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〈nakamu side〉
俺の目に映ったのは血だらけのベッドルームと
黒いオーラに包まれた、俺自身だった。
…………………………………………………*
凄まじいオーラの中から垣間見える俺の姿は
目に光はなくその瞳は深いルビー色に染まっていた。 その姿はもう『なかむ』という存在ではなかった。 彼がやったのであろう
その部屋にはすでにふたり、力尽きている
他のみんなは傷を負いながらも俺を止めようとしている
kn 「なかむっ、もどってきて!」
いつも隣にいた友が突然別人へと変化してしまったというこの状況下で身を挺して止めに入る幼いきんとき
そんな勇敢さも無碍にするように彼は力でねじ伏せ、きんときはそのまま意識を手放した
sh 「どうなってるんだよこれっ!」
泣き叫び、倒れた3人を庇いながらも彼に訴えかける。しかしそれも虚しく彼の心はもうここに在らず、彼の心にその姿が届くことはなかった。
kr 「戻ってこいよ、なかむ!」
一生懸命に彼の名前を呼ぶきりやんは他4人を守るようにしているが、その身体は緊張と恐怖で震えていた。
魔法の使えない幼児期からするとこの状況はあまりにも過酷で抗いようがなかった
気づけば彼は親しき友をひとりで、それも一瞬にして手にかけてしまった
しばらくすると魔術師たちが集まってきて、暴れている彼を鎮めようとした
しかし恐ろしいことに彼の力は大人の魔術師ですら及ばないほど膨大であった
それにより2人の魔術師は帰らぬ人となってしまった。
静かな森に響く彼の笑い声。
彼は 悪魔そのものだった
…………………………………………………*
Nk 「オェッ、ゲホッゲホ」
あまりにも衝撃的な事実に嘔吐してしまう。
この件により母は、
・俺を魔力を無くすこと
・幼少期の記憶を無くすこと
・身近に監視下をおくこと
そして
『自らが処罰を受けること』を余儀なくされた
これをひとりで抱えて混んでいたと思うと想像を絶する苦しみだっただろう。
俺は償いきれないことをしてしまったんだ
Nk 「俺は一体なにを、、。」
nk 「思い出してくれてありがとう」
その声にハッとすると
そこには5歳児のなかむではなく推定15歳ほどの青年となっていた
ズキッ
Nk 「うぐっ、、」
nk 「君が思い出すことさえしてくれれば
僕はよかったんだー」
ヒューッ、カヒューッ
Nk 「なにいってんだっ」
nk 「ほんとに察しが悪いなぁ」
だるそうに頭をかきながら、俺の心臓付近のあざをぐりぐりと抉ってくる
Nk 「ぐっ、、 」
nk 「あのとき僕の力は強力すぎて
誰も抑えこむことができなかったんだ」
nk 「だから僕を眠らせるしかなかったわけだけど、君が思い出してくれたおかげで僕は起きることができるってわけ」
Nk 「起きてどうするつもりなのっ」、カハッ
彼は不気味な笑みを浮かべて
俺の頬に手をまわす
nk 「君がいちばんわかってるくせに笑」
とさらに笑う彼の顔は悪魔でしかなかった。
もうこいつとは会話が不可能らしいな
Br 「戻ってきて!」
nk 「、、、呼ばれちゃったみたいだね」
行かせてもらおうかなどと言って強がり、笑みを浮かべる俺は彼の手を掴み頬から離そうとする
この馬鹿力め、なんで離さないんだよくそっ
すると彼は「いってらっしゃい」といって
俺に口付けをした。
ドクンッ
…………………………………………………*
〈broooock side〉
目の前で苦しみ足掻きながら思い出そうとしている姿を見て僕は邪魔しようと思ったんだ
だって彼は、なかむは、責任感が強くていつも引っ張っていってくれて、強くて優しいから
世の中には知らなくていいこともある。
なかむはこの真実に耐えれないかもしれない
知らない方が幸せに過ごせるかもしれない
みんなともたくさん話したよ
そう、僕らはあの事件後になかむの監視役に任命されたんだ
正直に言った方がいいのか、隠し通すのか。
きっと隠した方がなかむは傷つく、それでも
なかむには笑顔でいて欲しかったから僕らは真実を隠して、なかむと友達でいることを選んだんだ
これは僕なりの『愛』なんだと思った
登校時のとき様子が変だったことには気づいていたはずなのに、痛みを感じていることに気づいていたはずなのに
こんなになるまで見逃してしまった自分が何よりも情けない。
ごめん、なかむ。でも思い出してはいけない
Br 「戻ってきて!」
僕の言葉に反応して目をゆっくりとあげる彼の姿にホッとした
Br 「なかmっ」
ゾッとした。あたりの空気が凍りついたように感じた
なかむのまぶたから見えたその瞳は、鮮やかに輝くブルートパーズではなく、濁ったルビーだった
ゴフッ
Br 「、、、え 」
目を覚ました彼がすでにもう彼ではないと気づいた頃にはもう遅かった
彼の腕は僕の心臓を貫通していた
ヒューッ、ゴロゴロッ
肺に血液が入り込んで呼吸するたびに奇妙な音がなる。度を越した痛みと出血で頭がぼんやりしてきた
Sm 「ぶるーくっ!」
Br 「にげてっ!!」ガフッ
痛みに抗いながらみんなに目を覚ました彼が彼ではないことを伝える。
僕は死ぬの?
なかむのそばにいてやることができなかった虚しさが申し訳なさが募ったまま僕は目を閉じた
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〈nakamu side〉
チュッ
は、なに今の?こいつまじで何なんだよ
ドクンッ
Nk 「ぐっ、ゔぁぁゔっ」
あざが熱を孕み、火傷のような痛みに襲われる
nk 「もういっていいよ」
目を覚ますとそこには俺の腕が貫通している友の姿があった。
何が起きているのか頭が追いつかない
体の震えが止まらない。おれは、俺は
Br 「にげてっ!!」
その声を聞いて全てを理解した。
俺はまた大切な仲間を傷つけた、
しかもこの手で、あの時と同じように
Nk 「ゔぅぁっ、っんぐ」
手に残る感触が気持ち悪くこびりつき腕がブルブルと震えをやめない
焼けるような痛みに耐えながらみんなに危害を与えないよう必死に遠くへと間をとる
Nk 「にげっって、、俺からはなれっ」
フーッ、フーッ、
残り少ない理性で必死に伝えようとする
これ以上被害を出さないために
しかし、うまく声を張れず言葉が繋がらない
制御の効かない自分の身体に必死に抵抗する
もうこれ以上の被害を出さないために、
またあの同じ過ちを犯さないために。