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琴寧
織田信長は興味深そうに言う。
「武田信廉と申したか」
「話はわかった」
「だが――実力を見てみたい」
「絵を描いてみせよ」
武田信廉は何も言わず、一枚の絵を差し出す。
それは――
甲斐周辺の地図。
そして、一頭の虎が甲斐から今川へと襲いかかる構図であった。
信長は目を細める。
「……君の兄上……武田信玄は、今川を裏切るつもりか」
「弱った途端これとは……相変わらずだね」
信廉は苦笑する。
「ええ……まだ動いてはいませんが」
「ぶっちゃけ、もうついていけなくて……」
「信繁の兄上も川中島で亡くなりましたし……😇」
少し間を置いて、続ける。
「その時、思い出したんです」
「面白い瓦版があることを」
織田信長は思わず唸る。
「……しかし見事な絵図だ」
「気に入った!!」
信長は笑みを浮かべる。
「指定した期日さえ守って絵を描いてくれれば――」
「あとは好きに過ごしてもらって構わぬ」
「お駄賃も出そう」
「一緒に儲けようぜ~」
武田信廉は目を輝かせる。
「……✨」
「もちろんです!!よろしくお願いいたします!!」
武田信玄は呆然とする。
「……え?」
「本当に織田に行ってしまったのか……?」
しばし沈黙。
「しかも……バレておる……😭」
そう――史実とは大きく、この世界は変わっていた。
……いや、違う。
織田信長が、拾阿弥に謝罪を促した――
あの時点で、すでに変わっていたのだ。
ほんの僅かな選択。
だがそれは、確かに“分岐”だった。
そして今。
その歪みは、ゆっくりと――しかし確実に広がっていく。
ここから先は、もはや誰も知らぬ歴史。
世界は、大きく変わっていくのだった。
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