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人より少し違う家庭環境で他の人より大変だったけど、それでも幸せだったんだ。
そんな少しの幸せは一瞬にして水に流れていってしまった。
人を愛することを、人を好きになるということををすっかり忘れて生きていた。
そんな中、出会ったあなたに私は13年ぶりにその感情を思い出した。
これは人を愛したことを忘れて生きていた、恋を知らない、私が初めて恋を知る話。
「え、私なんかでいいんですか」
それは私に来たとても嬉しい知らせだった。
「うん、ゲームしてて楽しかったし、他のメンバーの許可ももらってるしね」
そう言う彼女は、さくまゆさん。4か月位前に知り合って、今はたまにゲームをする仲だ。
彼女は、さくまゆゲーム(通称さくえむ)という実況者グループのリーダーをやっている。そんな彼女にさくえむに入って欲しいといわれたのである。
「お誘いは嬉しいんですけどなんで私を入れようってなったんですか」
「それは前コラボしたときに一緒の遊んでて楽しかったからだよ」
「それ以外になんか理由ありますか」
「・・・それ以外は特にない!」
私はため息をついた。
「そんな軽いノリで私をさくえむに入れてもいいんですか」
少し呆れながら、私は聞いた。
「うん、というか途中加入した他のメンバーもゲームしてて楽しかったから入れたんだよ」
私は、驚いた。この人には警戒心と言うものがないのだろうか。
「まあ、そあちゃんが入りたくないなら全然断ってくれてもいいけど、そあちゃんとゲームして楽しかったし、もっと遊びたいなと思ったから今回声をかけたんだ。タイミングももうすぐ春のさくえむ祭りだしちょうど新メンが入るには良い時期だしね。」
「だからよかったら入って欲しい」
本当に良いのだろうか。私が新しく入って批判されたりしないだろうか。
「・・・少し考えさせてください。1週間後には答えを出します」
んじゃ、考えといてね、といってさくまゆさんは通話を切った。
それから、1週間後私はまたさくまゆさんと通話していた。
「それでどう?うちに入る話考えてくれた?」
「はい、思いは固まりました」
この1週間、さくえむのことをたくさん考えた。初めてコラボしたとき、自分もみんなとゲームしてとても楽しかった、というのを思い出した。新しい環境は少し怖いけど、この人たちは悪い人ではないと思う。
だからー
「さくえむに入ってもいいですか」
少し新しい環境に踏み出してみよう。