テラーノベル
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町外れに停めたキャンピングカーで一晩を過ごした後、レオンたち一行は北へと歩を進める。
3人を乗せたその車体が荒野を行く途中、時折石を踏んづけて静かに揺れる。西側に海岸線が見えてきたので、そこに並行するように走っていった。
お昼11時頃だろうか。小さな立て札があった。それは木で造られていて、潮風や雨晒しで少し腐食していた。
『港町・ロッコまで 1.5km』
港町。そのワードを聞いて、後部座席に座っていたアクセルが少し嬉しそうに目を輝かせる。
アクセル「港…つまり海!俺っちにぴったりな町だぜ。」
レオン「名産品は…海産物、特に海老とロブスターか…美味しそう…!」
レオンもまた、初めて食べる海老やロブスターに対して大きく期待と興味を示した。
しかし、1人だけ憂鬱な者がいた。クルミである。
クルミ『ロッコ…私の実家がある街…』
クルミ『恥ずかしいから黙っていようかな…』
彼女が1人複雑な気持ちを抱えていたのも束の間。男2人が興味津々でロッコに関する観光ガイドブックを読み漁り始めていた。
レオン「クリスピー海老天!?」
アクセル「乗船体験もあるなんて…!?」
レオン「…よし、行くしかない。」
クルミの気持ちとは裏腹に、3人を乗せたキャンピングカーはロッコに到着してしまった。
クルミ『終わった…レオンに実家、見られちゃうかもしれない…恥ずかしい…』
3人は車から降り、万一にも盗まれたりしないようにしっかりとドアに施錠を済ませた。
6月。さんさんと降り注ぐ陽の光。カラッと乾いたそよ風。磯の匂いを含んだ、どこか塩っけのある匂い。
ここは東大陸の中でも、特に漁業が発展している。近隣の集落や町にも出荷されるほどにエビが獲れるという。
アクセル「海の男が来たぜ!」
レオン「よっ、工場長。」
アクセル「ツナギだもんな。しゃーねぇ。」
男2人がちょっと軽口叩き合ってるうちにも、クルミの冷や汗は限界突破しつつあった。
その時だった。レオンがそっとクルミの方を振り返り、紫色の猫っ毛な髪を潮風に靡かせている。
レオン「…その靴下、新しいの買ったの?」
レオン「…似合ってる。」
クルミ「……ぅぅ…」
クルミ「…ありがと…」
クルミは顔から火が出るほど恥ずかしいといった表情。何しろ、今の今まで気づいていなかったように見えていたから。少なくとも、レオンは絶対気づいてなかった。
…もしかして気づいていたのかも?
…その素振りすらなかったのに。
クルミ『うう…急だったのと恥ずかしかったので、レオンの前なのに変な声出ちゃったな…』
コメント
2件
いいですね…というか投稿ペース早いですね。 さりげなくクルミさんのこと褒めてたりとか…無意識イケメンムーブじゃないですか、すげぇ。 にしても海鮮系の料理に興味津々なのいいですね、可愛かったです。
わあ、新しい土地に着いた瞬間のわくわくと緊張が混ざった感じ、すごく伝わってきました!アクセルとレオンが観光ガイドに夢中になるのは微笑ましいし、それとは対照的に実家を気にするクルミの内心がリアルで…。でも最後の「靴下、似合ってる」というレオンのさりげない褒め方がめちゃくちゃ良かったです。ああいう細かい気づき、心に残りますね。クルミの実家の話、今後の展開が気になります!