ここは、人間とヴァンパイアが共存する世界。
人間とヴァンパイアが共存なんてできるわけが無いそう思う人もいるだろう。
実際この世にも沢山いる。そのため、人間とヴァンパイアで分けられた世界と人間とヴァンパイアが共存できる世界がある。つまり世界が3つにわけられている。僕はと言うと、人間とヴァンパイアが共存する世界にいる。
僕のいる世界は、たまに人間を狙うヴァンパイアが出るため夜8時以降外を出歩くのはあまりおすすめされない。その悪いヴァンパイアに出会ってしまうから。
(で、出会ってしまった…)
僕は、咄嗟に逃げようと後ろを振り向き走ろうとするが先程まで僕の目の前に居たヴァンパイアが僕の前を塞ぐ。
その後、壁へと追いやられ顔をあげられる。
「血、吸ってもいい?」
全体的に黒い服装に青髪の青年にそう言われる。僕は必死に首を振るが初めから血を吸うつもりだったようで、僕の首筋に牙をたて血を吸われる。
「んぅ……もッ…やめッッ……」
初めての血を吸われるという感覚に、ついそんな声がもれる。
しばらくすると、満足したのか口を離し顔をあげるヴァンパイア。
僕と目が合ったので僕は「契約てない人の血を吸うのは規約違反…ですよ」と言うとヴァンパイアはにやっと笑い「味見は大事だよ」と言った。
「それじゃあ、またよろしくね♡」
ヴァンパイアはそう言うとどこかに去っていった。僕は最後の言葉がどういう意味なんだろうと思いながら、これ以上外にいては危ないと思い急いで家へと向かった。
「ただいまー」
「るぅと!おかえりなさい!怪我は?!ヴァンパイアには出会わなかった?!」
家に帰るとすぐに、お母さんとお父さんが駆けつけ僕に問いかける。
「うん。ごめんね?大丈夫だよ。少し学校で残ってたら遅くなっちゃった」
2人を安心させるためにそう言うと2人はほっとしたのか「よかった…」と胸を撫で下ろしていた。
きっと本当の事を話してしまえば、2人とも心配性なので学校に行かなくていいと言われると思い言わなかった。
ご飯やお風呂を済ませ部屋でくつろいでいる時、ふとヴァンパイアが言っていた『またよろしくね』はどう意味だったのか考えていた。
恐らく、あの流れからにしてはまた血を吸わせてねという意味だろう。
だが、僕がもうあの時間に外を歩かなければもう出会うことはないだろう。
だが、万が一出会ったら次はどうやって逃げるのかそんなことを考えていた。
人間とヴァンパイアでは天と地ほどの差がある。ヴァンパイアは運動能力が高い。
そのため人がヴァンパイアから逃げるというのはほぼ不可能に近い。だか、そもそも夜に外を出歩かなければいい話だと思い僕は眠りにおちた。
✘✘✘
昨日、街で出会った黄色い青年。
その青年の血を飲むとすごく美味しかった。
ヴァンパイアと人間にはそれぞれ相性というものがある。相性がよければ血が美味しくなり、悪ければ不味くなる。
だから、きっと僕と青年の相性は良い。
また、彼の血が飲みたいそう思い彼が帰る時後を追い彼の家を突き止めた。
血が飲みたい時、何時でも彼の家へ行けば血が飲める状況だ。
昨晩も飲んだばかりで、彼には申し訳ないが僕は飲みたいので彼の家へお邪魔させてもらう。
不用心にも、彼の部屋の窓は開いており部屋に入るが彼の姿はない。
僕は、彼が戻って来るまで彼の部屋の椅子に座って待つ。
しばらくすると、こちらへ向かってくる足音が聞こえドアがガチャっと音を立てて開いた。
僕が彼の方を振り向くと彼は少し、ビクッとしてドアを閉めた。
「な……なんでいるんですか…?」
少し震えた声で問いかける彼。
「大声、出しますよ?」
大声を出されては困るため、彼の後ろにまわり口を塞ぎ人差し指を口にあてると彼はすんなり黙ってくれた。
まず、仲良くなるためには自己紹介だと思い、僕は軽く挨拶をする。
「僕はころん。よろしくね?」
自己紹介をすると、彼も少し警戒を緩めてくれた。僕が「君の名前は?」と尋ねると恐る恐る「るぅとです」と教えてくれた。
僕がここに来たのは血を吸うためでもあるが彼、るぅとくんと交渉をしに来た。
「早速だけど…僕と契約しない?」
「無理です」
しばらく彼の返事を待つと、そう返答された。
「無理やり、血を吸ってきたと思ったら今度は勝手に家に入ってる人と契約なんてしません!」
「いや、勝手に血を吸ったのは悪いと思ってるよ!ごめん」
僕は慌てて昨日のことの謝罪をする。
「それだけですか?」
他に何を謝罪をするんだろうと考えると彼は「勝手に家に入ってることは悪いと思わないんですか!?」と殴られた。意外にも彼は暴力的なようだ。
「とにかく!僕は貴方となんて絶対に契約しません!出て行ってください!」
僕もこれでは引き下がれないので、わざと体調の悪いふりをし「血が足りないよ…」と言うと彼は無駄だと言わんばかりに僕を睨んでくる。
「ぐぬぬ……るぅとくんのこと諦めたわけじゃないからね」
引き下がりたくはなかったが、今は何をしても無駄だと思った為僕はそう言って1度引き下がることにした。
数週間後。
「今日は転校生を紹介する。」
僕はその声とともに教室に入った。
「初めまして!蒼月空ころんです!ヴァンパイアです!よろしくお願いします!」
僕は、るぅとくんのいる学校に転校生という形でやってきた。
るぅとくんを見るとうわっという表情でこちらを見ていた。
僕は少し、意地悪してやろうと「あ!るぅとくーん!」そう叫ぶと彼は不機嫌そうな顔をしてそっぽを向かれた。
「なんだ、知り合いか。なら黄川が学校案内してやってくれ」
先生がそう言うと彼は更に不機嫌そうな顔をしていた。
昼休み、ほとんどの人がお昼を食べ終わった頃。
「学校案内しなくていいんですか?」
横からそう言ってきた彼。
どうやらあれほどまでに不機嫌そうだった彼は学校案内をしてくれるようで「ありがとう!よろしく」と返すとさっさと歩いいってしまった。
急いで彼の後を追いかけるとるぅとくんはテキパキと学校の案内をしてくれた。
その間、るぅとくんは全く僕の名前を呼んでくれなかったので「名前で呼んでよ」と言うと彼は「嫌です」と即答された。
「じゃあ無理やり血、吸っちゃおっかなー」
少し脅し気味に言うと「ころん…さん?」と返された。
少し距離を感じたので「ころちゃんがいい!」と返すと彼はまた嫌そうな顔をした。
「血、吸うよ?」
「こ…ころ……ちゃん?」
よっぽど僕に血を吸われたくないのか、素直に従ってくれるるぅとくん。
どうやら、僕がるぅとくんと契約できる日はまだまだ先のようです。
ていう読んでる側からしたら気持ち悪い終わり方の小説だと思います
続きは無い方が多分いいから書かないかな、、?
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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コメント
1件
続きあるなら見たいです!