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ちぐさ視点
教室にあっと一緒に向かった。席が書かれている表を見ると、席が隣だった。とりあえず、あっとと会話した後、その理由を考えてみた。
考えた結果、たまたま席が近かったのか、それとも、どちらかの当主によるものか、それとも・・・
「多分、俺達が・・・」
と独り言を呟いてることに気づいた。あっとも気づいていたようでなんか、少し恥ずかしい。
でも、このまま考えていたら、独り言を呟いていることに誰かが気づきそうで怖い。ので、考えるのを一回辞めた。
入学式が終わって、あっととは別々に帰った。
あっと視点
家に帰り、何もせずに身体に任せて、ベットに向かって飛び込んだ。
久しぶりに幼い頃に一緒に遊んでいたちぐさと会うなんて思いもしなかったし、あのちぐさは、人魚の一族だったのは、夢にも見なかった。
そう考えていると、ノック音が聞こえた。
「コンコン、失礼します。あっと様、ご当主様がお呼びです。」
「分かった。」
ご当主様こと俺の父上に呼ばれたので、ベットからおり、父上がいるところまで行った。
「コンコン失礼します、父上。」
「あっと、人魚の一族の者は、どうだったか?」
「昔遊んでいたちぐさに会ったもので・・・」
なぜか、父上は、怒っているような、悲しいような顔をしていた。そう考えていると、父上が口を開て言った。
「あっと、お前とちぐさ殿が最初に出会った場所は覚えているか?」
「覚えている限りでは、公園なのですが・・・」
「あっと、違うぞ。」
「え・・・」
否定された。本当にあっとは、ちぐさとは公園でずっと遊んでいた、というか、公園でしか会ったことがない。
「はあ、まあ、いつか言う、それかちぐさ殿が言うかもしれん」
「それは、どういう・・・」
「いつか分かる、その時まで待ってなさい」
「わ、分かりました。」
結局、何が言いたいのかが分からないままその日を過ごした。
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