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音葉はスマホの画面に視線を落とし、口元をわずかに吊り上げた。
コメント欄は静まり返り、視聴者数のグラフは明らかに下降線を描いている。
彼女が裏アカウントで撒いた中傷の“種”が、ようやく芽吹き始めた証だった。
「これで、ようやく舞台が整う──」
そう呟き、音葉はスマホを伏せた。焦って叩き潰す必要はない。
ミィコが自滅するように仕向ける、それが最も効果的なやり方だと彼女は知っている。
目立ちすぎた光には、相応の影が付きまとう。
その頃。
配信を終えたミィコは、まだ配信画面を閉じずにいた。
静まり返ったコメント欄。かつて賑わっていた通知の音も、今は聞こえない。
スマホを手にしたまま、膝の上で指をぎゅっと握りしめる。
「私……なにか、間違えた……?」
その声は自分でも驚くほど小さく、頼りなかった。
誰かの言葉に傷つけられたわけじゃない。ただ、急に世界が冷たくなった気がした。
思い出すのは、リスナーたちと笑い合ったあの時間。
励ましあい、歌に涙した夜。
あの絆が、まるで砂のように指の隙間からこぼれ落ちていく。
何もできず、ただ呆然とそれを見つめているしかなかった。
──これは、ただの一時的な波なのか。それとも、誰かの意図による“流れ”なのか。
確信の笑みを浮かべる音葉と、不安に沈むミィコ。
この夜、2人の明暗は静かに分かたれた。
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