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あの別れの日から、
どれくらいの時間が経ったのだろう。
指折り数えたこともあったけれど、もうやめてしまった。
数えれば数えるほど、
まだ彼に縛られている自分が嫌になって、余計に息苦しくなるだけだから。
仕事帰りに立ち寄ったカフェで、
ふと耳にした噂。
mb「 そ う い え ば 、y a く ん 、
mb「 も う 彼 女 い る ん だ っ て ね !
同僚たちの何気ないおしゃべり。
その一言に、心臓を握られるような痛みが走った。
笑顔を作ってその場をやり過ごしたけれど、
帰り道はひとりで泣きそうになる。
別れてからしばらくは、
きっと同じ気持ちでいてくれると、勝手に思っていた。
「彼もまだ私のことを想ってる」なんて、都合のいい幻想にすがっていた。
でも現実は、残酷なほどあっさりしていた。
彼はもう、新しい恋をしている。
それだけのことなのに、世界が音を立てて崩れたように思えた。
その夜、
幼馴染のurがアパートに顔を出した。
ur「 コ ン ビ ニ 行 っ た ら さ ぁ 、
ア イ ス 安 か っ た か ら 。
ur「 つ い で に 持 っ て き た !
そう言って袋を差し出す彼の笑顔は、
いつも通りだった。
et「 …. あ り が と !!
かろうじて受け取った声は、
かすれていたと思う。
ソファに腰を下ろすと、urがちらりと私の顔を見て言った。
ur「 噂 、聞 い た ん ?
ドキッとする。
ごまかせないくらい、目に出ていたらしい。
et「 … 聞 い た 。
ur「 そ っ か 。
それ以上、彼は何も言わなかった。
無理に励まそうとせず、ただ一緒にアイスを食べてくれる。
そんなさりげない優しさに、胸の奥が少し温かくなった。
やがて、静かな間を破るように、
彼がぽつりと呟く。
ur「 … 前 に 進 ん だ ほ う が い い 。
私はスプーンを止めた。
et「 無 理 だ よ 。
素直な言葉だった。
嘘をつく余裕なんてない。
だって、
今にでも涙が溢れそうだったから。
et「 ま だ … 無 理 。
震える声に、自分でも驚いた。
urはそれ以上は追及せず、
ただ黙ってうなずいた。
ur「 そ う か 。
短いその一言に、責める響きはなく、
ただ受け止めてくれるだけの優しさがあった。
夜。
部屋の電気を落とし、ベッドに横たわる。
暗闇の中で、目を閉じれば、すぐにyaの顔が浮かんでしまう。
笑った顔も、
ふてくされた顔も、
私を呼ぶ声も。
全部、焼き付いて離れない。
et「 You are always gonna be my love .
心の中で、ふと歌詞がこぼれた。
もう二度と前みたいに彼と話すことはできない。
もう二度と、隣に座って笑い合うことはできない。
それでも、心はまだ彼を探してしまう。
et「 い つ か 誰 か と ま た 恋 に 落 ち て も 。
その歌詞のように、
私はきっとこれからも、何度も彼を思い出すのだろう。
もし別の誰かと恋をしても、
胸の奥のいちばん深い場所には、ずっとyaがいる。
忘れられない、最初で最後の恋人として。
涙が頬を伝う。
et「 I’ll remember to love, you taught me how .
声にならない声で歌詞をなぞりながら、
私は眠りに落ちていった。
忘れたいのに、忘れられない。
前に進みたいのに、まだ立ち止まっている。
そんな矛盾を抱えたまま、
明日もまた同じ朝を迎えるのだろう。