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すれ違いの二人 ― 後悔と祈り
きんとき視点
病室には消毒液の匂いと、機械の無機質な音だけが響いていた。
白いシーツに横たわるBroooockの顔は、あまりにも静かで、眠っているようにすら見えた。
きんときはベッドのそばに座り込み、両手で顔を覆った。
「……俺のせいだ」
脳裏に浮かぶのは、最後にぶつけてしまった言葉。
――“お前のやり方ばっかり通してたら、俺の存在意味ないだろ!”
あの一言さえ言わなければ。
あの時、ちゃんと笑って「一緒にやろう」って言えていたら。
後悔は何度繰り返しても消えず、胸を締め付けた。
夜が明けても、きんときは病室を離れなかった。
食事もまともに取らず、眠気に負けても椅子の上で浅くうたた寝を繰り返すだけ。
Broooockの手を握りしめ、声をかけ続ける。
「なぁ……俺、ほんとはBroooockがいてくれるから頑張れるんだ。
だから、目を開けてくれよ。俺ひとりじゃダメなんだよ」
声は震え、涙がぽつりと落ちる。
看護師に「少し休んでください」と何度も言われたが、きんときは首を振った。
「……Broooockが目を覚ますまで、俺がそばにいないとダメなんです」
その必死さに、周囲も言葉を失った。
窓の外で夜が深まり、再び静寂が訪れる。
きんときはBroooockの手を握りしめたまま、小さく呟いた。
「頼むから……帰ってきてくれよ…」
規則的な機械音が、静かな病室に響き続けていた。