カミキside
隠れるようにアクアと2人暮らしを初めてから、数年が経過した。最初はアクアの事がニュースに取り上げられていたが、今はもうなくなっている。アイと同じように、アクアも世間から忘れられたのだ。最初は荒れまくっていたアクアも、自分に関するニュースが減っていくにつれて大人しくなっていった。
『壊れていった』の方が正しいのかな。
僕の膝で本を読んでいるアクアを見る。今日はオフでやる事がないから、それぞれ本を読んで一日を過ごしていた。アクアの美しい顔に見惚れていると、目が合った。すぐに逸らすのかと思っていたが、そのままじっと見つめてくる。
アクア)ヒカル、キスしていい?
予想外の要求に面を食らう。いつもはこんなこと言わないのに、珍しいこともあるんだね。
カミキ)いきなりだね。良いよ
読んでいた本に栞を挟み、近くにテーブルに置く。アクアの本も取り上げて同じ所に置く。アクアは文字が読めない。それなのに、僕と同じ本を読みたがる。それが愛おしく思うから、感情というものが不思議でたまらない。
カミキ)ほら、おいで
アクア)ん……
そっと口を合わせる。僕から舌を入れようとしたが、それより先にアクアの方から来た。
カミキ)ん、はぁ…ふっ……♡
アクア)んぅ…あ……はぁっ………////♡
今日のアクアはいつもより積極的だ。最初は気持ち良かったキスだったが、いきなり奥まで舌を入れられた。
カミキ)んっ、まって、深い……!
アクア)まだ…もっと……!
カミキ)んぐっ!?ぅ、あ……♡
ぴちゃぴちゃとお互いの唾液がソファーに垂れる。
流石に息が苦しくなってきたから、少し乱雑にアクアを引き剥がす。キスをしただけなのに目はとろんとしていて可愛らしい。
カミキ)っ、はぁ…はぁっ……いきなり、どうしたの。こんな深いの、今まではしてくれなかったよね?
アクア)はぁ…はぁっ……
お互いに息を整えるため、暫く無言が続く。部屋に響くのはお互いの熱い息遣いだけだ。僕がアクアを引き剥がしていなかったらどうなっていたのか。あのまま窒息死しても良かったのかもしれないと少し変な考えも浮かんだ。
少し落ち着いてきた頃に、アクアが口を開いた。
アクア)たん、じょうび……
カミキ)え?
アクア)だから…お前の誕生日を祝いたくて……
顔を真っ赤にさせながらそう言うアクアに唖然とする。
───それだけ?僕の誕生日ってだけ?
カミキ)それだけの為に、あんなに頑張ってくれたの?
アクア)……うん
誕生日なんて、ちゃんと祝われたことなかった。僕を僕として見てくれる人なんていないと思ってた。
けど、アクアは違った。僕の誕生日に、僕だけのために頑張ってくれた。
カミキ)っ、あ……!
湧き上がってくる感情、昂る感情。これが愛?こんなに暖かくて、優しくて……。
カミキ)アクア、もっと欲しい
アクア)たくさんやるから、その……///
カミキ)分かった。ベッドが良いんだよね
こくりと頷いたアクアを抱き上げ、僕の部屋に運んでいく。ただの休日だと思っていたけど、こんな日も悪くない。
カミキ)アクア、お祝いして
アクア)誕生日おめでとう、ヒカル
あぁ、ダメだ。これ以上貰ったら欲張りになってしまう。
終わり
コメント
6件
なんでこんな素敵な作品がずッッッッッッと見つからなかったんだ、
ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙好きです...大好きです...たすかります😭🙌💕