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口は災いの元

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口は災いの元

3 - 第3話

♥

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2024年01月11日

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俺が火に油を注いだ直後、

わっちが俺の両手首を両方の手で

軽く掴んだ

わっちの表情はすごくにこやかで

俺まで口が緩みそうだった



でも、

次の一言で俺の顔から

笑顔は消え失せた。



「教えるのは言葉より身体の方が分かりやすいから、脱いで?」


わっちの表情は

さっきと変わらずすごくにこやかである

だけれども

その笑顔で口走っていることは

何だかとっても恐ろしいことのような 気がした


としちゃんは

わっちの意見に

それは良い!

と言わんばかりに頷いた



「え。脱ぐって何…?今?」


とりあえず意味がよく

わからない俺は

聞き返す

でも返ってきた言葉は



「勿論、今だよ。いま。」


ねぇねぇ。

これは俺にしか聞こえていない

幻聴ですか?

それとも夢でしょうか

悪い夢、


ごくり、

と唾を飲み込む

で、もう一回聞いた



「それさ、俺に言ってるの?」


それを聞いたとしちゃんとわっちは

吹き出した


「当たり前でしょ」


「そんな分かりきったことを、」


背中に寒気がした

この二人は”本気”である


「…ねぇ、二人とも?さっきの俺の言葉、聞かなかったことに……って!ぅわ!?おい!」


俺が言葉を言い終わる前に

わっちに後ろ向きに押し倒された

そして心なしか

足元にも違和感が、

ちらりと見やると

としちゃんが足首を押さえつけてる

俺は身動きが取れなくなってしまった。もうこれは、仕方ないのか…?


「なっ!…何の冗談!?」


「いや。至って普通だけど?」

「浮ちゃん言ったんじゃんか、教えて?って(笑)」


「ぅや……い、言った…け、ど……こういう意味では…!」


二人は俺の言葉を聞いて

また笑う


「まだ何も言ってないのに(笑)“こういう意味では”なんて、うきちゃん、誘ってんの?」


と、わっちが耳元で囁いた


「んゃ…///そ、んな……つもりじゃ…ぁ」



「浮ちゃんて本当に可愛いねぇ。無自覚で誘っちゃうなんて」


としちゃんまでそんなことをいう

否定しようと口を開きかけたとき

わっちの顔が俺に近付いた

何?って思うよりも早く

俺は話せなくなる


ちゅ


わっちの顔が俺の顔から離れた

俺は瞬きもできず唖然としてた

だって、今わっちは、俺の唇に

キスしたんだよ


俺の唇に、


信じらんないことが起きてる。

俺の頭はショートしてる、

思考停止中。


「あれ、浮ちゃんキスだけで固まってるの?」


わっちだか、としちゃんだか、

俺に話しかけたけど

そこまで頭が追い付かない


「固まる、とか(笑)予想以上に乙女な反応すんのね」


多分わっちが言ったんだろうと思う

40代半ばのおじさんに

“乙女”とは何事か、


無駄にそんな所に頭が回る

そんな所は後で良いのに、

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