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#ちゃのざき
かわそ🍼💙 ☁️💫
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「、、え、?、じゅう、?」
彼の驚きと戸惑いが混ざった声に、僕はハッとして、慌てて彼から身体を離した。
自分が衝動的にとった行動に戸惑いながらも、どうしても彼から目を離すことができない。
―もっと、触れていたいなんて思ってしまう。
「、、、あかんで、?そんな顔、、今見せるんわ、、」
低く、いつもと違う彼の声色。
その響きに身を竦ませながらも、僕は呪縛に囚われたように目を逸らせないでいた。
彼は勢いよく立ち上がると、僕の手を引いて浴室を出た。
近くにあったバスタオルを大雑把に掴み、そのまま僕の身体を優しく包み込む。
彼は自分の身体に滴る水滴を雑に拭い取ると、ふたたび僕の手を引いてベッドへと誘導し、抵抗する隙も与えないまま、僕をそのまま押し倒した。
「!?、、ちょっと、しゅん!!?」
驚きで声を裏返らせる僕を、しゅんは上から覗き込む。
「、、ん?いやなら逃げてええんやで?」
意地悪なようで、どこか必死な彼の問いかけ。
―別に、逃げたいわけじゃない。
逃げるつもりなんて、最初からないんだ。
だって、僕だって、本当は彼に触れたい。
でも、壊れてしまいそうなほど心臓がうるさくて、言葉が喉に引っかかったまま動けなかった。
もう心臓が口から出てきそうだった。
「、、ふーん…逃げないんやね?」
答える代わりに、僕はきゅっと目を閉じる。
「なぁ…なんも言わんってことは、そういうことやんな?」
彼の熱っぽい眼差しにあてられて、思考が完全に融解していく。
「なぁ、、、そんなん顔されたら、、俺、、、止められへんよ?」
「、、いい、から…」
自分でも何を言っているのかわからない。
だけど、理屈じゃなく、ただ彼に触れたいと本能が叫んでいた。
「はぁ…どこで覚えたん?、、そんな煽り、」
いつもの優しい彼とは違っていた。
呼吸は荒く、僕を見下ろす瞳は獣のようにぎらついている。
彼の手が僕の髪をそっとかき上げ、顔がすぐ近くまで迫る。
露になった僕の額に、彼の熱い唇が触れた。
あんなにぎらついた目をしているのに、僕に触れる指先はとてつもなく優しい。
ところが次の瞬間、彼の動きがピタッと止まった。
そして大きなため息と共に、「ごめん」と消えそうな声で呟いた。
どうしたのだろうと、僕は不思議に思って顔を上げる。
「、はぁーー、じゅう…ごめん…、」
「、、え?」
さっきまでの熱情はどこへ行ったのか、一変して、苦しそうな、今にも崩れそうな表情を彼は浮かべていた。
「こんな…流されたらあかんやろ…」
―流されている気もする。
でも、僕だってもう、その気だったのに。
「俺はな…じゅうの事、ずーっと好きやったんよ。高校生の時から。屋上で俺の事を救ってくれた時から。…もう10年やで?」
告白の重さに息を呑む僕を、彼はそっと起こして座らせた。
そして新しい浴衣を手際よく取り出し、僕の身体を優しく包み込んでいく。
「もうさ、、全然待てるから、。俺なんかに流されて…こんな事せんで?自分を大切にして」
浴衣の帯を整える彼の指先が、微かに震えていた。
「いくらでも待てるから。考えた結果がどうであれ、俺の気持ちは変わらんから…。な?自分を大切にして。ほんまに…。ごめんな…」
最後にそう言い残して、彼は僕に背を向けた。
静かに部屋を出ていこうとする彼の広い背中を、僕はただ、引き留める言葉も見つけられないまま目で追うことしかできなかった。
え、、?
これは自分を大事にしてないってことになるの?
流されているか、流されていないかで言えば、流されているのかもしれない。
でも、僕だってもっと……もっと彼に……。
わかんない。
でも、このまま行かせちゃ駄目だ。
「っ…待って!、、」
僕は離れて行こうとする彼の手を掴んで、必死に繋ぎとめた。
「俺は、、俺は、しゅんにもっと触れたい…」
「、え?」
彼の足が止まる。
僕はその隙に、心臓の音を怒鳴りつけるように言葉をまくし立てた。
「だから、俺はしゅんに触れたいと思ってるし、触れてほしいとも思ってんの! それにさっきだって…寝てる時、しゅんに好きって言われて…びっくりしたけど、すごく嬉しかった。、、、あんなに愛おしそうに、さ…?」
勢いに任せて、酔って寝てしまったはずの僕に彼が注いでくれた、あの秘密の告白。
それを全部、狸寝入りで聞いていたことを自ら暴露してしまった。
「え、待って…? それって、じゅうが酔って寝てた時の事やんなぁ、、?」
僕は気まずさに耐えながら、コクリと頷く。
「え……?起きてたん…?」
「あ…あの…ごめん、起きてるって言うタイミング逃がしちゃって」
「、、えぇー!?、嘘やん…じゅう、ほんまにごめんな? あんな、、寝込みを襲うような真似して。ほんま最低やんな、俺…」
じわじわと顔を真っ赤にして勝手に絶望し始めた彼に、僕は痺れを切らして叫んだ。
「だから、嬉しかったっていってんじゃん!!」
「は?」
「さっきから言ってる!!!」
「いや、え?」
「だから!俺はしゅんに触れたいの!!キスだって嬉しかったの!!!」
「……は?うそやん」
どこまでもヘタレで鈍感な彼に、僕の限界が来た。
「あぁーーーもうっ!!知らない!!!!」
勢いよく手を引いて引き戻し、油断しきった彼の頬に、意地になって唇を押し当てた。
「……え?」
完全にフリーズした彼を見上げ、胸の奥にある熱い塊をすべて言葉にしてぶつける。
「だから…もう! 俺の、しゅんに触れたいとか、触れてほしいとか、一緒にいると安心するとか、離れたくないとか、……誰にも取られたくないっていうこの気持ちは、なに?」
彼は目をパチパチさせ、壊れた機械のようにしばらくフリーズした後、ようやく掠れた声を絞り出した。
「いや、一般的には、…好きってことになるんかな、」
「だろ?だから好きなんだって!」
「うん」
「はー??なにその反応」
「は?え…?じゅうが俺を好き?」
「だから、さっきからそう言ってんじゃん!!!」
叫んだ僕の前で、彼は完全に動きを止めた。
「え、まって、じゅうが…?嘘やん…そんなん…」
彼はそう言うと、信じられないものを見たかのように俯いてしまった。
怒らせてしまっただろうかと不安になって、そっと彼の顔を覗き込む。
「、、え…?」
驚いた。
彼は怒るどころか、大きな肩を小さく震わせて、ひとり静かに大粒の涙を流していたのだ。
「しゅん…?」
「じゅう、っ…俺嬉しい……ほんまに、」
泣きじゃくりながら、彼はさっきの遠慮が嘘みたいに、まるで子供のように僕に強く抱き着いてきた。
10年分の彼の重みと、背中に回された腕の強さ。
胸いっぱいに広がる彼の体温を感じながら、僕は彼の濡れた髪の隙間から覗く耳の赤さを見て、心から、
――愛おしい。
そう、思った。
to be continued…..
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