めちゃくちゃ可愛かったです……!いつもの小賢しい口調が全部抜けて、無防備に「ちゅうや」って名前を呼ぶ姿に胸がぎゅっとなりました。ぬいぐるみを抱きしめて安心しきった顔とか、「ばかぁ」って拗ねるところとか、もう全部愛おしい。中也の内心の葛藤もすごく伝わってきて、二人の距離がぐっと縮まった大切な夜みたいに感じました。おまけのキスのやりとりもずるいほど甘かったです🫠