※モブしか出てきません
※【敬愛・賞賛】の続きみたいで続きじゃないもの
※「ムリキモイ」と思った方はすぐにプラウザバックしてください(笑)
* * * * * * * * *
上司に呼び出され何事かと会議室に入れば、直属の上司と現在所属しているチームのチーフマネージャーがいた。
「君は来月から別チームに異動になりました。」
「え?!」
上司に言われ目が点となる。
「いきなりどういうことですか?!」
冗談じゃない!
ずっと異動願いを出していたチームに、半年前やっと配属になったばかりだというのに!
「入る前に説明しましたよね?今いるところはスタッフの出入りが激しいチームだと。」
「そ、それは新人に激務を経験させるための研修場所のようなものだからだと・・・。」
俺はこの会社に中途で入って三年目。
会社では新人の部類だろうが、業界自体は長い。
上司もそのことは知っているはずだ。
「ここは会社であり大学のサークルではありません。個々の能力、勤務態度、その他諸々考慮して配属先を決定しています。」
「納得いきません!現在のチームには能力が認められて配属されたのではないのですか?!」
やっと入れた憧れのチーム
配属が決定になった時はまるで
ライブの最前列チケットが当選したかのように
一瞬心臓が止まったのちに大声で叫びそうになった
大森さんと一緒に仕事ができる!
大森さんと同じ空間にいれる!
認知されずとも一緒に働けるならそれでいい!!
同じ空気を吸えるなら馬車馬のごとく働こう!!
神のために粉骨砕身して役に立とう!!
そう誓ったのに
上司と一緒に居たチーフマネージャーは静かに宣言した。
「半年間の研修、お疲れさまでした。」
チーフマネージャーに言われてから、自分がどうしていたのか分からない。
気付いた時には自宅の狭いアパートにいて、力なく座っていた。
目の前には壁に貼った大森さんの等身大ポスター。
あまりにも神々しく素晴らしかったので以前こっそり会社から持ち帰った。
毎日朝と夜に拝んでは色んな妄想を繰り広げていた。
どうしてだろう
何が間違っていたのだろう
どこで間違えてしまったのだろう
これからどうしたらいいのだろう
ラインの着信音が響く。
何とはなしにスマホを見てみると、以前働いてた制作会社の元同僚からのラインだった。
『元気?知り合いに聞いたんだけど、例のチームに入ったんだって?すごいじゃん!』
なんて皮肉なことだ。
そのチームから解雇された日にラインが来るなんて。
『そういえばVo.の前でGt.とKb.の悪口言うなよ?』
悪口・・・。
そういえば数日前、他のスタッフと一緒に藤澤さんの悪口というか・・・ちょっとしたことを話したような気がする。元同僚のラインが気になって返信してみた。
『久しぶり。大森さんの前で悪口言うわけないだろ。なんだよいきなり』
『下請けにしてた小さい制作会社がGt.Kb.の悪口言ったのをVo.が聞いたらしくて、お前のところのチームから取引しない旨のNG出されたって話を聞いてさ。知らない?』
『俺は下っ端だからそういう話は降りてこないかも』
『そっか。しかもその制作会社を使ってるところも使わないらしいから、みんな慌ててその制作会社から手を引いてるって。今年中に不渡り出るかもって噂。』
ビジネスライクで仲良しは演技とよく噂されているチームだが
本当に仲がいいというのはスタッフだからこそ知っている
「そうか・・・。俺は神の逆鱗に触れてしまったのか・・・。」
子供が遊び感覚で虫を殺すように
自分の気に入らない相手には容赦がない
「素晴らしい!!流石大森さん!!」
ポスターの前に跪き、その冷たい足の先にキスをする。
あぁ、やはりあなたは俺の理想の人
爪先:崇拝