テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
1,045
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ーーーーー
※nmmnです。
※実在する人物の名前を借りておりますが、現実とは一切関係ありません。
※妄想の世界でありフィクションです。
※作品を無断で転載したり、真似や抜粋などして投稿することはお断りしています。
※snsなど多くの人の目の届く所で感想を言ったり、作品について話すことは断固お断りしています。
※問題であれば消します。
ーーーーー
学校に着くと、その男の子はいつも通りいじめを受けていた。
同級生の間では、「男が好きらしい」という噂で。
それだけで悪口を言われ、暴力を振られ、下駄箱には南京錠を掛けられることもある。
彼の名前はusと言うらしい。
us「ふぅ…ふぅ…」
激しく腹を蹴られたのだろう。
必死に肺で呼吸して、必死にお腹を抑えて。
彼の行動に、少し前の俺と姿が被った。
俺は男が大好きだ。
キスやハグ、そういう行為も男としたい。
女の子に恋愛感情を抱かないから。
だからよく「キツイ」とか「男のくせに」とか言われるんだと思うけど。
でも、俺はそういう男の子にしか興味が無い。
誰にも理解してもらえないことなんて分かってる。
俺だって、中学時代は彼と同じ理由で虐められた事がある。
その度に、俺の人としての人格や一人の人権、尊厳がどんどんすり減っていくようで辛かった。
家族や親友、信頼できる人にも相談することなんて出来ない。
だから俺は高校ではゲイを隠している。
男っぽい服装、どこか不器用な手捌き、スポーツ運動好きを演じて誤魔化している。
本当はこんなの、趣味でも特技でもない。
だけど、彼が俺のことを好きになってもらいたかったから。
gt「大丈夫?」
一声言うと、彼は取り繕うように視線を泳がせた。
俺は彼の心の内がよぉく分かる。
彼が前よりも弱くなって出来た心の隙間に、蛇のようにスルスルと付け入った。
us「あ…ぁ…」
表情は変わらない。ただ、頬に差した熱だけが動揺を物語っていた。
俺はずっと前から知っていた。
彼が俺のことを好きってことを。
gt「俺のこと、授業中も帰り道もずっと見てたでしょ?」
小さく微笑んで、彼のサラサラな髪にそっと触れる。
gt「答えてよ」
gt「俺のこと、どう思ってる?」
彼とはただの友達だ。
休み時間に話したり、くだらない事で笑ったりする仲のいい関係。
いじめが終わると、俺は知らんぷりをして彼に寄り添う。
本当はいじめの主犯人だって知ってるし、証拠の音声だって録音することも出来る。
でも、俺はそんなことはしない。というか、したくない。
こうしたら、いつでも彼を独り占め出来るから。
us「す…好き…」
us「ずっと…gtさんの事が…好きだった」
言葉を探すように一瞬だけ視線を伏せ、そっと彼に抱き寄せた。
彼は驚いたように息を飲んだが、逃げることはせず、やがて涙を流して小さく力を抜いた。
俺自身がいじめを受けていたから。
だからこそ、彼の姿をもっともっと眺めていたい。
俺は男が好きなんじゃない。
俺よりも闇を抱えた、醜くて哀れな姿をした男が好きなんだ。