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『双子の名探偵は今日も嗤う』〜謎あるところに闇は生まれる〜
第2章 『不可能な殺人と不可解な死』
〜金に執着する愚か者〜
第4話 狙われた親友
中央の大地 ホテル。
『そういえば…サリナさんはエリナとお店を開くことが夢だったそうですね。』
『え?えぇ、まぁ…叶いませんでしたけど……。』
『残念でしたね…。』
(なに…?凄い他人事みたいじゃない。)
『ら、ラビンさんお仕事の方は順調ですか?確か科学院の研究員をしているとか。』
『えぇ。』
『どんなことしてるんですか?』
『…どうして気になるんですか?』
『え…っ?』
『もしかして、私のこと疑ってますか?』
『っ…!』
凍りつくような冷たい瞳に囚われる。
『もしかして…貴方…が?』
『…クスッ。』
『っ、嫌…っ!!』
グイッ!
腕を掴まれてソファにほおり投げられる。
『痛……っ。』
ググッと両手を上で拘束される。
『知ってしまったのなら殺すしかありません。大丈夫ですよ。ちゃんと…エリナと同じように殺してあげます。』
『いや、いやぁぁ!』
『声を上げても無駄ですよ。』
『この階の人は出払ってますから。』
『っ、誰か、助けて…っ! 』
一方その頃。デビルズパレス。
『ルカス、ベリアン、急いで準備して。早く行かないと次はサリナさんが……っ。』
バタバタと階段を下る。
『お姉ちゃんどこ行くの?』
『百合菜…お仕事よ。ごめんね、いつも。』
『っ……。』
(お姉ちゃんの邪魔はしたくないし子供じゃないから我儘言ったら困らせるのも分かってる。でも……っ。)
私は押し殺して返事をする。
『気を付けてね。お姉ちゃん。』
『…うん。ありがとう。ルカス、ベリアン。』
『『はい。』』
ギィィ…バタンッ。
エントランスの扉が重く閉まる。
『……。』
『主様。俺たちと一緒に屋敷で待ってよう。な?』
『……うん。』
ダッダッダッ…っ。
パカラッパカラッ…っ。
急いで馬車を走らせる。
『お願い…間に合って…っ。』
私は馬車の中で祈る。
デビルズパレス 食堂
『ねぇ、ボスキ。』
『ん?どうした?』
『私お姉ちゃんの重荷になってるのかな。』
『!そんな訳ないだろ…っ。』
『だって、お姉ちゃんは昔から…っ。』
(私に何か隠し事をしてるのは分かってる。
眼帯のことだって教えてくれない。お風呂だって一緒に入ってくれない。双子の妹なのにお姉ちゃんのこと何も知らない…っ。)
『お姉ちゃんのことが分からない…お姉ちゃんは何も教えてくれない…。嫌いなんだ。私の事……っ!』
『主様…。』
『主様。主様達が帰ってきたら2人きりで話してみたらどうですか?』
『ナック…。』
『大丈夫です。優しい主様なら聞いてくれますから。もし2人きりが気まずいのなら我々も同席しますから。』
『ナック…わかった。私、お姉ちゃんと話してみる。』
その希望は光り輝くのか。それとも絶望の幕開けか。それは誰にも分からない――。
中央の大地 ホテル。
『誰か、誰か…っ!』
私は部屋の中を逃げ回る。
『逃げないで下さいよ。余計に苦しいですよ?』
ガチャガチャ……!
出口のドアを開けても開かない。
『なんで…っ?開いて、開いてよ…っ!』
『無駄ですよ。ドアに南京錠を付けましたから。この鍵がない限り開けられません。』
『嫌、嫌…っ。麻里衣さん、助けて…っ!』
『はぁ、はぁ……っ。』
『主様、少し休んでから…』
『そんな暇は無いわ!早く、早くサリナさんの所へ…!』
と、その時劈くような悲鳴がした。
『いやぁぁぁ!!』
『サリナさんの声……急がないと……っ!』
ホテルの中に入り階段をかけ上る。
バタバタ…っ!
ドンドンッ!
『サリナさん!サリナさん!』
ガチャガチャ……!
『開かない…っ。鍵がかかってます…っ。』
『麻里衣さん!?助けて、助けてぇ!』
『…ルカス、ベリアン。離れてて。』
私はドアを思い切り蹴り破る。
ドゴォンッ!
『なっ…!』
『はぁ、はぁ…っ。そこまでです。サリナさん。無事で良かった…。』
『扉を今蹴破ったのか…っ?』
『生憎私は護身術を嗜んでおりまして。これはその一環です。さぁ。』
シュル…。
私は眼帯を解く。
パサッ。
床に落とす。
『謎と闇は全て暴かれました。
さぁ。光の名のもとへ全てを明白に。』
次回
最終話 毒を以て毒を制す
コメント
2件
ありがとうございます姉妹の関係がどっちに向かうのか楽しみです