テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
部活とは――
部活とは無駄なものか。
走るのも、全力も、応援も、運動も。
創るのも、思考も、楽しみも。
学生諸君にはよく考えてほしい。
大人には、よく思い出してほしい。
部活をしている今は、
部活をしていた過去は、
無駄なものなのか。
「いーち、にーい、さんし!」
『にーにーさんしごーろく!!』
夏の暑い日、学校の体育館から声がする。
蝉の鳴き声と混ざって足音も微かに聞こえる。なぜこんなにも暑いのに学校に足を運ばなければいけないのかと考えながら学校に来る文化部の、ある生徒は体育館の中を少し覗いて立ち止まった。
「ちょ、ボール外出た!!」
「ぁあっ!俺取ってきます!!!」
ダダダッと体育館の中から走ってくる音が聞こえてくる。生徒の足元にバレーボールが転がってきて、生徒はそのままボールを手にする。
「あ!ボール!ありがとうございます!」
「…え、ぁ、うん。」
「これから部活ですか?」
「あ、うん。午後…から、だから」
急に知らない人から話しかけられて戸惑っている生徒をよそに一方的に話しかける運動部の生徒。
「おーい!田城!ボール!!」
「あ!はい!」
「俺、田城 司って言うんだよ!また廊下とかで会ったらよろしく!」
そう元気に言う司に生徒は首を縦に振ったが、少したって話し始めた。
「自分は、佐々野 流輝……。ほら、部活早く行ってきな。」
「あ、うん!じゃあね!」
そう少しだけ会話をして司と流輝は別れた。
「田城、誰と話してたの?」
「おー!龍聖!」
司が体育館に戻るとすぐに話しかけてきた生徒の名前は小野 龍聖。司のクラスメイトであり、司と仲良しである。
「さぁ?はじめてあった人!」
「よく名前も知らないやつと話せるなお前」
「名前は教えてもらったから知ってるぞ! 佐々野さん!」
「知らねぇよ誰だよ佐々野」
言い合いのような、息ぴったりの会話をした2人は元いた場所まで走って、パスを再開した。
「おーい、佐々野ー、今の誰?」
「あ、藤本。」
佐々野の後ろから声が聞こえ、そちらを振り向くとそこには、佐々野と同じ部活の、藤本 陽が佐々野に話しかけていた。
「う~ん…よく分からないんだけど、多分、男子、バレー部…」
「よく知らない人と話す!?お前そんなフレンドリーだったか!?」
「うるさい藤本。」
佐々野に少し煽り気味に話しかけた藤本はうるさいと言われ、頭をグリグリ攻撃される。
実は佐々野は猫背なだけであって、身長は175cmほどあり、168cmの藤本よりも身長が高く、つむじであろうと簡単に触れてしまうのだ。
「ハァ…もうやだ、寿命縮んだ…」
「ハッハハハ!!知らない人と話せただけで進歩だわ…!」
「何その親目線…」
そう会話しながら2人は美術室に入り、芸術部の活動が始まる。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!