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#学園
大正
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読み終わりました! 第488話、お疲れさまです! 4番の自爆を防ぐために、逆神大吾さんがまさかのドラゴンボールオマージュで異世界にポイ捨てする展開、笑いました。あのスカレグラーナの住人たち、また逆神家に振り回されてて可哀想だけど好きです(笑) それと、阿久津さんの「犯罪者だから」って中庭で待つシーン、グッときました。彼の矜持と不器用な優しさがじわじわ効く。最後に全裸で現れる逆神さんとの掛け合いも、安定の脱力感で好きです。お疲れさまでした、あっくん!
4番ロブ・ヘムリッツの自爆。
その威力は凄まじく、数十メートルほど離れていた後方部隊の位置にも爆風と吹き飛ばされた鉱物の類が飛来していた。
「あーあー。ったくよぉ。アトミルカの連中は頭おかしいんじゃねぇのかぁ? 普通、ここまでの自爆するかねぇ? 近くに転がってる9番だって、まだ生きてんだろうがよぉ。……で、あんたら全員無事だなぁ?」
阿久津浄汰は残った煌気全てを使用して防壁スキル『結晶金色膜』を展開。
未だ治療中の和泉正春Sランク探索員をはじめ、屋払&青山Aランク探索員の身を見事に守り切って見せた。
「げふっ。阿久津さん……」
「あぁ。喋んねぇで結構だぜぇ。あんたに血ぃ吐かれると、こっちの身が削られる気すらしてくるようになっちまったんでなぁ」
「そんじゃ、オレらが言わせてもらうんでよろしくぅ! 阿久津さんがいなけりゃ、オレらも無事じゃなかったんでぇ!」
「本当に! 阿久津さんには助けられてばかりです! あの、私なんかじゃただ祈ることしかできませんが! 刑期が早く終わって、探索員に復隊できると良いですね!!」
「いや、俺ぁ別に探索員にゃ未練なんかねぇんだがよぉ。……ちっ。どいつもこいつも、犯罪者にガチ感謝しやがってよぉ。不良がたまに良いことしたら善人と思うタイプかぁ? 言っとくけどなぁ。マジメに生きてるヤツの方が何倍も偉いんだぜぇ?」
和泉も屋払も青山も何も言わず、ただにっこりと微笑んだ。
それを見て「ったく、マジでやりづれぇヤツらだよなぁ。あんたらは」とそっぽ向いた阿久津。
意外と責任感の強い彼は、そのまま再び傾斜を滑り降りていった。
和泉に代わり部隊のナンバー2として、部隊長の現状把握を手伝う程度はできるからである。
◆◇◆◇◆◇◆◇
五楼京華上級監察官は、煌気で体を覆う事により強固なシールドを発生させて4番の自爆をやり過ごしていた。
あえてスキルを使わずに有事への備えとする姿勢は、ついに冷静さを取り戻した五楼京華その人であった。
「あぁ。ご無事で何よりだなぁ。上級監察官様よぉ」
「阿久津もご苦労だった。人名救助も戦功に加えておこう」
「ちっ。不名誉なもん貰っちまったなぁ。まあ、それで刑期が減るってんなら、我慢しとくぜぇ。……で? 死んだのかぁ?」
「どちらの話だ?」
「いや、そりゃあアトミルカの……。あぁ。分かった、分かったからよぉ。そんな目で見てくれんなよなぁ。どっちもだ。どっちも死んでると良いなぁ?」
「……今の発言は非常に大きな戦功として記録しておこう! 貴様、やはり見所しかないな!!」
阿久津は笑顔弾ける上級監察官にため息をつきながら、煌気を探る。
何も感知できない状況から「親父はマジで死んだのかぁ? ……いやぁ。このパターンに何回騙されたと思ってんだよなぁ、俺ぁ」と油断を見せない。
すると、爆炎と煙が少しだけ弱まり、爆心地の様子が垣間見える。
煙の隙間からでっぷりとした裸の腹部が見えて、「だろうなぁ」と諦めに似た納得をするあっくん。
「おおおい! 京華ちゃん! あっくん!! オレ、やったよ!!」
「やりやがってんなぁ……。この規模の爆発とあのタイミングで、なんであんたは生きてんだぁ? マジで不死身なのかぁ? おい、上級監察官様よぉ。……あぁ。ダメだ。まーた故障しちまいやがった。なんで俺が進行役までしなきゃなんねぇんだよ」
だが、愚痴りながらも阿久津はあるべき者がそこにない事に気付く。
「おいおい。親父ぃ。……4番の野郎はどこやったぁ?」
「そこに気付くとはあっくん! さすがだな!! 投げキスしてあげちゃう!!」
「んな汚ぇもんはいらねぇからよぉ。顛末は話してくれや。どうやら俺が記録係まで仰せつかっちまってるみたいなんでなぁ」
「あっくんってば、働き者! じゃあ、簡単に言うぜ! 気合入れたらでっけぇ『門』が出せたんで、そいつを展開した状態でまず4番の野郎の管を『次元大切断』でぶった切った!! でぇ、『門』の中に爆発中の野郎を叩き込めば、はいおしまい!!」
なお、これはドラゴンボールの人造人間編で自爆するセルに対して悟空が行った処置である。
異世界・ゲレが人造人間製造施設だからと言って、そこまで踏襲することはないだろうに。
「聞いてるだけで常識疑いたくなってくんなぁ……。で、その爆弾はどこにやったんだぁ? 無人の荒野とかかよぉ?」
「ああ! オレの知ってる異世界に送っといた! スカレグラーナって言うとこなんだけどな! 大丈夫、あそこのヤツらみんな丈夫だから!!」
阿久津は眉間を押さえて「……人がいるとこに爆発してる最中の危険物送り付けるとかよぉ。思い付いてもやらねぇだろうがよぉ」と感想を絞り出した。
◆◇◆◇◆◇◆◇
ほんの数分前の異世界・スカレグラーナ。
「なにごとか!? ジェロード! ナポルジュロ!! 卿ら、この凄まじい揺れは……!! なにゆえ『門』がある。そして、その人間は何だ?」
竜人バルナルド様が既に何度も爆発しながら転がっている4番を見て戦慄していた。
「よくは分かりませぬが、この煌気の主は逆神大吾でありますな。時にバルナルド様」
「続きは我が申そうではないか。この人間、残り数秒で大爆発しますぞ」
「凍結属性のブレスを吐けるバルナルド様の出番かと」
「我らにはできぬ芸当ゆえ。お任せいたす」
バルナルド様が目に涙を浮かべながら「逆神家の人間はどうしていつもこうなのであろうか……」と詮無き疑問を抱きつつ、『ゴルドブレス』にて4番を瞬間冷凍して事なきを得ていた。
なお、その事実が五楼の耳に入るのは後日の事である。
◆◇◆◇◆◇◆◇
阿久津は分かる範囲で事の次第を五楼に伝えた。
どうにか再起動した上級監察官は「よし。分かった」と返事をする。
続けて「これより我々は協会本部へと帰還する。サーベイランスにより各地の処理を担当する事となった木原監察官が出撃したと知らせがあった。ならば、現状の脅威は去ったと私が判断するゆえ、急ぎ転移する。全員消耗が激しすぎるからな」と部隊長の見解を示した。
身動きの取れない和泉の周りに【稀有転移黒石】で煌気力場を作ると、五楼京華は速やかにトリガーを引く。
一瞬で五楼隊の姿は消え去り、異世界・ゲレには戦いの残骸だけが取り残された。
「……あれ? ちょっと? 京華ちゃん? あっくん? みんなのヒーロー逆神大吾さんがまだここにいるけど? サーベイランスぅー!! ……みんな、まさかオレの事を忘れてたりしねぇよな? ははっ、ないない! 大金星いくつもあげたこのオレが! もう、京華ちゃんは昔からそういうとこがあるからなぁ!!」
異世界・ゲレには、戦いの残骸だけが取り残された。
◆◇◆◇◆◇◆◇
協会本部の転移座標に現れた五楼隊。
既に連絡を受けていた山本大山Aランク探索員率いる治療部隊が、速やかに救護措置へと移る。
「これは! 和泉さんが重傷だ! 医療室へお運びしろ!! 他の皆さんも自力で歩けますか? 担架を用意しますが!?」
「オレらは軽傷なんで、よろしくぅ!」
「あれ? 阿久津さんは?」
阿久津浄汰は現在、犯罪者の身分である。
また、その罪状は「日本探索員協会に対する反逆行為」であり、彼の矜持は協会本部の建物内に留まる事を許さない。
独り中庭へと歩いて来た阿久津。
すると、地面から門が生えて来る現場に遭遇した。
続けて現れるのは、全裸の中年。
「いやー! 意外と昔の勘って取り戻せるもんだわ! 『門』がパチ屋の自動ドアサイズで出せるようになってる! オレってば素敵!! あらー! あっくん! 待っててくれたん!?」
逆神大吾を見て、阿久津は大きく息を吐いた。
続けて、全ての者の代弁者としての役目を果たす。
「……親父よぉ。おめぇ、どうあっても普通に戻ってくんだなぁ? もう驚きを通り越して、なんだか落ち着くぜぇ。多分、この世であんたを殺せるヤツぁ、てめぇの息子くらいのもんだよ。くははっ」
あっくん、今回もお疲れさまでした。