⚠侑と治が他人
⚠最終的に治が怖い
侑視点
─登校中─
稲荷崎高校の朝は早い。運動部はどこも朝練があるし、文武両道をモットーに掲げる学校なので、勉強に熱中する生徒も数知れず。
「ふぁ、ぁ…」
まだ朝は少し冷える季節。朝から元気に騒ぐ生徒を横目に見ながら登校するのがもはやルーティーン化していた。俺なんてまだ半分寝ている状態なのに。
「侑!」
後方から俺の名を呼ぶ声が聞こえ、振り返る。
「治」
「おはようさん」
「はよ…ふぁ..(欠伸」
「眠そおやな(笑」
「みんなが元気すぎるだけやねん」
そおやな、って言ってからおにぎりにかぶりつく治。本当に思っとるんか。
家から学校まで徒歩10分。走ればすぐだし、ちょうどいい距離だと思っている。
治と他愛もない話をしながら学校へ向かえばすぐ着く。ほら、もう校門が見えてきた。
(ねむ…)
「おはようございます!」
威勢のいいあいさつが響く。係の人が制服点検と兼ねて登校してくる生徒にあいさつをするのが決まりになっている。
朝からめんどそうやな、なんてまだ錯覚しきっていないぽやぽやした頭で考える。
昇降口をくぐれば、一気に人が多くなる。登校してきた生徒が1箇所に集まるものだから、それはもう凄い数で。
通勤ラッシュならぬ登校ラッシュだ。
なんとか自分の下駄箱までたどり着き、靴を取り出すため開けると、なにやら真っ白い封筒が入っていた。
(なんやろ、ラブレターか?)
後にも人がつづいていたため、治のもとへ足を進める。
「なんやそれ」
「わからへん、ラブレターやと思うけど」
「中身みてへんの?」
「おん、なんかな…」
手紙自体は何度も貰ったことがあるが、どれも可愛らしい封筒で、宛名と宛先が書いてあった。
その点この手紙は本当になにもない真っ白い封筒なのだ。
「俺が中身見よか?」
「いや、ええよ。俺にくれたやつやし」
少し緊張していたため、封筒は慎重に開かれた。そして、一気に手紙を引き抜く。
「..!」
ずっと見とるで
書かれていたのはその1文だけだった。一瞬恐怖を感じたが、誰かがふざけてやったのだろうと、その思考は切り捨てる。
(あほくさ)
手紙を封筒にさっと仕舞い、近くにあったゴミ箱にぽいっと投げ入れた。
高校生にもなれば、こんなふざけは日常茶飯事だ。気にすることはない。
「…中身なんだったん?」
「別に、ただのイタズラや。気にせんで」
治の表情が一瞬曇った。きっと聞いていることに答えない俺が面白くないんだろう。
「そういえば今日、購買で季節限定のデザート売るらしいで」
「え!絶対食いたい!治、一緒に買い行こや!」
「ええな」
ちゃっかりお昼も一緒に食べる約束までして。これで午前の授業は頑張れるな、なんて呑気なことを考えられるのも今のうちだけだった。
こいつのせいで俺の人生が狂ったと知るのはまだ先の話。
♡500
コメント
7件
なんか、ラブレター送ったの治な気が…ww(多分違うと思うけど笑)新作めちゃくちゃ良すぎる好きすぎる🤩🤩💕てか愛重めになってくん最高なんだが…???もう重くなりすぎてちょうだい☆ 治のせいで侑の人生壊れちゃってくださいこちら側ではもうさいっっっこうなんで!!! 続き待ってマス!!!!!!
あ゛〜良すぎる…新作良すぎる…ッそして何より治がまじ重々そうなの…まじ好き💕💕 ラブレター貰った時のは完全に怒ってるよ(?) どんどん人生狂っちゃってもらって>ᴗ<💕なんならもう監禁まで行っても…(( 続き楽しみ🫶🫶💕
もう早くも続きが見たすぎる!!!え、絶対治が愛重い系の話じゃん!!!そっち系も大好き💕💕愛が重いんだったらじゃんじゃん重くしちゃっt(((殴 次の作品まで待ち切れないかも🙄テスト期間はこれを栄養の糧にして乗り切ります笑 次も楽しみにしてるねん💕