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東京の街が未曾有の混乱に包まれる中、ゼロディヴィジョンは最前線での救助活動を続けていた。しかし、都市の暴走を抑えるだけではなく、もう一つの大きな危機が迫っていた。
「神城……ニュース速報だ」
氷室 悠真が画面を指さす。
大型ニュースネットワークの速報画面には、ゼロディヴィジョンの存在が市民に露見したという衝撃的な報道が流れていた。
「……まずい」
神城は低く呟く。これまで非公認で動いてきた組織が、突然国民の目に晒された。警察内部、政治、そして裏ゼロにとっても、これは絶好の隙となる。
黒瀬 鷹真は無言で拳を握り、警察内部や街の混乱状況を確認する。
「……裏ゼロが、この騒動を利用する」
その言葉の通り、裏ゼロのエージェントが巧妙に情報操作を行い、ゼロディヴィジョンを市民の“暴走の元凶”に見せかけようとしていた。
神城は仲間と目を合わせ、決意を固める。
「逃げるわけにはいかない。組織も、俺たちも、都市も守る」
しかし内部では、上層部からの圧力と疑念がチームに襲いかかる。
「ゼロディヴィジョン……内部での信頼も揺らぐぞ」
氷室の指摘通り、情報の露出と混乱はチーム内の不安を煽る。仲間同士の意思疎通が重要な局面で、信頼の亀裂が徐々に広がり始める。
神城は冷静に状況を把握しながらも、胸の奥で相棒・霧島 修平の顔を思い浮かべる。
(修平……俺たちは、裏ゼロの策略を乗り越えなければならない)
東京の夜は混乱の極みに達しつつあった。
だが、ゼロディヴィジョンの三人は、都市を守る使命と、国家の陰に潜む裏ゼロへの戦いを前に、全力で立ち向かう覚悟を決める。