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コメント
2件
最高〜🫠✨
今日“も”学校に行く
いつも通りゆいと若井と学校に行って
いつも通りクラスに入る
そして席に座る
最近転校してきた藤澤涼架っていう先輩とも仲良くなった
僕は涼ちゃんって呼んでる
そんな感じで『いつも通り』だった
でも今日は『いつも通り』じゃなかった
それはゆいが言っていたことだった
ゆい「最近さ、3年の先輩がさ〜 」
先輩の話をし初めた。
恋愛とかには絶対に興味を持たない人だったのに。
ゆいは好き…なのかな、先輩のこと。
ゆい「元貴〜?聞いてる? 」
元貴「あ、ごめん」
ゆい「そんで、先輩がめっちゃ部活でモテてんの〜」
先輩か…
確か、高橋先輩だった気がする
バスケ部のエースで、モテモテだった
ゆいは、そんな人が好きなのかな
今日は部活がある。
俺とゆいはバレー部、若井はサッカー部、涼ちゃんは吹奏楽部
元貴「ゆい〜?早く行こ〜」
ゆい「あ、ごめん〜!」
ゆい「元貴さ、なんかあった?」
元貴「え?」
ゆい「今日朝くらいからずっと元気ないから」
元貴「大丈夫だよ」
ゆい「…そう?」
僕のことをよく見てくれてる、そしてそれを気にかけて心配してくれる。
なんていい人だろう。
元貴「ほら、遅れるよ!」
ゆい「あっ、やっば!」
部活では、ペアになってボールをパスし合うっていうのを練習試合の前にする
最初は嫌だった。
だってゆいは人気者だから、ペアになりたい子がたくさんいる。
僕は1人だし。
でも、ゆいは全部断って僕とペアを組んでくれる
そういうとこだよね、
ゆい「元貴!なにぼーっとしてんの? 」
元貴「ごめん、はい、パス」
ゆい「おわっ、びっくりした…」
元貴「笑笑」
やっぱりゆいと居るのは心地いいや
こんな僕に話しかけてくれた
最初は嫌だったけど笑
僕の世界に色をつけてくれた人なんだ
恋だって応援しなきゃ
部活終わりで、着替えるゆいを待っていたら
部活の先輩達の声が聴こえた
「今日、高橋先輩と一緒に帰るの!」
「えぇ〜!いいなぁ〜」
高橋先輩、
モテてるんだな、やっぱり
ゆいも最近先輩のこと言ってるし
まぁ、好きかどうかは分からないけど
ゆい「元貴お待たせ!」
元貴「あ、ゆい」
ゆい「涼ちゃん達もう部活終わったかな?」
元貴「行ってみよ〜!」
ゆい「あっ、ちょっと元貴待ってよぉ」
元貴「あっ、若井、涼ちゃん!」
若井「お、元貴…とゆい笑」
ゆい「も〜、元貴…速いってぇ」
涼ちゃん「大丈夫〜?」
元貴「ごめんごめん笑」
そうやってみんなで笑い合いながら一緒に帰る
この時間が楽しい
ゆい「ねね、今日さ、金曜日だから休日と繋げて私の家でお泊まり会しない?」
『お泊まり会』
その言葉がなんだか嬉しくて
元貴「いいよ」
そう答えてしまった
お泊まり会でもいいから、ゆいと居る時間が先輩よりも多いことが嬉しかった
若井「え、いいじゃん行きたい」
涼ちゃん「僕も〜」
ゆい「じゃあ、私ん家で集合ね」
元貴「はーい」
よし、準備が出来た
ゆいの家に行く、ちょっと早めに。
だって他の2人よりも少し早く着きたいから、ゆいと2人で居たいから
ピーンポーン
ゆい「あ、元貴!入っていいよ〜」
元貴「お邪魔しまーす」
ゆい「元貴〜」
元貴「なに?」
ゆい「いやさ、今度2人でどっか行かないかな〜って思って」
元貴「え、」
ゆいが僕を誘ってくれた
初めてじゃないはずなのに
最初に『ゲーム今度一緒にやろう』
って言ってくれたはずなのに
今言われるとすごく嬉しい
もちろん僕は
元貴「いいよ」
ピーンポーン
若井達が来た
若井「お邪魔します!」
ゆい「いらっしゃ〜い!」
涼ちゃん「ちょぉぉぉっとぉぉ!?」
若井「いやぁぁぁぁぁぁ!」
ゆい「滉斗と涼ちゃんチーム負け〜!」
元貴「やった!」
ゆい「元貴!あそこで滉斗落としたのナイスすぎ!」
元貴「…っ//」
そういいながら僕の頭をわしゃわしゃって撫でてきた
きっと僕の耳は赤い。
それがみんなにバレないように、髪でそっと隠した
ゆい「ほら!次の試合やろー」
涼ちゃん「次違うチームにしよーよー」
バレてないみたい。
よかった
ゆい「笑……元貴?」
元貴「んぁ、?」
ゆい「…なんでもない笑」
若井「早く〜」
ゆい「ごめんごめん笑、元貴!やろ」
そうやって笑う君が、
そうやって僕の名前を呼ぶ君が、
__なんだよな
僕の名前を呼ぶ君が__。
その時だけ僕の名前が特別になるんだ。
ゆい「あ〜あ、もう無理だよ〜」
若井「もうやめるか笑」
時計は5時を過ぎようとしていた。
外を見ると、まだ夏の始まりだからか少し明るい
元貴「…茜色」
この時間の空は茜色に染まっている
この時間が好きだ。
今の僕の心みたいでさ、
ゆいが僕に与えてくれた色のような気がする
変だよね。
ゆいは僕に何も与えてないのに、僕と友達になってくれたことがプレゼントのような、
優しい、少しオレンジや黄色が混じったゆいのような色が好きなんだ。
だから茜色に染まる空が好き。
そんな時に、名前を呼んでほしいんだ
『元貴!』
そう呼んでくれる君がいるんだ