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学校では楽しく過ごしている。だけど、家では地獄が待っている。だから今日は、お母さんに「帰るの遅くなる。」って言った。公園の大木の根元に腰をかけて、上を眺める。すると突然、突風が吹いて、僕は思わず目を瞑った。次の瞬間目を開けると、1人の少女がこちらを不思議そうにみつめていた。歳は僕と大差ないだろう。でも、なんだかとても綺麗で、見惚れてしまいそうだ。なんて考えていると、彼女が僕に聞いた。
「貴方の名前は?」
「僕は…アネモネ。君は?」
「私は、スズラン。よろしくね!」
「うん。よろしく。」
「スズランはどこから来たの?」
「大きなお家から、たまにこの公園まで遊びに来るの!アネモネは?」
「僕はゴミみたいな家から、綺麗な公園まで来ているよ。スズランが羨ましいな。」
「私が羨ましい?そんな事ないよ、勉強しなきゃ行けないんだから。」
「其れはみんなもやっている事じゃ?」
「私のはもっと難しいの!」
「そうなんだ。大変なんだね。」
「スズラン様〜!」
「あ!ウメ!」
「もう、何処にいらしたのですか?」
「アネモネと話していたの!」
「アネモネ?その方ですか?」
「は、はい。僕がアネモネです。」
「ご機嫌麗しゅう。私の名前はウメと申します」
「は、はい。ご丁寧にどうも。」
知らなかった、スズランがこんなにも
お嬢様育ちだとは…
「そ、それじゃあ。僕はこれで…」
「待って!何処に住んでるのかだけ教えて!」
「え、ええと、公園のすぐ側です…」
「教えてくれてありがとう!私明日も此処に来るからね!バイバイ!」
「う、うん。バイバイ。」
不思議な子だな…なんて思いながら、地獄という名の家へ帰る。
「やっと帰ってきたわね…!」
「た、ただいま…」
ボコッ
「いっ…」
顔を思いっきり殴られた。
「アンタがいない間、お義父さんは居なくなるわ、お父さんは暫く帰れなくなるわ、ユリは彼氏作ってデートに行って…」
マシンガントークとでも言うのか、それぐらいの勢いで僕がいない間の出来事を話すお母さん。僕に居場所なんてない。とうに分かっていたことだ。どうせこの地獄を抜けたとて、また新たな地獄が待っているだけだ。