テラーノベル
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いろんなのが息詰まったからたまには書かないcp書いてみるかのコーナーです。ちょみちょみあげてくのでご安心を。rbmnももう少しで続きが書き終わりそうです。
急にフォロワーさんが60人ぐらい増えてびっくりです。ありがとうございます。
pixivアカウント作った
何も投稿しないつもりです、くそ楽しい
※注意
・100%捏造、主の妄想、御本人様関係なし
・初心者、語彙力なし、下手くそ
・nmmnなし
・地雷様、すぐにスマホの電源を切りなさい
・ymoi×kgm要素あり(死パロ)
・曲パロ『夢の恋人』(とても良い曲です。歌詞を主なりに解釈し作りました)
(kgm side)
告げられた一言。
貴方からしたら他人でしょうから、そこまで気にも留めない命ですよね。
その一言がどれほど残酷か。
貴方は知りもしないでしょうね。
軽く睨みつけて部屋を出た。
鼻を啜りながら廊下を暫く歩いて、とある部屋に向かった。
天井から吊られている汚れ一つない真っ白のカーテンに、硝子の花瓶から出来た一線のプリズムが映し出されていた。
そのカーテンを開けて、恋人を見つける。
貴方は私を見つけるとすぐに微笑んで私の名前を呼んだ。
「ハヤト!」
「…夢追さん、今日は元気ですね」
最近はずっとベッドに寝たきりだったのに、今日はピンピンしている。
でも近くで見てみると君の顔はやつれて目の下には暈があった。
「ハヤトが来てくれたからかなぁ」
夢追さんの狐のような細い目が更に細められた。
夢追さんが「こっちおいで」と、ポンポンとベッドを隣を軽く叩いた。
「失礼します」と言いながら、隣に座る。
すると、いつもと違う消毒の匂いがする恋人の細い身体で私を抱きしめる。
ほんのりと暖かい身体。
でも指先は信じられないほど冷たくて。
「結果、どうだった?」
抱きしめられていて顔は見えない。
貴方はどんな顔をしているのだろう。
不意に手が震えた。でも悟られないように、震える手を握り絞めた。
「軽い胃腸炎ですって、すぐに治りますよ」
何も出来ない自分が嫌になる。
(ymoi side)
女性の看護師さんが部屋に入ってきた。
「あら~、お友達ですか~?翔さん良かったね」
ハヤトがピクリと震えた。
大丈夫言わないよ、と少し抱きしめる手に力を込めた。
別に隠す事ではない、逆にこの人は僕の恋人ですよって走り回って言い触らしたいぐらい僕の自慢の恋人だ。
でも僕にそんなことをできる立場ではない。
「…あ、はは」
看護師さんがハヤトの顔を見て数秒フリーズし、首を傾げた。
「…あ、…もしかして加賀美インダストリアルの加賀美社長ですか?」
ハヤトは一瞬躊躇っていたけれど、控えめに頷いた。
あー、せっかく隠してたのに。バレちゃった。
「え、凄ーい!翔さん凄い人と友達だったの?!羨ましい!!」
同僚に自慢するんだろうか、看護師さんは速足で部屋から出て行った。
ある記憶の一片がフラッシュバックした。
以前ハヤトを会社の玄関で待っていた日だった。
会社のエントランスから二人の女性が出てきて、たまたま会話が聞こえてしまった。
「加賀美社長、恋人とかいないのかしら」
「どうなんだろね~」
「でも以前恋人がいるって言ってたような…?」
「え~?!絶対美女じゃん!加賀美社長の恋人とか、羨まー」
「一生お金に困ることなく、幸せでしょうねえ」
「人生勝ち組よね」
聞いているのが嫌になって見ていたスマホをポケットに突っ込んで、場所を変えよう思った。
そこに来たのはハヤトだった。
「夢追さんっ!お待たせしました」
「っ!ハヤト!」
さりげなく僕の手を握って微笑んだ。
ハヤトは手を絡めてようとしていた。
いつもは僕からだったから、珍しくて嬉しかった。
けど近くにさっきの女性が近くにいるから、振りほどこうとした。
でも、それでも、ハヤトは僕の手を離さなかった。
僕はハヤトに甘えていた。
ハヤトは世界でも有名な大企業の社長で、僕は売れないミュージシャン。
それに男同士。
やっぱり______。
「…夢追さん?」
ずっと言おうとして、あとちょっとって所なのに喉につっかえて出なかった。
言う勇気が無くて、自覚したくなくて言えなかった。
毎日もどかしくて、怖くて、悲しくて仕方がなかった。
でもずっと言おうとしていたことを言う決心が出来た。
「僕が死んでも、…ハヤトにはすぐに良い恋人が出来るよ」
君は隠しているんだろうが、現実が知らしめてくる。
日に日に落ちていく体力や食力。やつれていく体。
ペンを数分握れば手が痺れて、手に力が入んなくて。
身体の至る所が痛み出して、日によっては全く動けなくなるし、ずっとお腹の中がグルグルと回っているようで吐きそうになる時もある。
あぁ、きっと僕は死ぬんだなって。
「…夢追さん?何言ってるんですか?」
「隠さなくていいよ」
暫くの沈黙が続いた。
抱きしめていて君の顔は見えない。
どんな顔をしているんだろう。
ハヤトの胸が不規則に震え、嗚咽が聞こえる。
「…ゆめ、ぃさっ」
「うん」
「ゆめおぃさんっ」
「うん」
「夢追さんっ」
何度も僕の名前を呼んでくれた。
「うん」
僕は何度も相槌を打った。
「ね、ハヤト、顔見たい」
抱きしめる手を緩める。
するとギシギシとベッドが軋みながらもハヤトは僕の方を向いてくれた。
目の周りは真っ赤に腫れていてまだ涙は止まってない。
いつもの格好良い君ではなく、まるで小さな子供のようだ。
僕は抱きしめていただけで疲れてしまって、後ろの枕に体を預けていた。
「ゆめおいさん、一人にしないで」
君はあの日のように僕に手を絡めた。
暖かい手。
「幽霊になってもずっとハヤトの隣にいるからね」
安心させようと笑顔を浮かべても、彼にとっては泣いてしまう材料になってしまい、更に泣かせてしまった。
「そういうことじゃッ、そういうことじゃないですっ」
わざと意地悪なことを言ってみる。
優しい君はどんな意地悪でも、
笑ってくれた。
焦ってくれた。
恥ずかしがってくれた。
楽しんでくれた。
「じゃあ、どういうこと?」
「……死なないでッくださいっ」
「ごめんね」
なんとも言えない。
まだ死なないかも知れないし、明日死ぬかも知れない。
余命宣告なんてただの目安でしかない。
「ごめんね、ハヤト」
僕からも手を絡ませる。
ハヤトは何か意を決したのか、僕の顔をしっかりと捉えた。
「夢追さんの病気は膵臓癌。そして癌が身体中に転移していて、余命が…約五ヶ月だそうです」
最後らへんの話はよく聞いていなかった。
後悔の無いようにハヤトの格好良い横顔と潤んだ瞳をずっと見ていたかったから。
だが予想通り、僕はもうすぐ死ぬらしい。
どうしようか遺書でも残そうかな。
対して相続するお金はあまり無いのだが、揃えた少し高めのマイクなどの物は沢山ある。
これを期にハヤトに曲を作ろうか。
取り敢えずハヤトに伝えたいこと、遺言を書き綴ろうと思った。
最初はどのように書き始めようか。
「ハヤトへ」は無難過ぎるか。
「親愛なる人へ」はロマンチストみたいかな。
「愛しのハヤトへ」は少し恥ずかしいかも。
数分考えたが何も思い付かない。
…一旦名前は置いといて、中身書いちゃおう。
また何から書き始めるのか、迷ってしまった。
記憶を思い出してみると、デートの時や初めてシたの時が鮮明に浮かび上がってくる。
ハヤトの前では泣かなかったのに。
全然平気だったのに、彼が居なくなった途端不安に押し潰されそうになる。
彼から離れたくない。彼の隣を譲りたくない。
死にたくない。
「…やっぱ死ぬの怖いなぁ」
くしゃりと目の前が滲む。
暗く寂しい病室で嗚咽が響いた。
滴る水を拭いたくても僕にはもう力が残っていなくて、ただひたすら乾くのを待った。
「夢追さんッ!」
身体中が痛い。
息が出来なくて苦しい。
目の前がどんどん霧にかかっていくようで、ハヤトの顔が見えなくなってきた。
手足の感覚が無くなって、体が冷たくなっていく。
「夢追さんっ」
ハヤトが手を握ってくれた。
相変わらず君は僕の手に絡める。
やはり君の手はあったかい。
はくはくと口が動く。
あれ、上手く喋れない。
周りでお医者さん達が急いでる。
とうとう時が着てしまったんだ。
まだハヤトと話したい事が沢山あったのに、時間というものは残酷であっという間に過ぎてしまった。
結局曲も作れず仕舞いだ。
まだ、死にたくない。
生きていたい。
僕のほっぺに大粒の涙が零れた。
「泣かないで」その五文字を伝えたいのにもう喋れる力も残ってない。
生暖かくて、その涙は伝って僕の口に流れた。ほんのりと甘い。乾燥していた口が少し湿った。
どうか神様。
あとほんの少しだけで良いから力を貸して下さい。
心臓よ、動け。
空気を沢山吸い込んだ。
過呼吸混じりだし小さな声だったから君に伝えれたかは分からない。
「_だいすき」
痛みと不規則な電子音が消えた。
_僕の恋人へ
これを君が読んでるってことは、もう僕は死んでるか。
最後に言いたい事が三つあります。
一つ目、僕の家にあるマイクとか全部貰ってくれないかな。僕にとって二番に大切な物だから君に持っててほしい。勿論一番は君だよ!どっかに売り飛ばされるぐらいなら僕が壊しに行くから。
二つ目、君にはすぐに良い人が見つかるって言ったけど、実は新しい恋人は作らないで欲しい。僕だけの君であって欲しくて。僕の勝手な我が儘だし、君の立場的に無理かもだけど。もし無理だったとしても絶対に僕の事忘れないでくれないかな。
三つ目、最後まで僕の意地悪に付き合ってくれてありがとう。とびっきり幸せになってね。ハヤトが僕の恋人で良かった。
夢の中で会いに行くからね。
またね。
__夢追翔
コメント
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_____。の所は『釣り合わない』です