注意事項
・fwak
・fw→大学2年 ak→大学1年
・吃音症に触れてます
fw→「」 ak→『』 モブ→【】
Fw視点
「んはは、ありがと〜」
大学での俺はいつも周りに人がいた
見た目だけで近づいてくる奴ばっかりで
適当に笑顔を振りまいて会話をする
目標とかやりたいことなんてないし
こんなちゃらんぽらんな大学生活に
正直嫌気がさしていた
実を言うと普通の大学生ではない
夜はこっそりホストとして働いている
学費を自分で払わないといけなくて
睡眠時間を削るような毎日だった
今日はいつもより早く帰れて
まだ辺りは暗い時間
それでも足はフラフラで
家に帰ったらすぐ寝ようと
エナドリを片手に歩いていた
その時
『〜♪〜〜〜♪』
どこからか歌声が聞こえた
(こんな時間に…….幽霊か?)
なんてアホなこと考えながら
俺は足音を立てないように
ゆっくりと声の聞こえる方に向かう
『もしも願いが叶うと言うなら
そのままの僕を愛してほしい〜〜』
声の感じからして、男性の声
あまりにも綺麗な歌声に
しばらく聞き入っていた
すると歌声の主が俺の視界に入る
夜風になびくふわふわとした髪
少し覗かせている赤メッシュ
想像よりも若くて歳が近い気がする
その瞬間、手からエナドリを落としてしまった
(…….やべ)
その音に気づいて振り返った君は
宝石みたいに綺麗な瞳をもっていた
「ご、ごめん決して悪気は」
すると君の顔はみるみる赤くなり
その場から逃げるように去っていった
「!!ちょ待………….」
(まじか…….猫みたいや)
もう二度と会えないと思うと
なんだか名残惜しくてモヤモヤした
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
次の日
昨日の出来事がずっと頭にあって
あまり寝れた気がしない
授業をぼーっと聞きながら
ふと窓の外を見た
「!?あっ」
そこにいたのは歌を歌ってた君
授業なんてそっちのけで部屋から飛び出る
俺らしくもないほどに胸が高鳴っていた
いつもの日常に光が射したような気分だ
「ねえ!!」
『!?びっ…….くりしたぁ』
また会ってしまったとでも言わんばかりに
驚きと動揺の表情を浮かべている
その様子に思わず笑みがこぼれた
「名前教えて?」
『急すぎない?…….さ、三枝明那、です』
「ええ名前やな!!
俺は不破湊、好きなように呼んでなっ」
『わ、わかった?』
また出会えただけで奇跡なのに
名前まで知ることができた
俺の大学生活も捨てたもんじゃないな
【ちょっと急にどこ行ってたの〜?】
【えなに、顔ニヤけすぎだろ】
「んえ? そうかな」
この時の俺はこの感情が何か知らなかった
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
Ak視点
物心ついた時から吃音症だった
この喋り方のおかげで
人生のハードルは最初から高かったけど
それなりに楽しんでたと思う
俺は症状が軽いほうだから
次に喋る言葉を入れ替えたりして
どもらないように頭フル回転してる
まあ普段ポジティブな俺でも
精神まいってる時はあるわけで
そんな日は吃音も酷くなる
“不破湊”
たまに見かける大学の先輩
いつも周りには人がいて
誰からも愛されてるような人
俺は密かに憧れをもっていた
あんな風になりたい
彼のように振る舞えたら
どんなに楽しいだろうと思った
でも、きっと俺には一生できない
その日も気分が上がらなくて
公園で少し夜風に当たっていた
歌は好きだ
発する言葉は決まってるし
本当の自分を表せてるような
自由になれる時間だから
まさか聞かれてるとは思ってなかった
しかもなんと知ってる人
偶然か必然かは知らんけど
こっちからしたらどんな状況って感じよ
その時の俺は逃げるしか手段がなかった
憧れの人に思わぬ形で知られることになって
恥ずいし気まずさもあるのは事実
この先どんな大学生活が待ってるのか
一つ言えるのは、はちゃめちゃだ
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
はじめてのこの2人!!
書くの楽しみにしてた最高大好き
口調にどれだけ耐えられるか次第です
続く⬇️
コメント
3件
すごく好きです。フォロー失礼だします🙌