その後、原田の提案は近藤局長によって却下され、僕と風香は土方からまた刃物を持ってないかと疑問をぶつけられた。だから本当に持ってないんだってば!しかし、そんなことを言ったとしても彼等は耳を傾けてもくれないし信じてくれないだろう。全く、どんだけ話を聞かない人達なのかな。聞いてるこっちもイライラするんだから。💢
因みに、僕達がこの時代に飛ばされた時に持っていた物は財布と携帯、小さい土産物くらいだった。財布を出したとしても、彼等には未来のお金を理解して貰えないし僕らのことを異邦人と見なされる。更には携帯や土産物でも怪しまれるに違いないだろう。僕は頭の中で必死に試行錯誤していると、風香はこんな言葉を言った。
風香「実は私達、陰陽師(おんみょうじ)をしている者でありまして、厄祓いをしながら此の国を回っております。 」
五条(え?)
いやいや風香、急に何を馬鹿なこと言ってんの!?この時代に飛ばされてとうとう頭おかしくなったの!?💦 ←(五条先生、それは流石に言い過ぎだし私に対しても失礼だよ。💢By 作者)
でも、風香から後で聞いた事なんだけど、陰陽師は僕達がやっている呪術師と同じ意味なんだとか。風香の今の台詞に少し興味を持ったのか、それまで黙っていた斎藤が口を開いた。幹部の人達も驚いてその場はザワザワし始めた。
斎藤「あんた、それは本当か?」
風香「はい、私とあの三人はご修行中の身でまだまだ見習いなのです。そして、私の隣にいる方は私達の指導してくれる先生でございます。」
五条「フフン、凄いでsyーーー、ごふっ!!」
風香の言葉で僕は思わずドヤ顔をする。しかし、今度は風香に肘で腹部を殴られた。彼女の顔は怒りが完全に出ていた。本当にごめん風香!?まじで許して!!?💦風香から「彼等には礼儀正しくお辞儀しろ」という目で見られ、直ぐに僕は礼儀正しくお辞儀をした。
しかし、永倉の発言で風香の作戦は失敗に終わるような展開になってしまった。
永倉「おい、お前らさっき「陰陽師です。」とか言ってたけどよぉ、本当に陰陽師なのか?それに、もし陰陽師だったのならそんな変な格好すらしないだろ?」
五条・風香「あ……。・う……。💦」
今の永倉の鋭い質問で僕らは何も言い返せなかった。いや、説得が出来なかった、というのが正しいのかもしれない。永倉のその台詞で土方副長も納得して口を開いた。
土方「あぁ、確かに新八の言うとおりだ。もし本当に陰陽師だったのならそんな変な格好はしねぇはずだ。」
土方副長にも鋭いことをぶつけられ、風香は彼に説得を試みたのだが…。
風香「こ、これが私達の正式な服装であり、仕事用でもあります。💦」
総司「嘘つき。顔の表情ですぐに分かるし、それに顔におもいっきり「嘘」が書いてある。」
風香「あうっ…。💦」
何とか説得を試みていた風香だったが、土方副長と総司の一言で押されてしまい、困惑してそのまま何も言い返せなくなってしまった。押されて困惑してしまった彼女が可哀想に感じてしまい、僕は彼女を守るかのように抱き締めて、彼等にそれまでのことを大きな声でぶつけた。
五条「僕らは約二百年後の未来からやってきた呪術師なんだよ!!皆とは服装は違うけどそれでも呪術師として活躍しているんだから!!」
僕の発言で幹部の人達はまた驚いた顔をした。僕はまだまだ話を続ける。
五条「さっきの皆からの疑問のことだけど刃物なんて持ってないから!それに彼奴を殺したのはこれだから!!」
僕はそう言って右手を土方副長が座っている右の壺を手で狙い、そこから呪力で割った。割れた壺は小さな欠片《かけら》となって床に散らばった。
幹部達「わっ!?・うわっ!!・なっ!?・うおっ!?」
壺の割れた音で、幹部の人達は割れた音に驚いて短い叫び声をあげた。
五条「もう一度言うけれど、僕らは本当に呪術師なんだから信じてよ!! 」
僕の声は土方副長の自室で驚くくらいに響いた。僕の腕の中にすっぽりはまっている風香は、僅かに体を震わせていた。小声で「悟さん…。😢」と泣いているのが僕でも分かった。僕の話を全部聞いた土方は、イライラしている様子であり乍も口を開いた。
土方「あぁ、てめぇらの話は良く分かった。刃物もねぇのも分かった。💢」
彼は頭を抑えながらもそう言ってくれた。良かった!やっと分かってくれた!
山南「もう一度、あの三人を連れてきて広間に戻りましょう。私達が話を信じなかったのが悪いですしね。」
土方副長の隣に座っていた山南総長は冷や汗を浮かべ乍そう言い、僕らは長い尋問からやっと解放されたことにとても安心していた。
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