テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
gt受け rust🔞無し
なんでも許せる人向け
展開早め
一部の人の解像度低め
rustの世界観の理解度低いです
『』→ぐちつぼ
「」→ぐちつぼ以外
ぐちつぼ視点
チームメンバーにも言えない秘密がある。
絶対に隠し通したい秘密。
キャリー枠、は納得がいかないけど実際知識は俺が一番ある。
IGL、建築、農業、電気、やれることはやりたいし頼られているのは悪い気分はしない。
だからこそ、こんな秘密言えっこない。
俺の秘密を知っているのは一番最初に仲間になったちーのだけだ。
最初のも最後にもこの秘密を知るのはちーのだけでいい。
カポッ
注射器の蓋が外れ鋭い針が丸出しになった。
右手でそれを持ち左の腕に近づける。
ゆーっくり針を皮膚に刺す、と同時にフラッと失神前兆が起こる。
やばい、気絶す、
「ぐちつぼ!」
失神直前、倒れ込みそうになった俺の頭をガシッと掴み名前を呼ばれる。
瞬間、ハッと意識が戻った。
腕に中途半端に刺さった注射器を反射で抜いた。
少し、腕に血が滲む。
『はーっ、はーっ、、、っう、』
急いでまた注射器を手に取る。
カポッと蓋が外れる嫌な音に心臓が沸き立つ。
両手が震えて注射器を持つこともままならない。
「、、、今日は終わろう。これ以上やってもしゃーないわ」
隣で様子を見ていたちーのが俺の手から注射器をとった。
『、ごめん、ちーの』
トラウマはトラウマになる前に克服しなければいけない。
どれだけ怖くてもすぐもう一度やることが大切だと教わった。
でももうそれをやるには遅すぎる。
注射はすでに立派なトラウマになってしまった。
毎日一日一回、こうして注射を手にする。
まだちゃんと刺せたことはない。
「俺に謝られても、、、何があったか知らんけどここまでのトラウマなら無理に克服せんでもいいんとちゃう?」
ちーのは俺の頭をわしゃわしゃ撫でながら言った。
そう言われるとそんな気もしてくる。
でもやっぱりダメだ。
ソロなら良かった誰にも迷惑かけないから。
でも今は仲間がいる。
こんな足を引っ張るトラウマ克服しないと。
これまで包帯と水と食べ物とでなんとかしてきたが大幅にHPを回復する注射を使えないのは致命的すぎる。
『どうやったら克服できるんだろ、、、』
銃弾が体を貫いても、ナイフが刺さっても弓が刺さっても平気なのに注射だけはどうしてもダメ。
「別のことで気を紛らわすとか?キスしながらやってみる?」
『、、、キスが怖くなるからやだ。、、、それはそうとしてキスして』
「おっけ」
優しいキスにまだ小刻みに震えていた体がやっと落ち着いた。
血が滲む左腕をみる。
傷に適当に絆創膏を貼った。
毎日こんなこと繰り返しているから左手はいつのまにか絆創膏だらけになっていた。
病弱っぽくて嫌だ。こんなんみんなに見られるわけにはいかない。
袖を限界まで下げて隠した。
『はっ、はっ、そっち今開けないでっ!みんな揃ってからピークしよう。南の丘に1人、スナイパーっ、』
顎を伝う汗を手で拭う。
爆発音で脳と鼓膜と拠点が揺れる。
ノイローゼになりそうなくらい止まることを知らない爆発音に脳が焼き切れそうだ。
イタズラとか、ちょっと試しに〜とか緩いもんじゃない、完全にここを更地にしようとしているレイド。
俺たちも本気で向き合わなければいけない。
とは言っても正直もう限界だ。
銃煙や火薬や火の粉で呼吸が浅くなる。
数え切れないくらいのリスポーンを繰り返して体はボロボロ。
みんなに指示を飛ばすも状況全てを把握できないし色んな情報に脳がショート寸前だ。
「どうしますっ、ぐちさん!」
どうします?ってそんなん言われてもどうしたらいいか、、、。
もうここから復帰なんて無理だ。
どうしよう、どうしよう
『、ちーキスっ!』
「ん」
少し離れた場所にいたちーのが一瞬でそばにきてキスをしてくれる。
パニックになりかけた時ちーののキスで落ち着くのが癖になっていた。
メンバーのみんなは俺とちーのの関係を知らない。
困惑するだろうけどそんなん気にしてる暇ない。
ちゅ、と小さな音で唇が離れる。
まだやれることはある。
復帰は無理、じゃあ持てる物資持ってワンチャン脱出を狙うしかない。
『スクラップ!まだあったよね?あとジャンク部品、、、大切なものできるだけ持って逃げよう。』
「、、、はい!」
一番に返事をしたのはおおはらメン。
メンが動き出したのを見てメンバーもチェストを漁り出す。
正直無謀だけど、1人でも帰れれば超アド!
『俺ベイトするから東のドアから出て即森に走って。りりむさんは屋上のヘリでワンチャン狙おう。えーと、ロマンさんとズズとツムグもヘリ!』
「いいむっ、、、いや分かった!」
信じてる。りりむはここぞで決める人だ。
『メンとウラトくんとちーのは下から走って逃げる!任せたよ。本命はこっち。』
「ええっ!いいむたちベイト!?」
『まあまあ、文句は帰ってから聞く』
りりむは不満そんな顔をしながらをバッグに銃や装備を詰める。
「お前はどうすんの」
『俺は拠点からベイトしてなるべくひきつける。』
「、、、OK」
ちーのは去る前に俺の頭を撫でた。
力強い手から色んな感情を受け取った。
大丈夫。すぐ合流する。
そんなに気負わなくていい。
いけたらラッキー、いけなかったら残念でした、それでいい。
『ゲホッ、ゲホッ、、、ぅ゛う゛、、、』
力の出ない手で足の傷に包帯を巻く。
メンバーが拠点から逃げてから5分は経っただろうか。
逃げた人を追って敵も何人か拠点を離れた。
でもあの一瞬でもベイトの役割は果たせたはずだ。
ロケットランチャーの音は止まった。
その代わり内部を正確に抜くC4の音が時折する。
『はっ、はっ、はっ』
落ち着いて呼吸をしようと腹に手を当てる。
べと、と嫌な感覚に下を見る。
真っ赤に染まった手が目に入った。
ああ、腹からも出血していたのか。
残り少ない包帯を使って適当に傷を塞ぐ。
なんとか出血は止まったようだ、さっきよりは幾分か楽になった。
でもHPはすでにミリ。
少し悩んでから近くに転がる注射器に手を伸ばした。
カポッ
蓋が開くその音にこんな時でも心臓が沸き立つ。
震える手をもう片方の手で押さえ込む。
やるしかない。
失神に耐えるために近くにあった服を力強く噛んだ。
やるぞ、やる。刺すだけ。ちょーっと刺すだけ、、、
『っぐ、ッ、、、ぃ゛い゛、ッ』
刺さった。刺さった!
細い針が皮膚に突き刺さっている。
それを気絶せずみている。
ちゃんと注射をさせたのは何年ぶりだろうか。
喜んだのも束の間回復のための液体が体内に入ってくる感覚にクラッとめまいがした。
なんだこれ、気持ち悪い気持ち悪い
液体を異物としか思えない体が拒否反応を起こす。
耐え切れない。
ぶちっと注射の針を抜いたはいいもののそのままあまりの不快感に意識を手放した。
なんだこれどういう状況だ。
目が覚めたら知らない人たちに囲まれて椅子に括り付けられていた。
いや、知らない人といっても、まあ知ってるけど。
俺たちの拠点を更地にした張本人、りりむの因縁葛葉たちのチームに俺は囲まれている。
拉致られたと考えるのが普通だろう。
でもなんで?利益なくね?
てか、、、体が軽い。
気絶している間に注射器を刺してくれたのだろうかHPに余裕があるしなにより体が元気だ。
注射ってすごいんだな、、、。
自分がどれだけのハンデを負っているかを自覚する。
にしてもなんでそんな親切なことを、、、
「起きてますよねー?」
『!』
突然葛葉に声をかけられビクッと肩が揺れる。
あからさまに驚いてしまったしガキみたいな寝たふりはできない。
『起きてますけど、、、』
なるべく威勢良くいようと思うけど8対1は流石に恐怖が勝つ。
「なんで誘拐されたんだ?みたいな顔してる」
『、、、実際、なんで俺誘拐されたんすか?別に美味くないでしょ俺いなくてもチーム回るし』
「うーん、りりむが一番嫌がることを考えてみたんだけど、それってチームメンバーを傷つけられることなんじゃねって気づいちゃった笑」
『はっ、拷問でもする気っすかぁー?』
拷問の可能性はすでに考えていた。
もし拷問だったら、、、嫌だな普通に。
逃げたい。
周りを見れば隅にカメラが置いてあることに気づいた。
それで様子を撮ってりりむに送りつけることでりりむが悲しむ、って作戦か?
「へー、余裕そうだね?」
なわけあるか。
「俺たちどっかいってていい?」
「ああいいよ」
「あんま虐めすぎんなよ葛葉〜」
「うーい」
チームメンバーたちがドアを開けて去っていく。
最後にエビオが申し訳なさそうな顔をしてから部屋を出ていった。
まさかの葛葉と2人きりの状況にこんな時でも人見知りが発動しそうになる。
「まーとりあえず、、、」
バァン!
銃声、遅れて足に鋭い痛みが走った。
『っ、』
これくらいならどうてことない。
戦闘中なら無視して走り出すくらいのダメージだ。
「反応してくれないとつまんないんですけどー」
『知るかよ』
バァン!
次は腹。
ドクドクと血が流れる感覚。
もちろん痛い、けど痛いより気持ち悪いが勝つ。
「次撃ったら死ぬ?」
『、、、まだ耐える』
死ねたらラッキー、だけどこんな嘘に引っ掛かるわけないか。
「うそつけ。死なれちゃ困るから一旦回復すっか。」
カポッ
注射器の蓋を外す音。
肩が大袈裟に動いた。
全身の毛が粟立ち体が震える。
針が皮膚を刺す感覚、異物が体に入ってくる感覚を思い出して吐き気がした。
これまでより一層強い嫌悪感。
「、、、?効いてきた?」
『、、、やだ、っ』
思わず声が漏れていた。
情けない、ひ弱な声だった。
「は?、、、まあ一旦注射、、、」
ガタン!
『や、っ、、、はッ、ぅ』
椅子が音を立てて揺れた。
背中が汗でびっしょり濡れていく。
生理的な涙が頬を伝った。
防衛本能で逃げようと体が暴れるが俺をくくりつける縄はびくともしない。
「ちょ、お前出血でしぬ、!」
俺のパニックに当てられてから葛葉も焦った様子で包帯を取り出した。
根は優しいのだろうか。
あまりの拒否反応に思っていた拷問を続けることができなくなっている。
足と腹に丁寧に包帯が巻かれた。
出血は止まったからこれでダウンすることはない。
「、、、注射ダメとかありえんの、、、?」
葛葉がボソッと言う。
気づかれた。
さーっと血の気が引いた。
誰にも知られたくなかった秘密をよりにもよってチームメンバー以外に、知られた。
意識が撹乱して忘れていたがこの状況は撮られている。
映像がりりむの手に渡ったら、、、そんな形で秘密を知られたら、、、。
注射ごときに怯える俺を見て、秘密を話さない俺を知って仲間は何を思うんだろう。
今になって秘密を抱えることに罪悪感を覚える。
カポッ
大嫌いな音にバッと顔を上げる。
パニックで呼吸がままならない。
そんな俺を見て葛葉は困ったような顔をしてから注射器をしまった。
『、、、刺せよ、、、っなんで、っ、』
「その反応見たら無理でしょ、、、。りりむをちょっと苦しめたいだけなのに、そんなガチのは望んでねーよ、、、。」
そんなもんなのか、よく分からないが助かった。
でもまだ動悸が止まらない。
一度撫でられた恐怖心はそう簡単には収まらない。
『、、、ちーの、、、キスしたい、、、』
いつもみたいに落ち着かせて欲しい。
抱きしめて欲しい。
そう思ったのだが葛葉の驚いた顔を見て口に出ていたことに気づいた。
「、、、恋人いんだ」
『あー、ぅん、、、』
気まずい空気。
雑談なんてするくらいならさっさと殺せよ。
「、、、俺があんたに手出したら恋人もりりむも怒るだろうな。」
『、、、は?』
「、、、映像は消しといてやるよ。でもそのまま帰すのは癪だし」
葛葉が一歩近づく。
どんどん距離が縮まる。
『やめろ、くんなっ!』
ガタン
椅子の背もたれに手を置かれる。
体を捩らせるが全く逃げられそうにない。
ガッと顔を掴まれる。
やだ、やだやだやだ!
ちーのっ、
葛葉の顔が近づいてきてちゅ、と唇が重なった。
3秒ほどの軽いキス。
「、、、じゃ、、、」
次の瞬間には体を締め付けていた縄が解かれていた。
耳を赤くした葛葉が部屋のドアを開ける。
「、、、帰れよ」
『へ、、?、あ、ぅん、、、』
思ったよりもあっさりとしたそれに驚く。
いやもちろんキスは嫌だし最悪の気分だけど、、、なんというかもっと傷つけられると思っていた。
とりあえず自由になって一番に唇を拭く。
映像は消す、ということは俺の秘密はバレない?
なんで、見逃してくれるんだろう。
まあいいかそんなん考えられる脳は残っていない。
ラッキーってことで、、、。
「やばいやばいやばいおかしい俺、、、っ!」
ふらふら帰っていくぐちつぼの背中を見ながら俺はしゃがみ込む。
なんでキスなんかしたんだ。
全くするつもりなかったのに。
映像も消すなんて言ってこれじゃあぐちつぼが言わなかったらりりむは何も知らないままで本来の目的は果たされない。
なのになんで、、、!
怯えて、震えてるのを見てなぜか抱きしめたくなった。
そんな時にあいつが“キスしたい”とか言うから俺はおかしくなったんだ。
キスした後、彼の震えは止まっていた。
安心した、彼が落ち着いて安心したんだ俺は。
同時に俺のキスで落ち着いたことに優越感も覚えた。
彼は混乱して気づいてないだろうけど恋人以外のキスでも彼の体は受け入れた。
おかしいおかしいなんだこの感情、、、
「、、、堕としてえ、、、」
あれから拠点に帰ったらみんなが涙目で迎えてくれて、何があったのか聞かれて「何もなかった」と言った。
ちーのに会えた安心感で真っ先にキスを求めたらみんなの前で長いフレンチキスをしてきて恥をかいた。
それからちーのとの関係について詰められたが軽くあしらった。
語るほどの関係じゃない。見ればわかる恋人だ。
そんなことより物資は持って帰れたのかと聞いたら主にりりむさんを中心に嬉しそうに持って帰れたもの紹介をしてくれた。
その後ちーのと2人になった時全てを説明した。
これまで見たことないくらい怒ってた。
それが少し嬉しかった。
あれから変わったことといえばちーのが少し過保護になって、葛葉たちのチームとの因縁がさらに深くなって、拠点がなくなって、俺の注射へのトラウマが強くなったことくらいだ。
本当、それだけ。
明日だって明後日だっていつもみたいに仲間と一緒に楽しむ。
葛葉が拗らせた気持ちなんて知る由もなく俺は毎日過ごしていく。
きっとことが大きくなっていることに気づくのは取り返しがつかなくなった頃、、、。
コメント
3件


読み終わりました。ぐちつぼの注射トラウマ、戦闘の緊張感、そしてちーのとの関係性——どれも丁寧に描かれていて、一気に引き込まれました。特に「キスで落ち着く」という癖が、戦闘中のパニックとセットで出てくるのが効いてますね。葛葉に秘密を知られてしまった時の絶望感と、その後の意外な展開も印象的。最後の葛葉の独白「堕としてえ」が、これから何かが動き出す予感でゾクッとしました。
777
217
んぬう
223