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「貴方が女の子でよかった。」
これは両親の口癖。僕は女の子の振りをして生きている。両親を悲しませないために。僕は自分を壊してまでも貴方達に愛されたいから。貴方達もきっと愛してくれるよね。
僕は倉橋凛。女の子の振りをした、高校1年生。今日も学校へ行く。
「おはよ!」
元気な声で挨拶をしてきたのは、同級生の長谷川莉央。元気で明るいクラスのムードメーカーだ。僕とは大違い。僕も挨拶を返した。その後は一緒に学校へ行った。クラスに入ってみると、空気が重く感じた。僕の近くの席のやつに聞いてみた。
「何かあったのか?」
「春野が自殺した。」
「は?」
理解が追いつかなかった。なんだって?春野が自殺?そんなわけないでしょ?春野、下の名前は優希。クラスの面白担当だ。頭が空っぽのままで、支度を済ませた。担任の先生が入ってきて、朝のホームルームが始まった。ホームルームが終わりかけの所、莉央が先生に質問した。
「先生、優希はどうして居ないんですか? 」
クラスメイト全員が気になっていたこと。先生は、一呼吸おいて答えた。
「ここだけの話、家族との関係で亡くなったらしい。」
優希の家は金持ちの資産家で、何か良くない事があれば、金で揉み消せる財力を持っている。自殺なんて話は嘘だったのだ。
「恐ろしい話…」
クラスの女子が言った。先生はそのまま授業を始めた。クラスの空気は重いままだった。