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若き覇王に、甘くときめく恋を

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若き覇王に、甘くときめく恋を

72 - 第三章 ときめきの甘い恋を、あなたに EP.3「突然の雨に見舞われて」⑦

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2025年02月10日

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「ど、どうって……」


なんて答えればいいのかおぼつかないでいると、


「……彩花、もっとそばに……」


片腕に腰がぐっと抱き寄せられ、耳元へ密めた声で囁やきかけられた。


「私を、見てくれないのか?」


羞恥心に駆られ、うつむけた顎の先が上向かせられる。


「こんなにも私は、君を欲していて……」


彼の端正な顔が目の前に迫り、抑えがたい熱情に掻き立てられた性急な唇が、一意に押し当てられると、体中を痺れるような感覚が襲った。


「……うん、あっ……」


濡れて温かな舌が、口を開けるよう促し下唇を緩くなぞる。


ひらいた唇の隙間から入り込んだ舌が、戸惑いに引きかける私の舌を絡め取る。


こんなのって、ずるい……。


自分から仕掛けるはずだったのが、いつの間にかまた惹きまれて、ただされるがままに感じさせられてしまっていた。


「貴仁さ……ん」


息を継ぐ間に、切れ切れに呼びかけると、


彼が唇を離して、私の頬を両手の平にふっと包み込んだ。


「せっかく汗を流してきたのだから、ここまでにしておこうか」


二度までも、やっぱり私への気づかいの方を優先する彼に、


「……嫌、もう少し、して……」


思い切って腕を伸ばし、その身体にギュッと強く抱きついた。


不意をつかれて、彼が「……んっ⁉」と、驚いたような声を放つ。


「……もっと、していて……」


このまま後には引けない思いで、そう責め寄ると、


「……はぁ、あっ、ダメだ……」


彼の口からにわかに荒い息づかいが漏れて、喉元が喘ぐように波を打った。


「……私だけじゃなく、あなたにも感じてほしいの」


大胆な言葉とは裏腹にわずかに震える手を、下半身へ差し伸ばすと、


「……そこ、は……」


ビクッと身悶えた彼が、寝返りを打ち、手から逃れようとした。


若き覇王に、甘くときめく恋を

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