そう。それはまるで
太陽から溢れる眩い光に包まれて
溶けて仕舞いそうな程の猛暑だったあの夏の事だった。
何時も通りコンピュータを起動して
株式の動向をチェックし睡りに付く
のだが生憎目が冴えてしまってどうしようもない為。
ふと気晴らしに散歩に行ったのだ
其処で、始めて彼を見た。
それは、夜が更けた丑満時の事だった。
まるで蝶が舞い遊ぶ様にふらりと現れた彼は、この世で一番美しかった。
月光を反射しミルク色に煌めく白銀は
この世のどんな宝石よりも美しく
白と黒だけだった世界に光が指した、そんな錯覚を起こしてしまった。
この世のすべてが彼に惹き込まれてゆく、、、
「おや、
君みたいな小さい子がこんな時間にどうしたんだい?」
「寝付けなかったので少し散歩に来ました。」
「、、、、、、そう。
どうせ一晩限りの縁だ、良かったら、僕の話を聴いてくれないかい?」
少年である僕に理解出来ないとでもおもったのだろうか、
彼はゆっくり口を開いた
「ええ、夜は永いですから、」
逢えるだけで良かった筈なのに、
嗚呼、どうか、此の彼に愛されたい。
僕はそう願ってしまった
だからこの提案を呑んだ
「どっから、話せばいいのかなぁ、
僕ね、母さんの彼氏に、犯されてるんだ。
でもね、愉しかったんだ。大好きな彼氏もいて青春できて
、、、、彼氏君はこんな僕を認めてくれて心配してくれて、
でもね、彼氏君は僕との行為の動画をネットに上げて、売り飛ばしてたんだ。
でも、セックスされられるときにおクスリを無理矢理飲まされちゃってたから、
もう、セックスするしか無いんだ、ほら、」
彼は、震えて震えて仕方が無い腕をもう片方の腕で抑えてみせた。しかし、まだ震えて居る其れは真艫に物も掴めないだろう
「しねないんだ、、、ナイフも持てないし、
どうしようもないんだ、ほんとうに、だれか、ころしてほしいよ、
きもちわるい、きもちわるいよぉ、、、、
セックスしか薬物摂取しか、楽しくないぼくが、
男を求め浅ましく腰を振る自分が、きらい、だいきらい、しんじゃえ、、、、だれか、ころして、」
進む事も戻る事も出来ず、舞台に立たされ続けている彼は
クリームの様に真っ白な顔を苺のように真っ赤にして泣きじゃくった
「、、、、、、、、僕が今の貴方を殺したら、貴方は僕を愛してくれますか?」
その問い掛けに彼はゆっくり此方を向いて微笑んだ
「あは、は、は、、幸せだなぁ!!!」
あれから約十年後、
彼は僕が脳髄の一部を切断して、幸せ以外感じなくなりました。
殴られても犯されても彼のあいしている”誰か”の事しか考えず、ずっと笑っていた、なんて、
僕達は、愛し合っているのに、此れが正しい筈なのに、何でこんなに、苦しいのだろう
「僕がもっと幸せにしてあげますから」
激しく藻掻いていた彼も首を閉めれば、すぐに大人しくなった、
何でもっと早く気づかなかったのだろう。
こうする事で永遠に自分の物に出来るのに、
それでも君は、笑っていた
コメント
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あ、、、もう…こういう話大好きです…🤦♀️🤦♀️えろも暗い話も書けるなんて天才じゃないですか!!!ほんっと尊敬してます…!!!毎度ありがとうございます…!!