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ー13年前ー
「お兄ちゃんだあれ??」
「俺はりょう。こんなところで何しているの?」
「お父さんたちお仕事だから、遊んでいるの!!」
「いっしょに遊ぼ!!」
ー1週間後ー
「咲夜…。ごめんね。これからは咲夜とは会えない。」
「なんで…?」
「お仕事が入っちゃったんだ。」
「お仕事?」
「そう。」
「やだ!!お兄ちゃんともっと遊びたい!!」
「咲夜。ごめん。泣かないで。」
「グスッ…。」
「咲夜。この水晶をあげる。」
「きれい…。」
「だから泣かないで。」
「お兄ちゃんまた会えるよね?」
「もちろん。咲夜が水晶を持っている限り…。」
ー現在ー
私は今日、捧げ物の少女として、この村を守る吸血鬼に捧げられる。
真っ白な服に着替え、温泉で体を清め、祈りを掲げ、家族と挨拶をする。
「ゆめ兄…。」
「咲夜…。がんばれよ…。」
「うん。ありがとう…。」
ゴーンゴーン。
時間を知らせる鐘がなる。
満月の光に照らされながら、神社の裏山を歩いていく。すると、湖の前に出る。私は座り込んだ。
「迎えに来たよ。俺達の花嫁。」
目を向けるとそこにはオレンジがかった髪をした男性がいた。
「さあ、行こうか。」
抱きかかえられて、空に飛んだ。